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労務の仕事がつらいと感じる理由とは?どう解決すればいい?

ヒュープロ編集部 川辺
労務の仕事がつらいと感じる理由とは?どう解決すればいい?

労務は管理部門の業務の一つで、従業員の権利や義務に関わる重要な仕事です。責任重大なだけでなく、高い正確性が求められる仕事であるため、「つらい」とか「きつい」と感じる方も多いようです。本記事では、労務の仕事で「つらい」と感じる理由をご紹介した上で、それらをどう解決するべきなのかについて解説します。

労務の仕事内容

労務職は、従業員が働きやすい企業づくりのために労働環境の整備や制度の導入・運用などを行う職種です。営業部などの直接売上に関わる部門(直接部門)ではないことから、間接部門と呼ばれることがあります。労務が行う代表的な業務は以下の通りです。

・勤怠管理
・給与計算
・年末調整
・社会保険の手続き
・就業規則の作成/管理
・安全衛生管理

いずれの業務も月に一回、もしくは年に一回で行うようなルーティンワークが多いです。
これらの具体的な仕事内容については、以下の記事で詳しくご紹介しています。

労務の仕事がつらいと感じる理由

ご紹介したような労務の仕事をしていくにあたって、「つらい」と感じる理由は以下の通りです。

・労務に関する法律が頻繁に改正される
・業務の責任が重く、ミスできない
・社内で感謝や評価がされにくい
・社内でのコミュニケーション
・退職者の対応

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

労務に関する法律が頻繁に改正される

労務に関わる代表的な法律として、労働法社会保険法が挙げられます。これらの法律は頻繁に改正されるため、以前できていた業務でも法改正の影響で同じ方法でやってはならなくなっている可能性もあります。業務を正確にこなすため、労務担当者は常に最新の法改正を認識しておかなくてはならず不断の勉強が欠かせません。これを負担と捉える方も多く、つらいと感じる一因のようです。

業務の責任が重く、ミスできない

冒頭でご紹介したように、従業員の給与や労働条件を取り扱う仕事なので、その金額や条件などにミスがあると、労務担当の当人ではなく従業員に迷惑が掛かってしまいます。そのため、必ずミスがないようにしなければならないというプレッシャーのなかで業務を行わなければなりません。そのような環境にマッチできず、つらいと感じることもあるようです。

社内で感謝や評価がされにくい

労務は会社の売上・利益に直接貢献しない間接部門です。そのため、労務担当に対する評価が定まっていない企業も多く、想定していた評価を下回ってしまうことも少なくありません。
また、労務の仕事は「完璧で当たり前」と思われてしまうものが多く、従業員から感謝される場面もかなり限られてしまいます

このような点でモチベーションが下がってしまい、つらくなってしまうこともあるようです。

社内でのコミュニケーション

労務にバックオフィスのイメージが強い方であれば、従業員とのコミュニケーションがあまり必要ないと考えてしまうかもしれません。しかし実際は、従業員や他の管理部門とのコミュニケーションが不可欠な仕事です。そのため、一人で黙々と仕事をしていたい方にとっては、つらい環境でしょう。

退職者の対応

近年、企業から解雇される労働者をあまり見ませんが、入退社手続きで退職者の手続きの対応をするのも、労務の仕事の一つです。円満退社ならまだしも、突然退職してしまった元従業員とのやり取りも行う必要があるため、心的ストレスを感じやすくなってしまうでしょう。

労務として働くやりがいとは?

上記のように「つらい」と感じる理由がいくつか挙げられるのに加え、営業職のような数字的な目標が無いことが多い労務職では、達成感ややりがいを感じにくいと考える方も多いようです。
そんな中で労務の仕事にはどんなやりがいがあるのか、以下に挙げた代表的な3つのポイントをご紹介します。

会社の成長に内部から貢献できる

労務は、会社内部の当事者として課題解決に貢献することができます。所属する会社の構造や経営戦略まで深く把握した上で業務する必要がありますが、その分、当事者として課題解決に当たることで、やりがいを持って働くことができたり、より本質的な課題を発見できたりします。

最前線の現場で労務業務を経験できる

企業の労務として働くことで、様々な課題を知ることができたり、その解決に直接携わることができます。
労務のコンサルティング業務などを行う社労士事務所では企業の労務担当が解決済みの問題についてのコンサルをすることは無いので、現場で起きている問題の一部しか知りえない可能性もありますが、企業の労務は基本的に全ての労務問題を部署内で解決していきますので、経験値は上がっていくわけです。
速いスピードで成長し専門的なスキルを身に付けていけるという点は、やりがいに感じられるという方も多いです。

