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USCPAの勉強法とは?何から始めればいい?

HUPRO 編集部
USCPAの勉強法とは?何から始めればいい?

USCPA(米国公認会計士)の資格に興味はあるけれど、何から始めればよいのか分からなかったり、独学で合格可能なのか気になっている方は多いと思います。また、USCPAはアメリカの資格のため、英語の能力も重要になってきます。
本記事では、USCPAの資格を取るための勉強法や優先順位を解説していきます!

USCPA(米国公認会計士)の概要

USCPAは日本でいう米国版の公認会計士です。全米州政府会計委員会と各州政府会計委員会の支援のもと、米国公認会計士協会によって開発された資格です。

試験概要

USCPAの試験は科目合格制になっており、FAR(財務会計)、AUD(監査論及び証明業務)、REG(商法・税法)の3科目と、選択科目のBAR(ビジネス分析)、ISC(情報システム)、TCP(税法遵守)の3科目から1科目を選択し、計4科目が必要となります。それぞれの科目で75点以上取れれば合格と定められており、科目合格の有効期間は18か月です。科目合格がある場合は18か月以内に4科目合格しておく必要があり、18か月経過後はその科目の合格は取り消されてしまいます。第1四半期〜第4四半期まで1年に4回の試験日程が定められており、自由に受験することができます。

また、受験資格として、「4年制大学を卒業しているまたは在学中」かつ「会計・ビジネスの単位を一定以上取得している」と定められているため、ある程度の知識を保有している人が受験する資格です。

USCPAの難易度

USCPAの難易度を合格率と合格に必要な勉強時間に分けて見ていきましょう。

科目別合格率

USCPAの試験の2024年1Qの科目別合格率はFAR41.92%、REG63.42%、AUD44.63%、BAR42.94%、ISC50.93%、TCP82.36%という結果でした。BAR、ISC、TCPの3科目に関しては2024年以降から追加された科目なので、合格率にはブレがあると考えられます。また、他の3科目に関しては例年およそ40〜60%の合格率ですので、そのくらいだと認識しておきましょう。

科目別合格に必要な勉強時間

USCPAの資格を取得するのに必要な勉強時間は、一般的に1,000〜1,500時間といわれています。
科目別の内訳として、必須科目はFAR400〜500時間、AUD250〜300時間、REG280〜350時間です。選択科目の3科目は2023以前に必須科目とされていたBECの代わりとなります。BECの科目合格をするのに200〜300時間くらい必要とされていたため、選択科目の3科目もそのくらいの勉強時間を必要とするように作られています。

加えて、USCPAの試験は全ての問題が英語で出題されることに注意が必要です。TOIECのスコアが800点必要といわれていて、初期段階の英語レベルからこのスコアを取るのに1000時間必要と言われています。そのため、英語の勉強も疎かにしないようにしましょう。

USCPAの勉強法

USCPAは科目合格制のため、自分の勉強したい科目から勉強することができます。ただし、必須科目がありUSCPAの資格を取る場合必ず合格しないといけない科目なので、先に必須科目を勉強する方が多いです。

また、USCPAの資格を取得するためにどのような選択を取るべきかを複数の状況にあてはめて解説していきます。

予備校に通う

USCPAを取得するために予備校に通うのは、非常に効率的です。予備校では、講義を受けてその箇所のテキストを解き復習するという流れで勉強します。一人だけで決めるのが難しい合格までのプラン決めや、分からない点をすぐに解決出来る講師などがついていることが大きなメリットでしょう。

独学で勉強する

独学で勉強しようと考えている方はさまざまな状況があると思います。よくある例を場合分けして説明していきます。

英語あるいは会計の知識がある場合

例えば、英語の知識がある程度足りている方は、迷わずUSCPAの科目の勉強をしましょう。USCPAの試験は科目合格制なので、自分が資格を取得したい時期を逆算して、資格取得を目指しましょう。
一方で、税理士の資格を持っていて、会計の知識はあるが英語には自信がないという方もいるでしょう。そういった方は、まずは英語の勉強を始めるのがよいでしょう。英語の実力をつけるには多大な時間がかかるため、実際にUSCPAの問題を読んでみて、全くわからない場合は、先に英語の勉強に取り掛かるのがよいでしょう。

