公認会計士は難易度が高いため、数ヶ月や1年の勉強で合格するのは極めて稀です。そんな中で、大学卒業後も就職せず勉強を続ける「公認会計士試験の浪人生」の末路はどうなるのでしょうか?本記事はそんな公認会計士試験の浪人生の末路についてご紹介し、どのくらいまで続けるべきなのかについても見ていきます。
公認会計士試験は特に難易度の高い国家資格の一つです。そのため、試験に一発合格するケースは珍しく、何度か受験して合格する人が多いです。
そんな公認会計士試験の合格を目指して大学生のうちから勉強をしていたものの合格できず、大学卒業後も就職せずに勉強を続ける人のことを、一般的に「公認会計士試験の浪人生」と呼びます。
「浪人生」の期間はいわゆる「ニート」のような状態になってしまうわけですが、公認会計士の市場価値は高いため、合格すれば幅広いキャリアの選択肢を持つことができます。一方でその期間が長期化すると、精神的・経済的なプレッシャーが増し、「このまま続けるべきか、諦めて別の道を選ぶべきか」という大きな岐路に立たされることになります。
公認会計士試験は短答式と論文式に分かれており、短答式が年2回、論文式が年1回実施されています。このいずれも合格しなければならないですが、特に論文式は1回落ちたら1年浪人期間が増えることになるので、浪人期間の長期化に悩む人は少なくありません。そんな末路として、以下の3つをご紹介します。
公認会計士の浪人生の末路として最も多いのが、勉強をやめて就職活動を始めるという選択肢です。大学卒業後に就職していないことは就職活動でやや不利に働いてしまうものの、会計事務所や一般企業の経理職であれば、公認会計士の勉強をしていたことがアピールポイントになり、就業後も学んだ知識を活かしやすいでしょう。
また、最近では公認会計士試験の勉強で培った財務知識や分析スキルが評価され、コンサルティング業界などで採用されるケースもあります。
このように、浪人期間の勉強が無駄にならないという点でこれらの職場は人気ですが、第二新卒ほどの年齢(25歳以下)であれば他の職種で働くことも十分に可能です。
公認会計士試験の難易度は高いため、税理士やUSCPAなど「科目合格」が可能で、より目指しやすい会計系の資格にシフトチェンジするケースも少なくありません。
勉強の習慣が既についているだけでなく、上記の資格は試験範囲の共通点も多いため、プラスアルファの勉強で比較的短期間で合格しやすいでしょう。また、どちらの資格も就職活動ではかなり有利に働きますので、浪人期間があったとしても資格を活かして就職先を見つけやすいといえます。
数年間浪人しても、公認会計士試験の合格を目指して勉強を続ける人もいます。特に試験まであと一歩の段階であれば、最後まで諦めずに挑戦し続けることが成功への近道となる場合もあります。
公認会計士になれば、就職せずに自身で独立開業することもできるため、たとえ時間がかかっても合格後のキャリアを心配する必要はあまりありません。
ただし、10年以上受験し続けても合格できないという方もいらっしゃるため、長い期間で無職となるリスクについては覚悟しておく必要があります。
2023年の公認会計士試験の論文式の合格率は7.6%でした。これを見て分かるように、膨大な勉強時間を費やしたとしても、合格を勝ち取るのはかなり難しい公認会計士試験ですが、それでも公認会計士を目指すのにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
一番の大きなメリットが、幅広い就業先に活かせることです。
具体的には以下のような職場が挙げられます。
公認会計士の就職先については、以下の記事でも詳しく解説しておりますので、併せてご確認ください。
また前半でも少し触れましたが、どこかで働くのではなく独立開業を目指すことも可能です。公認会計士の独立については以下の記事もご参照ください。
厚生労働省のHPによると公認会計士の平均年収は約746万円で、日本の平均年収である461万円に比べると、約300万円ほど高くなっています。安定したキャリアに加えて、年収の心配も基本的には無いことから、公認会計士の魅力は高いといえます。
公認会計士には他の人には対応できない独占業務というものがあり、監査業務がそれに該当します。監査は上場企業など特定の企業に義務付けられているため、その業務を行える公認会計士の社会的な価値は非常に高いです。
また、監査は企業の経営情報に信ぴょう性を保証する役割があるため、公認会計士は社会的信頼性も高いといえるのです。
監査業務など、具体的な公認会計士の仕事について、詳しくは以下の記事をご参照ください。
公認会計士試験の勉強時間は、2,500~3,500時間程度とされています。勉強に専念するのであれば、1日10時間の勉強でも1年で必要な勉強時間を満たすことができます。
ただし、勉強時間が達したからといって合格できるとは限らず、専念しても3年程度はかかることが一般的です。
これ以上の年数を費やしても問題ありませんが、20代のうちに取得できなければ見切りをつけることを検討し始めた方がよいでしょう。
なぜなら、30代になると職歴なしでの就職のハードルがかなり高くなるからです。もちろんあと一歩で合格という状況であれば続けた方が良いですが、点数が伸び悩んでるなどの場合は、他の選択肢を検討するのがオススメです。
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公認会計士試験における浪人は、長期化すればするほど厳しい選択を迫られますが、資格取得さえできればどのタイミングであってもキャリアを構築する道は開かれています。もし会計士を諦めたとしても、他の資格へのシフトチェンジや資格を取らずに就職するという手段もあり、得た知識は十分に活かすことができます。
試験への挑戦とその後のキャリア形成は、いずれも重要な自己投資ですので、最後まで冷静に判断することが成功のカギとなります。