従業員に感謝される仕事ができる

労務の担当者の中で、この理由が最も大きいと答える方は多いのではないかと考えられます。
労務担当者は、従業員から「こういう場合の手当はいくらくらいもらえるの?」とか「休暇の申請ってどうやるの?」などと、疑問を投げかけられることが日常茶飯事です。それらの身近な疑問を解消するだけでも、十分感謝されるでしょう。

ただ、従業員のより良い働き方を実現するために、労務は他にも様々な課題を解決しようと尽力しています。
働き方改革が進む今でも過度な残業が黙認されていたり、給与体系に不満を抱える人はいまだにいらっしゃるのが現状です。そんな課題を改善することで同じ会社で働く従業員に感謝されるのは、この上ないやりがいに感じる方も多いようです。

労務職に向いている人

仕事というのはどうしても向き不向きがありますので、向いてない人はそれだけ「つらい」と思ってしまう可能性が高いでしょう。労務職に向いている人と向いていない人の特徴は、それぞれ以下の通りです。

【労務職に向いている人】

・裏表がなく、コミュニケーション力が高い人
・企業の課題に当事者意識を持って向き合える人
・従業員から感謝されることにやりがいを持つ人
・秘密を守れる人
・コツコツした作業ができる人

【労務職に向いていない人】

・売上や成果を出すことで会社に貢献したい人
・黙々と個人で作業していたい人
・スキルアップを最優先に仕事がしたい人
・うわさ好きな人

それぞれの特徴について、以下の記事で詳しくご紹介していますので、併せてご参照ください。

労務の「つらい」を解消するには

「つらい」と感じる要素と「やりがい」を天秤にかけた上で、「やりがい」の方が大きかったり、「満足な給料をもらえている」とか「柔軟な働き方ができる」など、その他の要素をモチベーションにして働けるのであれば問題ないでしょう。
しかし、どうしても「つらい」が勝ってしまう場合は、以下のような解決策を検討してみることをオススメします。

まずは上司や同僚に相談する

労務職は仕事内容が独特であるため、仕事のつらさを営業など他の職種の人に伝えてもなかなか共感されづらいでしょう。そのため、同じ労務職で働く同僚や上司や管理部門を統括する部長などに悩みを話す方が共感されやすく、また解決策を提示してもらえやすいでしょう。
労務職は従業員の仕事の悩みの相談、実際に退職した人の退職理由を聞く機会も多いため、経験値が多いので、他の職種の同僚や上司よりも有効な解決策を教えてくれる可能性が高いといえます。

他の企業の労務職に転職する

労務という業務の特性はどこで働いたとしても変えることはできません。ただ、その「程度」は企業によりけりな部分もあります。そのため、それまでの経験を活かして他の企業の経理に転職することで、懸念点だった部分を解消するというのは賢明な判断と言えます。

士業・管理部門特化の転職エージェントである当社ヒュープロでは、ご登録者それぞれの幅広いご希望に沿った求人をご紹介しております。転職によって、よりマッチした職場で働きたいという方は是非当社のキャリアアドバイザーにご相談ください。

他の仕事に転職する

とはいえ、ご紹介した「労務に向いていない人」の特徴に複数個あてはまるのであれば、どの企業の労務職に転職しても「きつい」という感情はなかなか緩和されないでしょう。そのような場合は、必ずしも経理職にこだわる必要はありません

労務職は専門性が高く、経験を活かせる転職先が限られていると思われがちですが、実際は様々な職場でニーズがあります。特に労務職のアウトソーシングを行う社労士事務所や、共通したスキルが必要とされる人事職には転職しやすいです。

まとめ

今回は労務の仕事が「つらい」と感じる理由と、それを解決する方法について解説ししました。労務は企業に欠かせない業務である一方で、専門性も高く担当できる人が限られているため、なかなか悩みを吐露したり、転職を気安く検討しづらい職種でしょう。

しかし、ご自身のキャリアや心身の健康を最優先するべきですので、経験を活かした転職に思い切って踏み切るのも前向きな手段と言えるのです。

この記事を書いたライター

HUPRO MAGAZINE編集部の川辺です。転職エージェントとして多くのご登録者様からご相談をいただく際に伺った転職に際しての悩みや不安、疑問を解消する記事をご覧いただけるよう、日々奮闘中です!士業や管理部門、FASなどの業界に就職・転職をご検討されている方は、ぜひ業界特化の転職エージェントである、「ヒュープロ」をご活用ください!ご相談はヒュープロ公式Xまでお気軽にどうぞ!
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