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公認会計士は「食えない」ってホント?

HUPRO 編集部
公認会計士は「食えない」ってホント?

近年、ネットの記事や書き込みで公認会計士は「食えない」と書かれているのを目にします。そこで今回は、本当に公認会計士は「食えない」のか、「未来がない」のか詳しく解説していきます!!

公認会計士が「食えない」ってホント?

結論から申し上げると公認会計士が「食えない」ことはないです。公認会計士は超難関資格で平均年収も高く、収入も安定していて誰もが憧れる職と言えます。

公認会計士の平均年収

2024年の公表資料(令和5年 厚生労働省 賃金構造基本統計調査)によると公認会計士の平均年収は922万円です。
ちなみに…試験合格者1年目の監査法人の初任給は30~35万円前後(年収ベースで550万円前後)です。
一般的な新卒採用の初任給は22万円で、比べてみると公認会計士が非常に稼げることが分かります。

それにも関わらずなぜ、公認会計士は「食えない」と言われているのでしょうか?
以下の章で確認していきましょう。

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出典:令和5年 厚生労働省 賃金構造基本統計調査

公認会計士が「食えない」と言われている理由

①AIの進歩

公認会計士が「食えない」と言われる理由の一つにAIの進歩が挙げられます。ここ数年でAIの進歩は凄まじいものとなっていて、さまざまな職業がAIに取って代わられています。近年、英国のオックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授らが発表した論文の中で、今後10~20年程度でAIに取られる職業の上位に「公認会計士」が入っています。
さらに、日本最大級の匿名掲示板「2チャンネル」の開設者である、ひろゆき氏は自身のYoutube上でこう発言していました。
「公認会計士って資格取っても食えないんすよ。」

「元々上場企業の監査ぐらいしか仕事がないのと、人間がやらなくて良いよねーって部分がだんだん増えていくので、難しいんすよね。」

AIの進歩とこの二人の著名人の影響から公認会計士が「食えない」というイメージが世に広がっているのでしょう。

②就職活動の競争激化

公認会計士合格後、ほとんどの人が監査法人に就職しますが、実は約25%の人が監査法人に就職できません。監査法人の採用人数にも限りがあるのです。公認会計士試験に受かったからといって監査法人に入れるわけではありません。さらに、公認会計士は近年人気度が増してきているので、合格者も増え続けています。それにより、大手などの有名な職場は倍率が高くなり、就職が困難になっています。

このような就職難から仕事がない、つまり「食えない」と言われるようになるのでしょう。

③年収がなかなかあがらない

公認会計士といえば、収入が良いイメージです。しかし、ほとんどの人が思い描いているであろう年収1000万円を稼ぐには、入社後平均7年かかります。初年度の平均年収が500万円程度なので、入社後数年は思い描いていた生活はできないでしょう。

いままで死に物狂いで受験勉強してきてやっと公認会計士なれたのに予想していたより年収が低い、ということに「食えない」というイメージが広がったのでしょう。

④独立後の困難

最後の理由として、独立後経営がうまくいっていない人がいるという理由が挙げられます。公認会計士になった後、自分のやりたいことをしたり収入を増やすために独立する人はたくさんいます。しかし、独立に成功するには、様々な知識が必要とされます。具体的には、税務の知識や顧客集客の知識などです。
これらの知識をインプット上でうまく経営を軌道に乗せられている人は限られており、経営に苦戦する公認会計士も珍しくないのです。

このようなことから独立後の経営難を聞き、「食えない」というイメージが広がっているのでしょう。

「食える」公認会計士になるためには

では、「食っていける」公認会計士、つまり他の公認会計士より稼ぐ公認会計士はどのようなことをしているのでしょうか?