英語も会計も知識が少ない場合

どちらの知識にも自信がなく、一からUSCPAの資格を取得したい場合は、英語の力を先につけることをオススメします。問題文が全て英語のため、問題文を読めないとスタートラインに立っていないことになります。求められる英語能力も高いため、まずは英語の勉強に重点を置きながら、ある程度自信がついたところで会計などの勉強にシフトするのがよいでしょう。

会社で働いている場合

現在会社員として働いている場合は、予備校などの選択肢が時間的に取れないと思います。そのため、会社の前や会社帰りなどで時間を作り勉強するでしょう。その人の勉強する前の持っている知識量に寄りますが、1日3〜4時間ほど取れれば、USCPAの取得を目指せます。例えばUSCPAの資格取得に必要な勉強時間は1000〜1500時間とされているため、400〜500日程度で科目合格できます。ただし、最初の科目に合格してから、18か月で合格が取り消されてしまうため、そこは注意が必要です。日数はかかりますが、続けられることが出来れば、USCPAの資格取得は出来るでしょう。

実際独学で勉強可能なの?

結論から申し上げますと、USCPAの資格は独学で合格可能です。
ただし、非常にコストも時間もかかる資格ですので、独学で受験をするデメリットや、向いているかどうかを踏まえて目指すことをおすすめします。

メリット

独学のメリットとして、お金がかからないのが最大のメリットだといえるでしょう。予備校や通信教材を利用すると数十万かかります。独学の場合はテキスト代のみしかかかりません。また、自身のペースで勉強出来るので、学習計画が立てやすいです。会社員の方などは、無理して予備校などに行くよりも、時間が多く確保できるでしょう。

デメリット

USCPAの資格を取得するうえでの独学のデメリットとして、時間がかかることといわれています。海外の試験のため、自身で得られる情報が少ないため、効率よく勉強出来ない可能性があります。また、参考書がどんなに詳しく書いてあっても、分からないところは出てきます。そういったときに相談できないのもデメリットです。

詳しくは下の記事で紹介していますので併せてご参照ください。

USCPAの資格を取得するメリット

USCPAの資格は現在日本で大いに活躍できます。近年グローバル化が進んでいて、海外進出する日本企業が、増加していっています。そのような企業は、国際基準の会計知識が必要不可欠となってくるため、国際会計基準を理解している人材として、需要が高まってきているのです。

また、USCPAの資格を取得していることで英語力と会計知識だけでなく、ITのスキルがあることの証明になります。試験内容に最新のIT知識も含まれており、現在会計業界のAI化の進展に伴い、ますます重要になってくることでしょう。

USCPAの資格を活かせる職場

USCPAの資格を活かせるオススメの職場を紹介します。

海外の会計事務所

USCPAは米国の公認会計士です。そのため、米国の会計事務所で公認会計士として働くために取得する方が多いでしょう。米国の税制上、アメリカ人は国外に暮していても米国に税金を支払わなければなりません。そのため、米国以外の国に住んでいるアメリカ人の税務処理などの需要もあるため、各国で働くことが可能となっています。

監査法人

USCPAは就職・転職先として監査法人が挙げられることが多いです。近年では国内の公認会計士が不足しているため、監査法人が積極的に採用しています。USCPA取得者は基本的に海外とも取引している企業の監査をしていて、国際的な監査基準に基づいて業務を行います。
また、BIG4とと呼ばれる4大監査法人では、国内だけでなく海外にも拠点があるため、USCPAの知識が認められ、活躍している方が多くいます。

FAS系コンサルティングファーム

FASとは「ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス」の略で、企業の経営層や会計・財務、法務に関するサポートをする会社を指します。FASの主な業務はM&Aなのですが、近年の日本企業のM&Aは、取引先が海外企業というケースが非常に増えてきています。このようなクロスボーダー案件に対応するには英語力が必要だといえます。海外企業のバリエーションや経営状況を図るために、国際会計基準の理解が非常に役に立つため、USCPAの知識が役立つでしょう。
詳しくは下の記事で紹介していますので併せてご参照ください。

まとめ

本記事では米国公認会計士の勉強法について解説していきました。USCPAの資格は、目指す層もさまざまなため、知識があまりない方が勉強を始めると、難易度が高く苦労するでしょう。ですが、それ以上に働く場所に縛られなかったり、日本の転職市場での需要が非常に高いことから、USCPAの資格を目指してみるのもいかがでしょうか。

この記事を書いたライター

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カテゴリ:資格試験

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