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保険料の勘定科目は?具体例を使って徹底解説!

HUPRO 編集部
保険料の勘定科目は?具体例を使って徹底解説!

会社や個人事業主が業務上の資産などに関連して支払った火災保険や損害保険、自動車保険などの保険料は『保険料』『支払保険料』などの勘定科目を使って記帳して、支払時の費用として処理します。本記事では、どのような保険料が経費にできて、経費にする時はどのように帳簿に付けてればよいのかをご紹介します。

保険料とは?

保険料とは、期間が1年以下の、役員や従業員を被保険者として掛け捨てで支払う生命保険や損害保険などの保険料(掛金)を処理する費用勘定のことを言います。また、保険料は支払保険料とも言います。

保険料の具体例

保険料として処理をするものとしては、具体的には、次のようなものがあります。

《生命保険》
・定期保険の保険料
・終身保険の保険料
・養老保険の死亡保障部分(掛け捨て部)の保険料
・逆養老の保険料の半額
《損害保険》
・傷害保険の保険料(傷害保険料)
・火災保険の保険料(火災保険料)
・地震保険の保険料(地震保険料)
・自動車保険の保険料(自動車保険料)
・強制保険(自賠責保険)
・任意保険
・運送保険の保険料(運送保険料)
・盗難保険の保険料(盗難保険料)

生命保険

生命保険は、保険の種類や受取人の違いなどで仕訳や処理方法が異なります。
ここでは、一般的な「養老保険」「定期保険」「終身保険」を見ていきます。

養老保険

養老保険とは、生命保険のうち一定の保障期間を定めたもので、満期時に死亡保険金と同額の満期保険金が支払われるものをいいます。

【例】
死亡保険金は役員・従業員の遺族が、生存保険金は法人が受け取る契約の養老保険20,000円を普通預金で支払った場合。

定期保険

死亡保険金は役員・従業員の遺族が、生存保険金は法人が受け取る契約のため、1/2を資産計上、1/2を経費にします。資産部分は「保険積立金」などの科目で仕訳します。

定期保険

定期保険とは、生命保険のうち保障期間を契約時に定め、契約終了時の返戻金のないものをいいます。「掛け捨て保険」とも呼ばれています。
【例】
定期保険10,000円を普通預金から支払った場合。

終身保険

定期保険は、支払金額の全額が経費になります。定期保険には、この他に、定期付養老保険や長期平準定期保険、逓増定期保険などがありますが、これらは取り扱いが異なります。

終身保険

終身保険とは、生命保険のうち契約期間の終了がないものをいいます。
【例】
死亡保険は法人が受け取る契約の終身保険10,000円を普通預金から支払った場合。

終身保険

死亡保険金は法人が受け取るため、「保険積立金」などの資産科目で仕訳します。保険の種類や受取人の違いにより仕訳や処理が異なります。

損害保険

損害保険とは、事故や火災などのもしもの時に備えて加入する保険のことです。代表的には、「火災保険」や「自動車保険」などがあります。
ここでは、損害保険料を支払った時の帳簿の付け方について、いくつかのパターンを見ていきます。

全額経費にする時

全額経費にする時

事業用で事務所や自動車などの損害保険を契約していて、全額を損害保険料として経費にした場合は上のようになります。

家事按分して一部を経費にする時

先に数年分をまとめて支払った時

「損害保険料」は、経費として支払った分。「事業主貸」は、事業主のために支払った分で経費にはしないことを意味します。

先に数年分をまとめて支払った時

先に数年分をまとめて支払った時

例えば、火災保険料を2年分(1年15,000円×2年=30,000円)払ったとした場合、今年の保険料はその年の確定申告で経費にできますが、翌年の保険料は翌年経費にすることになります。

そして、次の確定申告で経費にする時には、この前払費用から損害保険料を払ったという仕訳をして経費にします。

先に数年分をまとめて支払った時

保険金を受け取った時の勘定科目は?

保険金の受け取りの勘定科目は「雑収入」です。加入している保険から保険金を受け取った時は、勘定科目「雑収入」の収入取引を登録します。
受け取った保険金を従業員に支払った場合は、勘定科目「福利厚生費」の支出として処理するのが一般的です。
なお、「保険料」という勘定科目もありますが、これは支払保険料を処理するための勘定科目ですので、収入取引には使用しません。注意しましょう。

この記事を書いたライター

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