士業には、誰もが知っているものからあまり有名ではないものまでさまざまあります。
本記事では、あなたが興味のある士業がどのくらいの平均年収・難易度なのかをランキング形式で紹介しています。
ぜひ、1つの指標にしていただけたら幸いです。
士業とは、弁護士や社労士など、〜士といった資格のことを表します。士業の種類として、8士業(弁護士・弁理士・司法書士・税理士・行政書士・土地家屋調査士・社会保険労務士・海事代理士)があります。この8士業は、業務に必要な場合、戸籍謄本や住民票などを請求する権限が与えられている8つの士業として、括られて呼ばれています。他にも士業として中小企業診断士・公認会計士・不動産鑑定士があり、計11個の士業が挙げられます。
以下が先ほど紹介した11種類の士業の平均年収の相場をランキング形式でまとめてみました。
士業の平均年収の1位は「弁護士」の「945万円」でした。次いで2位は「公認会計士」の「922万円」、3位は「不動産鑑定士」の「754万円」という結果でした。これらは3大国家資格とも言われていて、学歴関係なく試験を受けられることで一括りとされています。この3つの資格では、独立して開業をするといった選択肢を取る方も多く、軌道に乗れば年収5000万円以上になる可能性もあります。一方でうまく収益を上げられなければ、0円になる可能性も考えられます。
手に職をつけるために資格を取得するという方が多い一方で、高年収を目指してハイリスクハイリターンの独立開業という道を選ぶ方も少なくありません。
日本の平均年収は450万円弱と言われています。士業の平均年収と比べてみると、ほとんどの士業が日本の平均年収を上回っていることが分かります。その理由として、ほとんどの士業には独占業務というものがあり、資格保有者しか出来ない業務が存在するのです。そのため、その業務を行える人数に限りがあり、希少性が高まります。資格保有者が一般企業に就職する場合でも、知識があるため一定以上の能力が示せたり、会社によっては資格手当がつく場合もあります。このような理由から、士業の平均年収が一般よりも高い傾向にあります。
難易度を分かりやすくするために、年収と合格に必要な勉強時間をまとめてみました。
年収が高い士業が勉強時間も多い傾向にあります。平均年収が高いから、弁護士を目指そうと思う方も多いと思いますが、勉強時間が5000時間もかかるため、一日5時間勉強しても3年かかる計算になります。他にも3000時間必要な資格は1日5時間勉強して1年半かかります。こういった意味で、平均年収ランキング上位の資格は、膨大な量の努力が必要になります。それを踏まえても、士業は年収が高いだけでなく、企業の業務の課題や不満などを解決でき、社会的意義のある仕事となっているため、興味のある方は目指してみましょう。
弁護士は、法廷での訴訟活動、国会などの立法や制度の運用改善に関わる活動、個人の権利を守る人権擁護活動などを行う専門家です。また、主な仕事内容として、民事・刑事の2つがあります。民事は個人の困りごとから企業間の取引まで、依頼者の求めに応じ紛争の防止、解決を行います。また刑事は、被疑者・被告人の権利を擁護する弁護人となり解決に導きます。
行政書士の仕事内容は主に「書類作成業務」「手続き代理業務」「相談業務」です。書類作成業務は、官公署に提出する書類作成やその他の権利義務または事実証明に関する書類作成です。行政書士が作成可能な書類は1万以上もあると言われており、官公庁に提出する書類の手続きの代理なども業務としてすることが可能です。
公認会計士は、監査・会計及び経営に関する専門的知識を活かし、企業が作成した財務諸表の監査を行い、独立した立場から監査意見を表明し、その情報の信頼性を確保する、あるいは税務業務(ただし、税理士登録をすることが必要)や経営コンサルティング等を独占して行えます。会計という業務上幅広い業種とのつながりを作ることができます。
税理士の仕事は、企業や個人に対して、法人税や所得税など各種税金の納税のアドバイスや申告書の作成をすることです。また、会計業務のサポートや、経営や相続などのコンサルティングなども行います。税務書類作成・税務代理・税務相談は税理士の独占業務となっていて、長く活用できる資格の1つです。
社労士の仕事内容については、書類等の作成代行、書類等の提出代行、労務管理や労働保険・社会保険に関する相談等です。社労士が依頼される書類は、医療保険や年金など分かりにくいものが多く、その手続きのサポートを行っています。
不動産鑑定士は主に不動産鑑定評価とコンサルティングを業務内容としています。不動産鑑定評価は、土地や建物などの不動産の経済価値について、周囲の地理的状況や法規制、市場経済における価値などさまざまな要素を考慮して鑑定評価をおこない、鑑定評価額を決定して不動産鑑定評価書というレポートにまとめます。また、コンサルティングは、その不動産鑑定評価をもとに、顧客ニーズに合わせた適切なアドバイスを行います。
弁理士の主な仕事は法人企業もしくは個人事業者の依頼により、特許庁に対して新規の発明品の知的財産権を申請すること、特許権の侵害などの知的財産権を巡る紛争を解決することです。知的財産権には、「特許」「意匠」「商標」「実用新案」などがあり、これらの申請を代理として行ったり、これに関しての紛争や揉め事を解決させる役割があります。