①大手監査法人で働く

大手監査法人は規模は大きいため、中小監査法人と比べて給与が高い傾向にあります。大手監査法人の強みは国内外に多くの拠点を持ち、豊富なリソースと幅広い経験を持っていることです。クライアント数も多く、幅広い地域や業界の人と関わることで個々のスキルアップにも繋がるでしょう。

②独立する

先ほど述べたように独立をすると業務の幅が増え、多くの業務をする必要がありますが、成功すればその分収入も増えます。実際成功している人も数多く存在していて、独立した公認会計士の平均年収は1000万円~3000万円程度といわれています。その人の活躍次第で収入が変わってくるので、収入は安定しませんが、基本的には高く、中には億を超える人もいます。

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③転職する

上記のように、独立しても失敗することは多々あります。ただ、失敗してもまた就職してやり直すことはいくらでもできます。むしろ、その挑戦意欲が次の就職先へのアピールポイントになるでしょう。公認会計士は幅広い転職先を持っていることで有名です。
また、現在の就職先の年収に不満を抱いたら相談するべきです。当社ヒュープロでは無料相談・無料面談を実施しています。あなたのスキルを活かして、もっと稼げる会社がきっと見つかります!

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公認会計士の就職先は?

監査法人

公認会計士の多くが最初に就職するのが監査法人です。特に「Big4」と呼ばれる大手監査法人(トーマツ、あずさ、新日本、あらた)は、国内外の大企業の監査を担当し、国際的な経験を積むことができます。

年収はスタッフで500万円~700万円、
マネージャーで1,000万円~1,500万円、
パートナーになると2,000万円以上も可能です 。

税理士法人

税務業務を中心に行う税理士法人でも、公認会計士の需要があります。税務申告やコンサルティング業務を通じて、クライアントとの長期的な関係を築くことができます。

年収は400万円~1,200万円程度で、経験や役職により異なります 。

一般企業の経理・財務部門

事業会社の経理や財務部門で、公認会計士としての知識を活かす道もあります。特に上場企業では、内部監査や財務戦略の立案など、重要な役割を担うことができます。

年収は400万円~2,000万円と幅広く、CFO(最高財務責任者)などの役職に就くことで高年収が期待できます 。

コンサルティングファーム

経営戦略や財務アドバイザリーを提供するコンサルティングファームでは、公認会計士の専門知識が重宝されます。

年収は700万円~2,000万円以上で、プロジェクトの成果や役職により大きく変動します。高い論理的思考力やコミュニケーション能力が求められる職場です 。

公認会計士事務所(独立開業)

経験を積んだ後、自ら公認会計士事務所を開業する道もあります。独立後の年収は、顧客数や業務内容、営業力により大きく異なりますが、成功すれば1,000万円~3,000万円、場合によってはそれ以上も可能です 。

公認会計士資格を活かした転職事例

税理士法人への転職

背景:20代後半の男性、公認会計士資格を保有し、監査法人での経験が3年。

転職理由:税務業務に興味を持ち、より幅広い業務経験を積みたいと考えたため。

ヒュープロのサポート

▪税務業務未経験であることを踏まえ、教育体制の整った税理士法人を紹介。

▪面接では、監査業務での経験を税務業務にどう活かすかをアピールする方法を指導。

結果:中堅税理士法人への転職に成功し、税務業務のスキルを習得中。

一般企業の経理部門への転職

背景:40代前半の女性、公認会計士資格を保有し、子育てのため数年間のブランクあり。

転職理由:子育てが一段落し、ワークライフバランスを重視した働き方を希望。

ヒュープロのサポート

▪ブランク期間中のスキル維持や自己研鑽の取り組みを職務経歴書に反映。

▪柔軟な勤務形態を提供する企業を中心に求人を紹介。

結果:上場企業の経理部門への復職に成功し、家庭と仕事の両立を実現。

まとめ

公認会計士は「食えない」という噂が広がっていますが、少なくとも現時点でそんなことはないということがお分かりいただけたでしょう。将来的にAIに仕事をうばわれるかどうかは定かではありませんが、コンサルティングなどの型にはまっていない業務はまだまだ公認会計士が活躍していくことでしょう。

この記事を書いたライター

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