近年のM&Aの増加に伴い転職市場の中でも注目を集めるFAS。
人気の業界な分、内定に重要な影響を与える面接での回答の仕方や内容には細心の注意を払わなければなりません。
今回はそんなFASの面接の特徴や具体的な質問内容まで、業界特化エージェントが徹底的に解説します!
FASの面接形式について、一般的な問答形式であるビヘイビア面接と、特定の課題に対して一定時間自分で考えた後に、回答を面接官に伝えるケース面接が主な形式となります。
ビヘイビア面接とは、これまでの経歴や志望動機などについて問答形式で深掘っていく一般的な面接形式を指します。
後述する予想質問について、どのように説明すれば面接官に効果的に伝えることができるのかなど、面接時間や過去の傾向を踏まえて事前に対策することが求められます。
ケース面接とは、市場規模の推計や業績を伸ばす方法など、ビジネスに則した特定の課題が出され、それに対して考えをまとめて回答する面接形式を指します。
ここでは、課題に対する構造化・理解・解決策の策定を通して、論理的思考力や問題解決能力が試されています。
課題に対して適切に回答できているか、回答に至るまでの過程は論理的に考えられているか、その後の面接官の質問に対しても矛盾なく回答できるかということを意識することが必要です。
ここからは、ビヘイビア面接を取り上げて、FASの面接の形式や内容を含む具体的な特徴について詳しく解説していきます。
会社や経歴、応募経路により異なりますが、3回ほど面接を行った後、採用条件の交渉に入る流れが一般的です。
なお、一回当たりの面接時間については、0.5∼2時間が平均として挙げられます。
応募企業により異なりますが、Big4系FASの一つであるKPMG FASの面接フローは以下の通りになります。
一次面接においては、管理職であるマネージャークラスが担当することが多く、自らの下でプロジェクトに参画し活躍できるかどうかという即戦力性を確認する傾向があります。
また、部門責任者であるディレクタークラスが担当することが多い二次面接では、将来的に部門ビジネスに貢献しうる人材であるかどうかといった将来性を見る傾向があるといわれています。
三次面接においては、応募部門の責任者であるパートナークラスが面接官を務めることが多く、最後に改めて応募部門で活躍できる人材かを見極められます。
三次面接が最終面接であることが多く、ここではこれまでの面接とは違い、面接官の個性を反映した個性的な質問が投げかけられることも少なくありません。現在のスキルだけでなく、中長期的に貢献や成長ができる人材であるかの再確認のため、独特な質問がされることがありますが、自身が入社後に配属先の責任者になるかもしれない人を知る良い機会として、素直に楽しんで回答してください。
FASの面接の一般的な流れについて、ビヘイビア面接を取り上げて説明していきます。
入室して面接官より挨拶があった後、まずは自己紹介を促される場合がほとんどです。
ここでは、簡単な職務要約と志望動機について、2~3分程度で話すのが一般的です。
職務経歴の細かい話については、後々面接官より質問があると思いますので、その際に詳しく伝える流れになります。
自己紹介で話した内容や、書類選考の際に提出した職務経歴書の内容について、面接官より深掘りの質問が投げかけられます。
こうした質問は、実際に応募部門で働く際に求める経験やスキルについての確認がメインとなります。そのため、書類選考や面接対策の際に、これまでの経歴を整理し、これからの業務でどう活かせるかを考えておく必要があります。
なぜFASを志望するのか、またその中でも応募先の企業を志望する理由についての深掘りの質問が行われます。
これらの質問は志望度合いを問うだけではなく、応募先の企業や部門についての事前リサーチがどこまでできているかを確認する意味合いもあります。
業界研究だけでなく企業研究も念入りに行い、事業や部門に対する理解を示すことで面接官に対して一定のアピールにもなりますので、面接の成功においては欠かせないポイントになります。
前職の転職理由やまた現在転職を検討している理由など、転職に関連する質問は必ず聞かれるポイントです。
「現職では○○ができなかったが、貴社ではそれができるから志望したい」というように転職理由がネガティブであった場合、現職ではそれが解消できるように動いたかなどの質問がされる可能性があるため、事前に準備しておくことが求められます。
また現職や前職にあまりにもマイナスな感情を抱いている印象を面接官に与えてしまうことで、転職先に対しても何かしらのネガティブな面を見つけてすぐに転職してしまうのではないかという懸念を与えてしまう恐れがあります。
