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企業内社労士とは?勤務社労士や開業社労士との違いはある?

ヒュープロ編集部 川辺
企業内社労士とは?勤務社労士や開業社労士との違いはある?

社会保険労務士(社労士)は国家資格であり、社労士保持者は労務に関する専門家として比較的認知度の高い存在です。働き方によって呼び名があり、企業内社労士もその一つです。今回は、そんな企業内社労士とは何か、そして勤務社労士や開業社労士とどう違うのかを解説していきます。

企業内社労士とは?

企業内社労士は明確な定義をもって使用されているわけではなく、一般的な呼称といえますが、社労士有資格者の中でも一般企業において雇われて働いている社労士のことを指す言葉として使われています。
社労士資格は労務業務に活かせるため、管理部門やコーポレート部門などに所属して労務担当として仕事を行うのが一般的です。

勤務社労士・開業社労士との違いは?

社労士の呼び方として企業内社労士の他にも、勤務社労士や開業社労士があります。それぞれどのような意味で使われているのか、見てきましょう。

勤務社労士

勤務社労士は、事業所などとの労使関係を結び、雇われて働く社労士を指します。これだけを見ると企業内社労士との違いが無いように見えるかもしれません。
分かりやすく端的に説明すると
「勤務社労士」は「企業内社労士」と「社労士事務所や社労士法人で雇われて働く勤務社労士」の総称
です。

「社労士事務所や社労士法人で雇われて働く勤務社労士」は、所属する事業所の労務ではなく、クライアントへの労務サービス提供が主な役割であるため、企業の労務を行う企業内社労士と明確に分けて認識されるケースがあります。
ある事業所との労使関係があるという共通点によって一括りで表したい場合には、勤務社労士が最適な呼び名でしょう。

開業社労士

開業社労士は、他の呼び名に比べるといくらか分かりやすいかもしれません。その名の通り、社労士として自身で事業所を独立開業した人のことを指します。また、企業に所属せずに、フリーランスで働く社労士も含まれます。

当然、社労士事務所を開業した人も開業社労士に該当しますので、代表の社労士は開業社労士、その事務所に雇用されて働く社労士は勤務社労士と、同じ事務所の中でも分かれることになります。

企業内社労士の役割

当然のことながら、社労士事務所を開業することは社労士有資格者にしかできません。他方、一般企業は社労士を雇うことを義務付けられているわけではありません。それでも企業内社労士の採用ニーズは高く推移しています。
では、企業内社労士はどんな役割があるのでしょうか?

労務にかかる費用を最適化できる

労務は、従業員が1人でもいればどの企業でも発生する業務です。ただし、正しい法知識や具体的な手続き方法を把握するのは困難であるため、それらを有した人が社内にいない場合は、社労士事務所などに手続きやルールの策定を依頼する必要があります。
その対価として企業は手数料や顧問料を払うことになりますが、その金額はまちまちです。中には相場より高い金額を払ってしまっている企業もあるかもしれません。

労務担当として社労士を雇い、インハウスで労務を対応すると、手数料や顧問料の代わりにその社労士に給与を支払うことになりますので、その業務を給与に落とし込むことができます。つまり企業内社労士が労務を担うことで、無駄な出費リスクをなくすことができるのです。

労務問題の発生リスクを減らすことができる

企業の労務は社労士を持っていない人でも対応すること自体は可能です(ただし社労士にしかできない独占業務は存在します)。ただ企業内社労士がいることによって、企業は専門知識に基づいて問題点が無いかを確認することができます。

労務的な問題が無いことは、所属する従業員の権利を守ることだけでなく、企業としてルールを守っている状態を維持することにも役割を果たします。近年は、労務における法令違反に対して、社会の目がより一層厳しくなっています。そんな中で、しっかりと最新の法規制に則って経営活動を行うことは、企業に大きな役割を果たすのです。

企業内の当事者として課題解決や規則作成に取り組める

企業内社労士は会社の一員として、当事者として労務業務を行うことになります。社労士事務所に労務を依頼すると外部からの業務代行ということになるので、企業の内情を全て把握するのは難しいでしょう。また場合によっては、部外者になんでも開示したくないという経営者もいらっしゃると思います。

一方で企業内社労士は内部の社員なので、情報をキャッチアップしやすい立場にあるといえます。労務問題がどこで発生しているのか、どんなトラブルがあるのかというのは、常に社内にいる企業内社労士の方が認知しやすいでしょう。また企業としても、社内の人間への情報開示には抵抗を感じにくいため、結果としてよりリアルな課題を解決するためのルール策定や規則作成をすることができるようになります。

企業内社労士の年収

社労士が一般企業で働く際は、人事部労務部として就業するケースがほとんどです。業界、給与水準や任される職務内容などによって千差万別ですので一概に言えませんが、場合によっては800万円以上の年収の方もおり比較的高水準になります。

一般企業で働く勤務社労士の場合は単純に給与があがるという点だけでなく、資格取得によって任される職務内容が変化したり、会社へのアピールになるなど、長期的な視点で見てもキャリアアップにつながる可能性が高いという点も大きなメリットと言えます。

企業内社労士として働くメリット

開業社労士、および社労士事務所などでの勤務社労士、そして企業内社労士、それぞれに魅力がありますが、企業内社労士ならではの魅力として以下の三点が挙げられます。

・会社の成長に内部から貢献できる
・最前線の現場で労務業務を経験できる
・従業員に感謝される仕事ができる

それぞれのポイントについて、以下の記事にて詳しくご紹介しておりますので、併せてご覧ください。

企業内社労士になるために

開業社労士とは違い、企業内社労士になるには、当然ですがその企業に採用されなければなりません。社労士資格の取得難易度は高いので、資格保有者はかなり有利な転職活動をすることができます。ただ、企業内社労士を募集する求人は多いわけではなく、探すは容易ではありません。
また探せたとしても、ご自身の希望にマッチしているかを判断できる情報が限られている可能性が高いといえます。

ですので、企業内社労士への転職活動をするなら、ぜひ士業・管理部門特化の転職エージェントであるヒュープロをご活用ください。業界最大級の求人数の中からご希望にマッチした案件をご紹介させていただくのはもちろん、手厚い書類添削や面接対策にも高い満足度を頂いております。

まとめ

今回は企業内社労士についてご紹介しました。
開業社労士や勤務社労士との一般的な使い方の違いについて、お分かりいただけたのではないでしょうか?
社労士は市場価値の高い資格のため、有資格者は幅広いキャリアパスを選択することができるでしょう。企業内社労士以外の働き方も多くのメリットがありますので、キャリアの選択を迷う方も多いですが、その選択の部分から、ぜひ当社ヒュープロのキャリアアドバイザーにご相談いただけると幸いです。

この記事を書いたライター

HUPRO MAGAZINE編集部の川辺です。転職エージェントとして多くのご登録者様からご相談をいただく際に伺った転職に際しての悩みや不安、疑問を解消する記事をご覧いただけるよう、日々奮闘中です!士業や管理部門、FASなどの業界に就職・転職をご検討されている方は、ぜひ業界特化の転職エージェントである、「ヒュープロ」をご活用ください!ご相談はヒュープロ公式Xまでお気軽にどうぞ!
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