公認会計士は非常に市場価値の高い資格の保持者であるものの、その将来性に不安を感じている方が、一定数いらっしゃいます。その理由の一つに、AIによって仕事が奪われてしまうというイメージが強いことがあるようです。本記事では、公認会計士の仕事に将来性はあるのか、AIが取って代わってしまうのか、解説します。
早速、公認会計士の将来性について見ていきましょう。
公認会計士の将来性に対する懸念の声が上がり始めたのは、マイケル・A・オズボーン オックスフォード大准教授が2013年9月に発表した論文がきっかけです。その論文は「雇用の未来:コンピューター化により仕事は失われるのか」というタイトルで、様々な職業の存続性について書かれていますが、この中で会計士や監査人の仕事は94%の確率でコンピューター化されると書かれているのです。
この論文が発表された2013年以降もAIの発展は進んでおり、chatGPTの開発などを見てもその発展は衰えることは当分無いでしょう。
しかし、公認会計士の将来性は決して暗いものではありません。
なぜなら、現実的に公認会計士は94%もの仕事をAIに取って代わられることは考えにくいからです。ただし当然ではありますが、全くAIにはできない業務しかないわけではありません。そこで次の章では、公認会計士の業務のうち、AIにできる、もしくは今後できるようになりそうな業務と、そうでない業務について解説します。
AIは人には到底不可能なスピードで計算をしたり、質問に対する適切な回答を瞬時に出力できるなど、様々な業務に活かせる可能性があります。そんな中で公認会計士の仕事にAIが活かせる業務とそうでない業務には、どんなものが挙げられるのでしょうか?
AIができる公認会計士の業務として代表的なのは、仕訳や数値分析など監査に必要な情報を揃える業務です。現在はこのような単純な作業なら代替可能であると考えられています。
簡単に述べるのであれば、上記以外の全ての公認会計士の業務はAIに取って代わられない、もしくはその可能性が低いとされています。なぜなら、監査業務の目的である企業の財務諸表などの正しさを保証することは人間にしかできないからです。
AIは論理的な思考や複雑な計算は出来る一方で、それらの情報を総合的に分析して可否を判断できるわけではありません。よって、まだまだ人間にしかできない業務は多いのです。
上述したように監査業務における最終的な判断は、人間にしかできない業務であり続けると予測されています。そんな監査業務は公認会計士の独占業務と定められているため、公認会計士資格を持っていない人はその判断を行うことが出来ません。
他方、監査は基準を満たしている大企業などに義務付けられているほか、義務は無くても実施する企業が多いため、監査に対応できる公認会計士は社会的に不可欠であるといえます。この状況はたとえAIの発展が続いたとしても、一長一短に大きく変わることにはならないでしょう。
ご紹介したように社会的なニーズが高い公認会計士が働く、代表的な職場としては下記が挙げられます。
これらの職場について、詳しくは以下の記事をご参照ください。
今回は公認会計士の将来性について解説していきました。
公認会計士を目指すにあたって、「AIによって将来は必要無くなる仕事だから、公認会計士はやめておけ」などという声を聞く機会があるかもしれません。しかし、ご紹介したようにまだまだ公認会計士にしかできない監査業務の重要性は高い状態にあります。
ですので、そのような否定的な意見に流されることなく、公認会計士にチャレンジすることをオススメします。
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