士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所|HUPRO MAGAZINE
士業・管理部門のキャリアコラムが集う場所

カテゴリ

営業からM&A業界への転職~人気な理由や仕事内容、転職体験記まで徹底解説~

HUPRO 編集部
営業からM&A業界への転職~人気な理由や仕事内容、転職体験記まで徹底解説~

昨今の事業承継問題の解決手段として注目を集めるM&A業界。
国内M&A市場の拡大に伴い採用活動も活発的に行われることが想定される中、営業経験のある方の転職先としても人気が高い業界となっております。今回はそんな営業経験者の中でM&A業界への転職が人気な理由や転職の成功体験記をご紹介していきます。

営業マンのネクストキャリアとして人気なM&A業界

高齢化による企業の後継者不足や経営の活性化を目指す企業の増加に伴い近年注目を集めるM&A。
こうした需要の高まりから、M&A業界では現在活発な採用活動が行われており、特に営業経験者の方の転職先としても非常に人気が高い業界となっています。

営業経験者の方に人気の理由としましては、以下の4点が挙げられます。

・業務の親和性が高い
・高いインセンティブ率により年収アップを目指せる
・やりがいを感じながら自己成長ができる
・キャリアアップを実現することができる

業務の親和性が高い

営業マンとしての経験やスキルは、M&A業界の仕事においても非常に重要であり活かせる場面が多いです。特にM&Aの業務においては、売り手・買い手企業の経営者と複雑な交渉を進める必要があり、営業で培った高度なコミュニケーション能力を役立てることができます。また、M&Aを進めるうえでは相手企業との信頼関係が最も重要となるため、クライアントとの信頼関係を築くことに長けている営業経験者はM&A業界でも活躍できるでしょう。

充実したインセンティブ制度により年収アップを目指せる

M&A業界では多くの会社がインセンティブ制度を導入しており、案件の成約数など成果に応じた給与体系となっています。
他の業界と比較して、M&A業界はその収益性の高さや、案件1件あたりの規模の大きさが要因となってインセンティブ率が高いといわれています。
年間で数件の成約があれば1,000万円を超えるような年収体系が一般的なため、実力次第でかなりの収入アップが見込める点はM&A業界が人気な理由の一つとして挙げられます。
実際に、M&A業界は平均年収が高いことで有名であり、東洋経済オンラインの日本の平均年収ランキングでは9年連続でM&Aキャピタルパートナーズが1位を取り続けています。

《参照記事》

やりがいを感じながら自己成長ができる

昨今の高齢化に伴い、多くの企業が後継者不足で厳しい現実に直面しています。こうした企業に対して、経営の立て直しに直接アプローチすることで、自分の力で日本経済の発展に貢献することができる点でやりがいを感じることができるでしょう。
また、M&Aは売り手・買い手企業ともに一世一代の決断です。こうした大きな意思決定に携わる中で、信頼関係を構築しながら経営者と向き合い続け、M&Aが成立した際に心からありがとうと顧客に言ってもらえることはM&A業務の大きなやりがいとなるでしょう。

キャリアアップを実現することができる

M&A業務を行う上では企業の売買に携わるため、金融をはじめとして税務や会計、法務や経営など幅広い知識とスキルが求められます。こうした知識や経験は転職市場でも需要の高いものであるため、M&A業界で働くことはビジネスマンとしてのさらなるキャリアアップにつながるでしょう。

営業からM&A業界に転職した際の仕事内容

営業職からM&A業界に転職する場合、仲介として働くことがほとんどです。
M&A仲介はM&Aにおいて売り手企業と買い手企業の間に入り、中立的な立場でM&Aの成功のサポートを行い、その対価をもらう職種を指します。
他のM&Aをサポートする職種と比べて、中立的な立場で交渉を進める点が特徴であり、双方の希望にマッチした相手企業を選んだ上で、それぞれの利益のバランスを考えて交渉から成約まで導きます

M&A仲介の主な役割

M&A仲介の仕事内容は、マッチングさせる企業のリストアップからM&A完了、その後のサポートまで多岐にわたります。一例として以下のような業務が挙げられます。

・M&A戦略の策定
・M&A候補企業のリストアップ・打診
・企業価値算定
・条件交渉
・基本合意
・デューデリジェンス
・最終契約調整
・経営統合のサポート

《参照記事》

FAとの違いは?

