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公認会計士試験の合格には何年かかる?勉強法によって変わるの?

ヒュープロ編集部 川辺
公認会計士試験の合格には何年かかる?勉強法によって変わるの?

公認会計士試験の合格を目指すにあたって、かなりの勉強時間がかかるということは知っているものの、具体的な時間や合格までの年数については具体的なイメージがつかないという方も多いのではないでしょうか。今回は、そんな公認会計士試験の合格にかかる年数にフォーカスを置き、その年数を左右する要素も解説します。

公認会計士試験の合格までにかかる年数

まずは、公認会計士試験の合格までにどのくらいの年数がかかるのかについて見ていきます。

勉強時間

はじめに勉強時間の観点で見てみると、2,500〜3,500時間が目安とされています。試験内容が広範囲かつ専門的であるため、科目ごとに計画立てて学習することが求められます。
これまでに関連した知識を習得した経験があるかなどによって必要な勉強時間は変わりますが、勉強の進め方でもその差は生まれます。

合格までにかかる平均年数

合格に要する平均年数は2~3年程度と言われています。ただし年数に関しては、様々な要素の影響でかなり個人差があります。要素として特に大きいのが、予備校などを利用するか独学で勉強するか、そして働きながら勉強するか勉強に専念するかです。これらによる違いについて、次の章で詳しく紹介していきます。

合格までにかかる年数を左右する要素

ここでは上述した試験合格までにかかる年数を左右する要素と、それが与える影響について見ていきます。

勉強法

公認会計士試験はかなり難易度が高い試験であるため、多くの方が予備校や通信講座などを利用して合格を目指します。一方でごく一部ですが、それらを利用せずに独学で合格する方もいらっしゃいます。

予備校・通信講座などの利用

予備校や通信講座を利用する場合、最大100万円程度の費用がかかります。その分、適切な勉強法に基づいたカリキュラムが提供され、独学よりも効率的に試験勉強を進めることができます。さらに模試や定期的なフィードバックによって理解度を深められるため、勉強の質を高めることができます。
そのためコースによるものの、2年程度の勉強で合格が可能なケースが一般的です。

独学

独学は使用するテキスト以外のコストがほとんどかからず自分のペースで勉強できるというメリットがありますが、自分で適切な勉強スケジュールを作らなければならなかったり、フィードバックをしてくれる人がいないため、習熟度が分かりにくいなどといったデメリットもあることに注意が必要です。
また、合格までの年数についても3,4年ほどかかってしまう傾向にあります。

働きながら目指すかどうか

どうしても目先の生活を担保しなければならないため、働きながら試験合格を目指す方は多くいらっしゃいます。その場合、試験勉強に使える時間は仕事以外の時間に限られてしまうので、合格までの期間も長くなる傾向にあります。
ただし、終業後に通信講座を受験するなどうまく時間を使っていけば、3年ほどで合格することも不可能ではないでしょう。

一方で働いていた企業を辞める、もしくは学生として試験合格を目指す場合は、1日あたりの勉強に費やせる時間が増えるので、2年での合格も目指せるでしょう。ただ働かない場合は、生活にメリハリが無くなり勉強への集中力が落ちたという人もいらっしゃいましたので、適性のある勉強方法を選ぶのがよいでしょう。

公認会計士を目指すメリット

このように年単位での勉強が必要な公認会計士試験ですが、そこまでの労力を割いてまで合格を目指すメリットとしては以下が挙げられます。

高収入を得られる

厚生労働省のHPによると公認会計士の平均年収は約746万円で、日本の平均年収である461万円に比べると、約300万円ほど高くなっています。社会的なニーズの高い監査業務が公認会計士にしかできない独占業務であるため、公認会計士有資格者の市場価値が高いことなどが、この年収の高さに影響しています。

キャリアが安定する

いわゆる「手に職をつけたい」と考えている人が公認会計士を目指す理由が、この「キャリアが安定する」というものです。企業の内部統制や監査の需要は、不況の影響を受けることなく存在するため、長期的に安定した職業といえます。また、幅広いキャリアの選択肢を検討できるのも理由の一つで、具体的には以下のようなキャリアパスが挙げられます。

・監査法人
・税理士法人
・公認会計士事務所
・コンサルティングファーム
・一般事業会社
・独立開業

これらの公認会計士のキャリアについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。

社会的信頼が高い

公認会計士の独占業務である監査は、企業の経営情報に信ぴょう性を保証する役割があるため、公認会計士は社会的信頼性が高いといえます。
数ある資格試験の中でも特に難関であるとされているため、その合格者というだけで高い信頼を得られ、企業でも重要なポジションを担うことができます。

何年かけたら諦めるべき?

2,500~3,500時間という勉強時間は、理論上1日10時間の勉強をすれば満たすことができます。ただし公認会計士試験の合格率は一桁台が常であり、この時間に達したからといって途端に合格できるわけではありません。

そのため繰り返し受験していくのが一般的ですが、もし20代であれば20代のうちに取得できなければ見切りをつけることを検討し始めた方がよいでしょう。

なぜなら、30代になると職歴なしでの就職のハードルがかなり高くなるからです。もちろんあと一歩で合格という状況であれば続けた方が良いですが、点数が伸び悩んでるなどの場合は、他の選択肢を検討するのがオススメです。公認会計士試験の合格を諦めた後はどうすればいいのかについては、以下の記事をご参考ください。

公認会計士試験の概要

最後に公認会計士試験の概要について簡単にご紹介しますので、合格を目指したいという方は是非ご確認ください。

試験内容

試験は大きく分けて、基本的な問題を幅広く出題するマーク式短答式試験と、思考力・応用力などを審査する記述式論文式試験があります。短答式は4科目すべて、論文式は9科目のうち6科目(必須科目5科目・選択科目1科目)に合格する必要があります。

試験日程

例年、短答式試験は年2回(5月と12月)で各回1日ずつ、論文式試験は年1回(8月)3日間にわたって実施されます。

合格率

短答式および論文式のいずれも合格している人の率を表す最終合格率は2023年の試験で7.6%でした。直近5年間は7~11%の間を推移しており、難易度の高い試験であることが、この数字からも窺えます。

試験合格後の就職活動の流れ

公認会計士になるためには、試験合格と併せて実務経験を3年積んだ上で登録しなければなりません。そのため既に実務経験を積んでいる方以外は、公認会計士試験に合格したら監査法人をはじめとした実務経験を積める職場に就職します。
その後、無事に公認会計士になったら、ご紹介したようなキャリアパスからご自身の希望に合わせて選んでいくのが良いでしょう。

まとめ

公認会計士試験の合格までにかかる年数は、学習スタイルやライフスタイルによって異なりますが、効率的な勉強と適切な計画で進めていけば2~3年での合格が見込めます。資格取得後は高い収入や安定したキャリアが期待できるため、多くの受験生にとって大きなモチベーションとなります。とはいえ、長期間の受験生活が続く場合はキャリアチェンジも視野に入れ、柔軟な選択をすることが重要です。

この記事を書いたライター

HUPRO MAGAZINE編集部の川辺です。転職エージェントとして多くのご登録者様からご相談をいただく際に伺った転職に際しての悩みや不安、疑問を解消する記事をご覧いただけるよう、日々奮闘中です!士業や管理部門、FASなどの業界に就職・転職をご検討されている方は、ぜひ業界特化の転職エージェントである、「ヒュープロ」をご活用ください!ご相談はヒュープロ公式Xまでお気軽にどうぞ!
カテゴリ:資格試験

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