100%ポジティブな転職理由は基本的にありませんが、正直に伝えることを前提としつつ、なるべく前向きな転職であることを伝えるよう意識することが重要です。
FAS業務に関連する基礎知識の有無について確認するための質問についても、頻出の質問であるといわれています。
志望動機を質問された際に、「この業界に入りたいんです!」と熱意を表現しておきながら、実際の業界に関する知識は何もないといったような言動の不一致がないかを確認するための質問であるといえます。
そのため、応募部門での業務に関する基本的な用語については、簡単に説明できるくらいには理解を深めておくとよいでしょう。
これまでの経歴や志望動機以外にも、3年後、5年後に描きたいキャリアや、自身の強みや弱み、また新卒の就活時に問われるような学生時代の経験などについての質問がされることも少なくありません。
こうした質問についても、FAS業界での職位ごとのイメージが持てているかや、将来描きたいキャリアプランとFASで実現できるキャリアにギャップがないかを確認するための重要な質問のため、このような一般的な質問に対する答えも準備しておくことが求められます。
一般的な面接と同じように、面接後半部分で逆質問の時間が設けられることが多いです。
基本的には質問内容は自由ですが、質問したうえで何を知りたいのか、質問意図が面接官に伝わる表現をする必要があります。
質問内容に困る場合は、実際に入社した後の姿を思い描いたうえで知りたい情報を考えてみるとよいでしょう。
ここでは、面接の中で想定される質問を分類別にご紹介します。
・自己紹介をお願いします。
・これまでの職務経歴を簡単に教えてください。
・書類選考時の自己PRの記載内容について説明してください。
・なぜこの学部に進まれたのですか。
・前職・現職に入社された理由はなんですか。
・仕事での成功体験は何ですか。
・仕事においてどういうときにやりがいを感じますか。
・仕事での挫折経験はありますか。
・仕事で得られたことを教えてください。
・なぜFAS業界に転職しようと考えたのですか
・なぜ他の会社ではなく応募企業なのですか。
・FASに興味を持った背景は何ですか。
・応募部門に興味をもったきっかけは何ですか。
・入社したらどのような案件を手掛けたいですか。
・なぜ転職しようと考えられたのですか。
・ネガティブな面での転職理由はありますか。
・(ネガティブな)転職理由について、現職では解消することはできなかったのですか。
・(ネガティブな)転職理由について、解消できるようにされた努力はどのようなものがありますか。
・社内の異動制度を利用されないのですか。
・このタイミングで転職しようと思った理由には何がありますか。
・どうやって弊社の存在を知ったのですか。
・他にはどのような会社を受けていますか。
・転職先を選定する際の基準は何ですか。
・転職を通じて実現したいことはなんですか。
・仕事上の将来の目標について教えてください。
・これまでの経験がFASでの業務にどのように活かせると考えますか。
・M&Aのフローについて説明してください。
・M&Aの手法の種類について説明してください。
・M&Aのメリットデメリットにはどのようなものがありますか。
・M&Aにおけるデューディリジェンスとは何ですか。
・企業価値評価の方法にはどのようなものがありますか。
・独占禁止法が話題となったM&A案件についてご存知でしょうか。
・事業再生について説明してください。
・事業再生の手法の種類について説明してください。
・FAS業界に関連する書籍等は読まれていますか。
・自身の強み・弱みについて教えてください。
・リーダー経験はありますか。
・これまでに経験した困難はありますか。またそれをどのように乗り越えましたか。
・新卒で選んだ業界の選定理由はありますか。またその時点で描いていたキャリアパスについて教えてください。
・中長期的にどのようなキャリアを歩みたいですか。
・前職の年収水準と希望年収水準について教えてください。
・出張対応は可能でしょうか。
・応募企業にどのような貢献ができるとお考えでしょうか。
・応募企業以外の会社も受けておられますか。
無事面接に通過した場合は、内定を獲得し、採用条件の交渉に入り採用決定に向けて動いていきます。
面接後、内定をもらう時には、改めて現職の労働条件や年収水準を含む待遇を伝えて、応募会社でのこれからの待遇の提示・それに納得できるかについて話し合います。
ここでは、後悔のない転職を実現するために、年収や待遇についてしっかり交渉することが重要となってきます。
ただ、将来的な雇用主に対してこうした交渉を行うことは難しいと考える人が多いのも事実です。
