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【税理士試験受験生必見】合格に向けて試験直前はなにをやる?

Hupro Magazine編集部 川辺
税理士試験の直前期はなにをやるべき?おすすめの対策をご紹介します!

税理士試験の約3か月前からの期間は直前期と呼ばれ、受験生にとってはこの時期の過ごし方が試験合格に大きな影響を及ぼします。一方で、この時期に具体的に何をすればいいのか、いまいち分からないという方も多いようです。
本記事では、そんな税理士試験直前期の過ごし方について、試験合格者の意見も参考にしながら解説します。

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直前期の目安の勉強時間は?

税理士試験の勉強にかけられる時間については、まず仕事をしながら勉強しているか勉強に専念しているかによって変わってきます。

働きながら勉強をしている場合

働きながら試験合格を目指している場合でも、この時期の平日は1日4~5時間の勉強を行うのが一般的です。仮に19時に家に帰るとしても、24~25時に寝るような一日を繰り返すことになりますので、ある程度忙しい生活と感じる方も多いようです。

また休日に関しても、少なくとも1日10時間以上は勉強に費やすのが良いでしょう。ただし、少しは息抜きをすることも大切なので、1,2時間に1回休憩を挟むなどが良いでしょう。

税理士試験勉強に専念している場合

働かず税理士試験勉強に専念している場合は、直前期かどうかに関わらず、1日10時間ほど勉強しているのが一般的なので、継続してそのくらいの時間を担保していくのが良いでしょう。
勉強に専念している方の中には、複数科目に同時に合格することを目指している方も多いと思いますが、その場合には12,3時間に増やすのがオススメです。

税理士試験の勉強時間については以下の記事も参考にしてみてください。

【科目別】 税理士試験直前にやるべき勉強

税理士試験は11科目のうちの所定の5科目を取得することで合格となりますが、どの科目の勉強をしているのかによって、直前期になにをやるべきかも変わってきます。今回は、会計学に属する科目(簿記論および財務諸表論)と税法に属する科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法、酒税法、国税徴収法、住民税、事業税、固定資産税)の二つに分けてご紹介します。

会計学に属する科目

会計学に属する科目は、答練(本番と同じ形式の問題演習)を繰り返し解くこと、そして暗記をメインに行うのがオススメです。
答練については、苦手な部分の洗い出しやその習得だけでなく、全体のスケジュール配分の確認や設問の取捨選択の判断力の養成にも役立ちます。

暗記については、まだ覚えていない部分の暗記はもちろん自分では既に覚えたと感じている部分についても、直前まで再確認を怠らないようにしましょう。
簿記論と財務諸表論について個別でも見てみましょう。

簿記論

直前期の勉強内容は基本的に答練がメインとなりますが、まずは第1問~第3問までの解く順番と時間配分を決めましょう。これはできるだけ早めに確立してください。自分の回答スタイルが確立したら、ひたすら本番と同じ形式で答練を繰り返し、ブラッシュアップしていきます。
特に総合問題となる第3問は難易度の高い問題が出やすいため、第3問にできるだけ時間をかけられるように時間配分を決めるのがオススメです。受験生の中には第3問から解く方や、「開始から〇分までには必ず第3問に入る」というようにペースを決めている方もいらっしゃいます。

また、答練を進める時の考え方として、高得点を狙いにくというよりは簡単な問題を確実に合わせることを意識し、間違えた問題は必ず復習をしましょう。特に、答練はアウトプットがメインとなるため、「間違えた問題はなぜ間違えたのか」、「正解した問題も自信を持って正解できたのか」を誰かに説明できるくらいまで自分の中に落とし込むことを意識すると、より質の高い復習ができます。

財務諸表論

財務諸表論は理論と計算が半分ずつ含まれる科目です。
理論は計算よりも問題数が少なく、1問あたりの配点が大きいため、特に暗記には力を入れましょう。

計算に関しては簿記論と比べても比較的基礎的な問題が出題されやすい傾向にあるため、難易度の高い問題と基本問題の両方をバランスよく勉強するのがオススメです。特に基本問題に関しては正答率80%以上を目指しましょう。

税法に属する科目

一般的には「税法に属する科目」の方が長い勉強時間が必要とされています。つまり、難易度が高いということです。
答練や暗記ももちろん行う必要がありますが、それ以前に理論が正確に理解できているかが、とても重要です。税法科目に関しては、この理論についての勉強を重点的に進めていくのがオススメです。

税理士試験直前の過ごし方

次に生活面や心構えの観点から、試験直前期の過ごし方についてご紹介します。

直前期の心構え

試験直前はメンタルが不安定になりやすい時期です。特に税理士試験は1年に1回のチャンスのため、「今年受からなかったらどうしよう」という不安に陥りやすくなります。
そんな中で重要なスタンスが、冷静でいることです。
「何を分かり切ったことを言っているんだ」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、実はできていない方が非常に多いです。焦りや不安を感じるのは当たり前のことなので、そんな中でこそ冷静さを保ちながら今自分がやるべきことは何かを整理し、残された時間を有効活用しましょう。
これは本番でも同じで、「勉強量が足りなかったのではないか」などと不安になることもあるかと思いますが、それでも冷静に落ち着いて、練習通りに試験に臨むことが何よりも重要です。本番での冷静さを保ちながら全力を発揮するためには、恐らく誰しもが口を揃えて言うと思いますが、普段の練習を全て本番のつもりで行うことが重要です。
「これだけやったんだから大丈夫」と自信を持って試験に臨めるように、しっかりと準備をしておきましょう。