M&A業界を調べると「FA(ファイナンシャルアドバイザリー)」といった言葉も目にすることがあるかもしれません。
仲介もFAも同じくM&Aに関連する支援を行う事業者ですが、FAは売り手企業または買い手企業のどちらか一方をクライアントとして、仲介が得意とする交渉よりは財務的な視点から幅広く企業を支援する点が異なります。

《参照記事》

転職の際に求められる経験・スキル

では、そんな営業経験者に人気なM&A業界に転職する際に求められる経験やスキルにはどのようなものがあるのでしょうか?具体的には以下3点が挙げられます。

・営業部門での高い成績
・法人営業経験
・財務会計等のファイナンススキル

営業部門での高い成績

M&A仲介として働くにあたり、クライアント開拓においては、自社のネットワークを通じて選定を行う企業もありますが、自らテレアポを行い売り手企業や買い手企業などクライアントの新規開拓に取り組む場合もあるため、新規開拓営業の経験を求められる傾向にありますさらに年収ランキングに名を連ねるような大手M&A仲介企業では、募集要項に「営業成績で上位10%以内」というようなことが条件となっていることも少なくないため、営業経験がある中でも高い成績が重視されているといえます。

法人営業経験

M&Aの業務において、クライアントは企業の経営者となるため、特に法人営業などオーナー営業の経験が重視される傾向があります。M&A業務では経営陣を説得して、うまく交渉をまとめるコミュニケーション力が必須となるため、こうしたトップアプローチの経験がある場合はアピールすると効果的です。

財務会計等のファイナンススキル

上述のような営業経験以外にも、財務会計のスキルが求められる場合も多く、一般的には簿記2級などの資格からアピールすることができます。
M&Aを支援する立場として、クライアント企業の現状を分析しM&A支援を提案するために、財務会計の専門的な知識が必要となる場面があります。公認会計士や税理士レベルの専門性とまでは言わずとも、ファイナンススキルや知識があればM&A業界においても活躍できるといえます。

《参照記事》

営業職種別!転職体験記

ここでは各業界の営業職別にM&A業界への転職に成功された事例をご紹介していきます。M&A業界へのご転職を考えられている方はぜひご参考にしてみてください。

事例①:法人営業経験を活かして金融機関から大手M&A仲介企業へ!

Hさん
20代後半 男性
転職前:メガバンクの法人営業
転職後:大手M&A仲介企業

地方銀行に6年ほど法人営業を経験された20代後半のHさんは、前職の金融機関で主に融資業務を担当する中で、事業承継に対する問題や、昨今の後継者不足問題に注力したいという点でM&A業界へのご転職を考えられていました。
この方は弊社のキャリアアドバイザーとの選考対策をしっかり行ったことが、転職成功の大きな要因といえます。
転職活動を始めた際は、ただテンプレート通りに埋めていただけの職務経歴書も、何度も添削を繰り返す中で、M&A仲介の会社が求めるスキルとなぜそれらが求められるかといった背景まで丁寧にお伝えすることで、M&A仲介業界への理解にもつながり、その後の面接でもこの過程がとても役に立ったとおっしゃってくださいました。
また面接対策においても、M&A業界で重視されている営業経験のアピールポイントや各社のビジネスモデルなどについてご説明することで、面接でもしっかり答えることができ、無事にM&A仲介業界の中でも大手の上場企業への転職を成功されました。

事例②:不動産営業経験を活かしてM&A業界へ!キャリアも年収アップ!

Yさん
30代前半 男性
転職前:投資用不動産営業
転職後:M&A仲介会社

不動産会社にて投資向けの不動産営業を7年ほどされて、管理職経験もある30代前半のYさんは、経営者やオーナーの方と近い立場で仕事ができる点、また不動産よりも大きな規模の金額を扱える点でM&A業界に魅力を感じており、自身のキャリアアップにつなげたいという思いで転職を考えられていました。
初回の電話面談時にお話を伺った際、ファイナンス領域での経験がないことから、希望する年収を望めるのか、今までの経験がどの様に活かせるのかと不安を感じていらっしゃいました。
そこで弊社キャリアアドバイザーは、Yさんが今までご経験されてきた業務がどのようにM&A仲介業界で活かせるかを一緒に洗い出し、面接におけるアピールポイントを考えました
M&A仲介企業での選考において書類作成で重要なポイント等をご説明し、また面接対策においても面接官の情報や特徴、企業の特徴等もお伝えしたことで、緊張せずに面接に臨んで頂きました。
結果として、面接した企業全てから内定を頂くことができ、また内定後も、業務内容や各種条件を企業にお伺いし、Yさんとともにすり合わせを行い、希望企業への入社を決めました。

事例③:保険営業から大手M&A仲介会社へ!年収アップを実現!

Tさん
20代後半男性
転職前:損害保険会社営業
転職後:大手M&A仲介会社

損害保険会社にて代理店営業を6年ほど経験されたTさんは、勤務先である日系企業の年功序列制度に疑問を感じ、実力を正当に評価してもらいたいという思いから転職を考えられていました。
そこで弊社キャリアアドバイザーは、将来的にどういったキャリアを歩みたいのかを一緒に考え、代理店営業の中で経営支援に取り組みたいという思いを持たれたとのことでしたので、最終的にはインセンティブ制で成果主義を導入しているM&A業界をご紹介させていただきました。
M&A業務未経験ではありましたが、保険会社での営業経験のアピールや、業界への志望動機を明確にしたことにより、見事大手M&A仲介会社からの内定を獲得し転職を成功させました。

もちろん今回ご紹介した方以外にも、多くのご登録者の転職をご支援させて頂いておりますので、ご興味のある方はぜひお気軽にご相談ください!