そうした方は、選考の段階から人材エージェントを活用することで、面倒な採用条件の交渉についても代行してくれるため、活用を検討することをおすすめします。
また人材エージェントを活用することで、面接の日程調整も行ってくれることで、内定をもらうタイミングも揃えることができます。
それぞれの企業により内定が出るタイミングが異なりますが、内定の通知を揃えることができないと、後半に受ける企業の結果を待っている期間に、既に出ている内定の承諾期限がきてしまうというような事態も起こりえます。
そうした際には、内定承諾に対する回答期限の延長をお願いしたり、内定後の面談を申し入れるなどの対応が必要となりますが、事前に人材エージェントを活用して、面接の日程調整を行ってもらうことで、手間を省いて効率よく転職を行うことができます。
ここからは、実際にFASの面接で内定を獲得するために重要なポイントについて解説していきます。
志望動機の掘り下げについては、面接を受けるための書類選考においても前提として必要であり、その後の面接においても必ず深掘りで質問される最重要ポイントの一つのため準備が必要です。
それぞれFAS業界で働きたい理由はあると思いますが、それを如何に伝えるかによって選考の通過率は変わります。
採用する企業側に「欲しい!」と思わせるために、業界や企業へ応募した理由、また自分が携わってきた事業とFASで活かすことができる強みを併せて強調して伝えるのが重要です。
志望動機が面接官にしっかり刺さるかにより、今後の選考の明暗が分かれると言っても過言ではないため、志望動機の掘り下げは力を入れることが必要となります。
FASへの転職でおすすめの志望動機については以下の記事で詳しく説明しているのでぜひご参考にしてみてください。
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上述のような想定質問については、事前に回答を準備し、また丸暗記ではなく要点を暗記するなど、自分の言葉で語れるようにきちんと練習しておく必要があります。
また実際に、家族や友人に面接官役をやってもらい模擬面接を行うなど、実践的な練習を行うことも、質問に対する回答の仕方や、回答の要点のまとめ方などに対して課題を見つけることができ効果的であるといえます。
さらに、今回の記事ではビヘイビア面接を取り上げましたが、企業によっては上述のケース面接を実施する企業もあるため、場合によっては対策を行う必要があります。
ケース面接未経験の場合は準備に1~3か月程度かかる場合もありますので、事前に応募したい企業の面接フローを確認し、必要があれば早い段階からケース面接の対策を行うことが重要です。
FASの面接を受けるにあたり、人材エージェントを活用することも重要です。
書類選考段階から書類添削や応募企業の選定に対するサポートをしてくれ、また面接においても日程調整から模擬面接、さらに内定後の条件交渉まで、一貫したサポートを提供してくれます。
また、選考対策に対するサポートだけでなく、面接官に関する情報や実際に行われる質問など、外部からは収集できない情報についても人材エージェントは豊富に持っているため、ライバルに差をつけて有利に転職活動を進めたい人にはおすすめです。
FASへの転職を考えられている方、ぜひ弊社にご相談ください。
人気のFASへの転職を本気で考えている人は、業界特化の転職エージェントを利用することで、ライバルと差別化を図り、転職を有利に進めるのも一手です。
就職・転職活動にあたって、自分で応募する求人を探したり面接の日程調整をするのは骨が折れるものです。そこで活用すべきなのが人材エージェントです。希望の条件やご自身の経歴などを伝えることで効率的に求人を提供され、日程調整もエージェントが実施してくれます。また書類添削や面接対策といった選考準備に対しても、専任アドバイザーによるサポートが充実しています。
また、FAS業界は、採用に関する秘匿性が高く、事前の情報収集や対策が困難とされています。
そのため、自力で求人票を探して応募するよりも、業界に特化した人材エージェントに登録して、最近のFAS業界の実情を把握して転職活動を行う方が安心です。
業界特化型エージェントにおいては、金融機関や士業バックグランドを持つ人材の転職支援実績を多く有しているため、企業として一定の選考に係るナレッジや企業とのパイプラインを有しており、転職に関するリアルな情報提供が可能です。
将来に向けたキャリアパス・キャリアプランのご相談や、転職市場のご説明などももちろん可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。