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USCPAの試験科目のFAR。試験概要や勉強法を徹底解説!

HUPRO 編集部
USCPAの試験科目のFAR。試験概要や勉強法を徹底解説!

USCPA(米国公認会計士)は米国の会計士資格で、今回紹介するFARは一番最初に取り掛かることの多い科目です。そのため、試験の概要や勉強方法がまだ確立してない場合が多いでしょう。

本記事では、FARと科目についての詳しい試験内容や出題形式、オススメの勉強方法について解説していきます!

FARの試験概要

FARとはFinancial Accounting&Reportingの略で、日本語でいう財務会計と同じ意味になります。FARはUSCPA試験の必須科目として位置づけられていますが、どのような試験概要なのでしょうか。下述で詳しく解説していきます。

出題形式

USCPAの試験は全て英語で試験時間は4時間とされてます。また、コンピューターで回答するComputer Based Testing (CBT)が採用されています。

FARの出題形式の詳細としては、2つのパターンがあります。1つ目はMultiple Choiceといい、4択問題から一つの正解を選ぶ方式です。もう一つはTask-Based Simulationといい、総合問題とされています。具体例として、問題に対して数値入力をして回答したり、複数の選択肢から選んだり、表の穴埋め問題などがあります。

試験内容

FARは、企業会計の問題が8割、政府会計と非営利組織会計の問題が2割出題されます。政府会計とは、地方自治体の会計で、非営利組織会計とは、医療や学校、福祉団体などの会計のことです。

2024年から試験内容が少し変更に

2024年から、USCPAの試験科目に変更がありました。以前は4科目全てが必修科目でしたが、2024年以降から3科目が必須科目で、1科目が3科目のうちから選択する選択科目となりました。4科目勉強することには変わりありませんが、その関係もあり試験内容も一部変更がありました。FARの科目では少しの範囲がBARの範囲に移行されましたが、必須科目ということもありほとんどの勉強範囲に変更はありませんでした。

試験日や出題構成、配分

試験日につきましては、四半期に1度試験を受ける機会があり、1年で同じ科目を4回受けることが可能となっています。また、科目合格制を取っており、一科目ずつ取得することが可能となっていますが、18ヶ月立つと合格が取り消しされてしまうので注意しましょう。

出題構成や配点は以下の通りです。

上記の表を見てみると、MCとTBSの問題が均等の配点になっていることが分かります。また、合格に必要な点数が75点と定められています。ですので、どちらかのみ高得点を取れば合格できるといった試験ではなく、満遍のない勉強が必須となってきます。

合格に必要な勉強時間

FARの合格に必要な勉強時間は400〜500時間と言われています。USCPAの合格に必要な勉強時間が1200〜1500時間とされていて、最もボリュームのある科目です。実際に期間にあてはめると、6カ月間毎日2〜3時間の勉強をして合格できると考えると、難関な科目ということが分かると思います。また、この平均勉強時間はあくまでも目安であり、確固たる基準ではありません。会計・税務の勉強が初めての人と、仕事でそれなりに税務に関わってきた人では、合格ラインに達するまでの勉強時間はおのずと異なってくるでしょう。

オススメの勉強方法

USCPAのFARは科目の中で最もボリュームがあり、基礎的な問題から応用的な問題が出題されます。そんなFARのオススメの勉強法を解説していきます。

これから勉強する場合

会計や税務の経験がある人でもない人でも、USCPAのFARの科目を勉強経験のない方は、まずインプットから始めましょう。インプットの仕方として、一つの参考書を何周も繰り返すことをオススメします。いろんな参考書を何個も手を出した方が良いと思われがちですが、FARの科目に関しては、計算問題が主となっているので、その後のアウトプットの方が重要になってきます。ですが、インプットした情報のみしかアウトプット出来ないので、最低でも3周、多くて6周してもよいくらいでしょう。

次にアウトプットです。FARの科目は計算問題が重要になってくるため、ひたすらに演習問題を解きましょう。間違ってしまった問題は間違ってしまった理由をしっかり分析し、次に同じような問題に出くわしたときに、間違えないようにすることを心がけましょう。また、FARの科目の中のMCは4択問題です。そのため、偶然正解してしまうことがあると思います。演習問題は、その問題に正解するためでなく、本番の問題を正解するために解きます。ですので、正解していた問題でも、次に出たときに正解できるかをしっかり確認しましょう。

試験直前の場合

試験直前1ヶ月〜2週間前の場合は、本番に近い形での演習をオススメします。予備校で主催されている模試を受けに入ったり、模試形式の問題集で演習したりと、普段解けている問題でも時間が足りないことや、とりわけ同じ分野で多く間違ってしまうなど、問題点を見つけることが重要です。そのように見つけた問題点を、残りの少ない時間で改善し、合格を目指していきましょう。

勉強をする上での注意点

英語を疎かにしてはいけない

USCPAはアメリカの試験で、全ての問題が英語で出題されます。求められる英語能力は結構高く、TOEICは800点ほど必要といわれています。そのため、英語の勉強を後回しにしてしまうと、インプットの段階で苦労したり、知らない単語が多く出てきて、問題を解く段階に至らないなどの問題が起こる場合があります。そのため、英語に自信がない方は出来るだけ早い段階からFARの勉強と並列して行うことをオススメします。

差がつくのはTBS

FARの科目で最も差がつくのがTBSの問題です。FARの科目にはMCとTBSがあると説明しましたが、MCは4択問題です。そのため、計算をして正解の数値を導き出せなかったとしても、近いような値を選択すれば正解してしまうこともあります。ですがTBSは、数値を入力するため、少しの間違えが大幅な点数の減点になってしまいます。ですので、TBSの問題は特に速さより正確性を重視し勉強していくとよいでしょう。

まとめ

本記事ではUSCPAの中の科目のFARについて解説してきました。この試験科目の中でFARは一番ボリュームが多く勉強が大変ですが、資格を取得した後で一番役に立つ科目です。そのため、科目に合格するだけでなく、実際にUSCPAとして働くことを考え、きちんと勉強しておきましょう。

また、USCPAの資格は、USCPAとしてだけでなく、日本でさまざまな職種で活躍できる素晴らしい資格となっています。日本の転職業界では、多くの企業が必要とされている人材で、さまざまな選択肢が広がるため、USCPAの資格取得を目指していきましょう。

この記事を書いたライター

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カテゴリ:資格試験

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