営業からM&A業界の転職ならヒュープロ

本記事で紹介したように、営業経験者からM&A業界へ転職は、業務の親和性や前職でのスキルが活かせるため、人気の転職先であるといえます。ただ、人気がゆえに一人で選考を受けて内定を勝ち取るのはかなり難易度が高いといえます。

そんなM&A業界への転職を本気で考えている人は、業界特化の転職エージェントを利用することで、ライバルと差別化を図り、転職を有利に進めるのも一手です。

就職・転職活動にあたって、自分で応募する求人を探したり面接の日程調整をするのは骨が折れるものです。そこで活用すべきなのが人材エージェントです。希望の条件やご自身の経歴などを伝えることで効率的に求人を提供され、日程調整もエージェントが実施してくれます。また書類添削や面接対策といった選考準備に対しても、専任アドバイザーによるサポートが充実しています。

さらに、業界特化型エージェントにおいては、営業経験を持つ方のM&A業界への転職支援実績を多く有しているため、企業として一定の選考に係るナレッジや企業とのパイプラインを有しており、転職に関するリアルな情報提供が可能です。

将来に向けたキャリアパス・キャリアプランのご相談や、転職市場のご説明などももちろん可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。

M&A業界への転職を目指す営業マンのためのFAQ

最後に、営業職からM&A業界への転職を目指す方からよく寄せられる疑問についてQ&A形式でご紹介していきます。

M&A業界に向いている人は?

M&A業界への転職に向いている人の特徴についていくつか紹介していきます。

成果主義の環境で働きたい人

ご紹介した通り、M&A仲介は成果次第で高年収が実現可能な職種ですので、所属年数や年齢にかかわらず、成果を上げた人が稼げるという環境になる可能性が高いです。
そういった環境で自分の可能性を試したい人や、年収アップを叶えたい人には適性があるでしょう。

キャリアアップで自分を成長させたい人

M&A仲介は1件にかかる時間が長く、幅広い知識や情報の習得が必要なため、ハードワークではありますが、その分かなりの成長曲線を描くことができます。特に若い方でキャリアを積極的に積んでいきたい人や将来的に起業を考えている人は向いているといえます。

責任感や達成感をやりがいにしたい人

M&Aは企業の経営に関する非常に大きな選択なので、当然M&A仲介にかかる責任も大きいです。大きな仕事を任されるということをモチベーションにできる一方で、ミスできないというプレッシャーと戦うことにもなります。その分、成功させた時には大きな達成感を味わえる</span>のも醍醐味です。

《参照記事》

M&A業界の転職市場動向は?

では、営業経験者の方からも人気が高いM&A業界の転職市場は現在どのようになっているのかについて、ここから解説していきます。

転職市場の動向

近年のM&A件数増加に伴い、M&A業界では積極的に採用活動を行っている傾向があります。M&A業界の企業数(M&A支援機関登録の登録会社数)を見ても、5年で2.6倍と増加傾向が続いており、即戦力となる中途採用に力を入れる会社が増えることが予想されます。
M&A業界で働きたい人にとって、採用意欲の高い今が絶好のタイミングであるといえるでしょう。

〈関連記事〉

M&A業界は激務だからやめとけ?

M&A業界の転職相談を受ける際に「M&A業界に転職したいが激務のイメージがあるので躊躇してしまう」といった声が寄せられることがあります。
M&A業界がかなり激務というイメージはあることがうかがえますが、その実態はどうなのでしょうか?

下記の記事でも詳しく解説していますが、月平均40時間の残業時間をみると働きやすい環境だとはいえないものの休日を仕事にしか使えなかったり、体調不良になるほどの激務ではないといえます。
激務のイメージがある理由としては、強い成果主義のイメージや1つの案件が完了するまでの時間が長いこと、また常に知識をつけるための学習が求められることが挙げられるでしょう。

《参照記事》

M&A業界の経験を活かしたネクストキャリアは?

営業経験のある方がM&A業界で経験を積んだ後のネクストキャリアとして最も多いのが、同業のM&A仲介企業に転職して年収アップやワークライフバランスの改善を実現する選択です。また、M&Aを専門的にやっていきたい方がFASに転職されたり、事業会社や金融機関のM&A部門もネクストキャリアとして挙げられます。

代表的なM&A会社は?

M&A業界では、案件数の増加や業界の成長に併せて、企業数が増加しています。
中でも、M&A業界の代表的な会社は、日本M&Aセンター、ストライク、M&Aキャピタルパートナーズ、M&A総合研究所、fundbookといわれています。
各社の詳細な情報については以下の記事で紹介しているのでぜひご参考にしてみてください。

日本M&Aセンター

M&Aキャピタルパートナーズ

ストライク

M&A総合研究所

この記事を書いたライター

HUPRO MAGAZINEを運営している株式会社ヒュープロ編集部です!士業や管理部門に携わる方向けの仕事やキャリアに関するコラムや、日常業務で使える知識から、士業事務所・管理部門で働く方へのインタビューまで、ここでしか読めない記事を配信。
カテゴリ:転職

おすすめの記事