行政書士は、主に行政への許認可申請が必要となる場合に提出する書類の作成、官公庁に届ける書類に関する相談業務などを行います。建設をする際に必要な建設業許可書や消費賃貸契約書、貸貸借契約書などの権利を消滅させたりする際に必要な書類の作成や代理で提出などを行います。
中小企業診断士は、経営コンサルティングや経営改善計画書を作成し、中小企業を発展させることが主な業務です。また、中小企業と行政・金融機関等を繋ぐパイプ役、専門的知識を活用しての中小企業施策の適切な活用支援等幅広い活動が求められています。
土地家屋調査士はあまり広く知られている資格ではないですが、不動産の表示に関する登記につき必要な土地又は家屋に関する調査及び測量をすることが主な業務です。具体的には、不動産(土地又は建物)の物理的な状況を正確に把握するために調査をし、そこの土地に法律上建物が建てられるのかを測量します。
海事代理士は、海事代理士法に基づき、海運事業者等の依頼者からの委託により、登記その他の海事法令に基づく手続きおよびその書類作成を代理することが主な業務です。例えば、船舶の売買等により所有名義を変更しようとする場合手続きが必要で、その書類の作成を代理したりします。
11種類ある中で、特にオススメの士業を理由を含めて紹介していきます。
税理士をオススメする理由は大きく2つあり、試験制度と職場です。
1つ目の試験制度に関しては、税理士試験は科目合格制度を取っていることです。普通の資格では、複数科目あった場合でも、1回の試験で全ての科目でボーダーラインを越えてかつ合計点数でも合格点のボーダーを超えないといけません。しかし税理士試験は、5科目あるのですが、それぞれに合格基準が定められており、1回で全て合格する必要がありません。1回合格した科目は再度受ける必要がないため、1年に1科目など自分に合ったペースで勉強できます。
2つ目は活かせる職場が多い点です。税理士になると、一般的には税理士事務所や会計事務所に勤めることが多いです。そこでは、税務に関しての依頼に対して、書類を作成したり御業務の代理を行ったりします。他にも、さまざまな企業の管理部門で働けます。税理士試験に合格したということは、会計の知識も豊富といったことの証明になりますので、大手企業などで管理部門としての需要も高いです。また、損益計算書や貸借対照表を読み取れるため、さまざまな企業の財政状況を知り、経営コンサルティングなども行うことができます。
このようにさまざまな企業での活躍が見込まれるため、オススメとなっています。
公認会計士がオススメな理由として3つあります。
1つ目は年収が高いところです。公認会計士の資格を取得する理由として、高年収かつ安定しているというのが多いです。実際士業の中では2番目に年収が高いですし、日本の平均年収からしても2倍程度あります。公認会計士の業務として、財務諸表監査というものがあります。この業務は、公認会計士しか行うことができず、資本主義経済を支える仕事のため、景気に左右されにくく、高収入かつ安定している証拠になります。
2つ目は税理士と同じように幅広く活躍できるところです。公認会計士の資格を持っている方は、税理士の登録もできます。そのため、公認会計士の仕事だけでなく、税理士としての業務も行うことが可能です。税理士の資格のみでさまざまな職場で活かせるため、公認会計士の資格はより幅広い職場で、専門的な知識を活かす事ができます。
3つ目は働き方です。公認会計士は基本的に働き方が自由なところが多いです。監査に必要なソフトウェアなどがあれば、在宅勤務やテレワークも可能となっています。繁忙期があるものの、それを考慮した年間スケジュールが組まれているため、数週間単位で休暇を取ることができ、海外旅行なども行くことができます。
このように幅広い職種や働き方が実現できるため、オススメです。
士業の中で社労士もオススメです。その理由を3つ紹介します。
1つ目は幅広く活躍できるところです。同じような平均年収の士業として、行政書士や海事代理士が挙げられます。これら士業よりも、知識として活かせる幅が多いのが社労士です。労働関係や、社会保険関係を学ぶため、どの企業でも役立てることが可能です。社労士の受験者の8割が会社員で、仕事と両立しながら資格を取得する方が多いです。このように企業内社労士として、幅広い企業で役立っています。
2つ目は会社を守れるという点です。労働法を学ぶ資格のため、自社の会社の労働環境を守ることができます。また会社だけではなく、自身も守ることができます。会社の違反行為を社労士という立場からの主張により、説得力の高い意見として受け入れてもらえることが出来ます。
3つ目は他の資格との相性がいいことです。資格を活かして独立開業する人も多い税理士、中小企業診断士、行政書士は、それぞれの資格で業務範囲が異なりますが、ターゲットとなる顧客層(中小企業など)が重なっています。しかし、複数の資格を持っていることで、ひとりの顧客に対してできるサービスの幅を広げることが可能です。例えば、社労士と税理士の資格を持っていれば、労務や年金関係の申請とともに税務申請も併せて請け負うことができます。資格は基本的に1つしか取らないものが多いですが、2つ目の資格としても優れています。
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