生活面で意識するべきこと

試験直前はできるだけ勉強に時間を使いたいため、趣味やSNSなどの娯楽はなるべく控えるようにしましょう。皆さんも、「SNSを見始めると気付いたら何時間も経っていた」なんて経験はないでしょうか?特にSNSは様々なコンテンツが大量に流れてくるため、多くの誘惑が目に飛び込んできます。必死に勉強を頑張っている時に友人の楽しそうな休日の姿を見てしまうと、モチベーションにも大きな影響を及ぼしかねません。
そのため、趣味やSNSなどの娯楽は極力我慢し、少しでも多く勉強時間を確保しましょう。とは言え、全く息抜きをしないというのも逆効果になるため、適度な休憩は挟みつつも、できるだけ多くの時間を勉強に充てられるように調整しましょう。
税理士試験受験者の中には、趣味や好きなものを試験後のご褒美とすることでモチベーションを維持できたという方も多くいらっしゃいます。

また、1日のスケジュールとして、働きながら勉強をされている方には少し難しいかもしれませんが、過去問演習はできる限り本番と同じタイムスケジュールで行うことがオススメです。これにより、本番の試験中に眠くなって集中が切れてしまうリスクや、練習と本番のギャップを軽減することができます。先ほどもお伝えしたように、常に本番を想定することがとにかく重要です。

働きながら税理士試験勉強をするときに注意すべきこと

働きながら税理士試験勉強をするにあたって、いくつか注意しておくべきポイントがあります。順に説明していきます。

税理士試験勉強をしやすい環境かどうか

働きながら税理士試験の勉強をするにあたって、その支援環境があるかどうかは重要なポイントです。具体的な支援環境としては以下のようなものが挙げられます。

・試験日前の1週間、試験休暇を取得できる
・残業時間を勤務後の学校通学に合わせて調整できる
・試験に合格したら、勉強にかかった費用の一部を補助される

中でも試験休暇が取れるかは、試験前の追い込みの量を左右するので、非常に大事です。
また他にも、その勤務先に同じように税理士試験勉強をしている従業員がいれば、勉強仲間ができることにも繋がるのでよいでしょう。

勉強の質の担保

税理士試験の勉強をするにあたって、目安の勉強時間とスケジュールから逆算して、1日に必要な勉強時間を決めていくのが一般的です。それ自体は全く問題ないのですが、仕事の後に勉強する場合はどうしても集中力が落ちたり、問題を解くペースが遅くなったりするので、注意が必要です。
働きながら勉強をする際は、その質の担保にも意識をしておきましょう。

体調管理

特に直前期後半において、試験日までの体調管理はある意味、最も大切なポイントと言えます。
特に人の密集しやすい会社の飲み会ライブ会場テーマパークなどは、この時期に行かないのが手堅い策でしょう。働きながら勉強している場合は、仕事関係などで人付き合いするケースも発生するため、断れるものは断るのが無難です。

税理士試験は例年8月に行われるのでインフルエンザにかかる可能性は低いものの、コロナウイルスの感染や食中毒などのリスクもありますので、細心の注意をして、1年の勉強が台無しにならないようにしましょう

勉強しやすい環境で働くために

税理士試験に合格したいけど仕事も続けたい、という方は多くいらっしゃいます。どこで働くとしてもその実現は不可能ではありませんが、先ほどご紹介したような資格勉強支援を推進している職場で働けば、よりその両立がしやすいでしょう。

そのような支援環境は、税理士事務所税理士法人で実現できるケースが多いです。なぜなら、同じ税理士試験を合格した税理士が所長を務めているからです(試験合格しないで税理士になる場合もあります)。
今後も試験勉強を続けていく予定の方は、士業・管理部門特化の転職エージェント「ヒュープロ」を活用して、そんな環境の職場への転職を実現しましょう。特に税理士業界は12月以降繁忙期に入ってしまい採用活動が鈍化しますので、試験後すぐから転職活動を始めるのがオススメです。

まとめ

今回は税理士試験の直前に何をすべきか、働きながら勉強する場合はどんなことに注意すべきかという部分について解説していきました。税理士試験は難関資格ではあるものの、5科目を1科目ずつ分けて取得することが出来る科目合格制が特徴の一つとしてあります。それを活かして働きながら1科目ずつの合格を目指すという方でも、ご紹介したようなポイントを留意いただくことで、最短ルートでの合格を実現できるでしょう。

この記事を書いたライター

株式会社ヒュープロにてオウンドメディア「Hupro Magazine」のディレクション、セミナーの運営を担当。年間500本以上の記事を監修しています。アドバイザーとして多くのご登録者様から伺った転職に際しての悩みや不安、疑問を解消する記事をご覧いただけるよう、日々奮闘中です!士業や管理部門、FASなどの業界に就職・転職をご検討されている方は、ぜひ業界特化の転職エージェントである、「ヒュープロ」をご活用ください!
カテゴリ:資格試験

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