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現場目線で働き方を変え、「時代に負けない税理士」を生み出す税理士法人ユナイテッドブレインズとは

HUPRO 編集部
今回お話を伺った税理士法人ユナイテッドブレインズ

電子帳簿保存法やインボイス制度が導入されることで会計業界にもようやくデジタル化に対応する流れが出てきました。しかし、これほどまでに保守的な業界の中で20年近く前から「ITの積極的な活用がビジネスを変える」と確信し、いち早くIT化を業務の中に取り入れてきたのがユナイテッドブレインズです。
IT、DXそしてAI、目まぐるしく変わり続ける時代の流れやニーズに柔軟に対応しながら、常に新しいシステムや仕組みを率先して取り入れ続けてきたことで、社員の働き方はどのように変化したのか。今回は代表社員である土屋一郎さん、桑島良輔さん、スタッフの遠藤貴之さんにHUPRO編集部が伺いました。

法人税から資産税まで幅広く経験できる環境と安心のサポート体制

ーまずは自己紹介もかねて、皆さんの経歴から現在に至るまでの業務について教えてください。

土屋:私は元々、新卒で別の会計事務所に入所していました。そこで3年ほど働きながら税理士資格を取得し、その後、ユナイテッドブレインズに入社しました。入社後2年ほど経ってから役員となり、現在は代表社員をしております。現在の業務は会社方針の決定やマネジメントが主となりますが、担当もいくつか持っており、プレイングマネージャーとして働いております。

桑島:私も同じく他の会計事務所を2つほど経験してからユナイテッドブレインズに入社しました。入社後は主に土屋とペアを組み巡回や決算業務、資産税の仕事をしていました。現在はいくつか担当を持ちながら、マネージャーとしてスタッフのマネジメントなどを行っております。

遠藤:私は大学を卒業してから新卒で入った会計事務所で7年ほど働き、そこで決算業務と資産税を担当しておりました。その後、不動産会社に転職し保険営業を経て、ユナイテッドブレインズに入社しました。現在スタッフとして30社程度担当を持ち、巡回と決算業務そして年に何件か相続の案件を担当しています。

Aさん:私の場合は皆さんとは少し異なり、前職は家電量販店で2年ほど販売員をしておりました。もともと大学の時から会計には興味があり、簿記の資格も取得していたのですが新卒で会計業界に入ろうとは思いませんでした。ただ、転職を考えた際に、資格を取得して手に職をつけたいと考え、未経験から入れる事務所を探してユナイテッドブレインズに入社しました。現在は3年目で、遠藤と同様、スタッフとしてクライアントの巡回や決算業務を中心に行っております。

ー事務所の雰囲気はどのような感じでしょうか?

遠藤:税理士事務所というと年齢層が高く、固い印象を持たれる方も多いと思いますが、うちは若いメンバーが多いので、どちらかというと比較的カジュアルな雰囲気です。やりたい仕事があれば手を挙げやすく、非常に風通しが良い事務所ですね。

Aさん:新しいことやチャレンジしたいことに積極的に挑戦させていただける環境だと思います。実際に私自身も以前から興味のあった相続の案件に自分からやりたいと手を挙げ、担当させてもらえた経験があります。もちろん初めての資産税でしたので、わからないことだらけでしたが、先輩たちのサポートを受けながら、申告まで担当しました。

ー遠藤さんは他の会計事務所で働いていたと思いますが、ユナイテッドブレインズに入って感じた違いはなんでしょうか?

遠藤:業務のスタイルが違いますね。以前いた事務所は業務が分担制で細かく分けられており、巡回と決算業務を完全に切り離し、それぞれ専門の部署が対応するという業務フローでした。現在は巡回から決算まで基本的には私が全て担当するので、そこは前の事務所と大きく違うところですね。そういう点では幅広い業務に携われていると思います。

ーAさんさんは転職されてどう感じましたか?

Aさん:私の場合は他業種からの転職だったので、最初は全くわからないことだらけでした。前職では家電量販店に勤めていたこともあって、ZOOMやLINE WORKSなど一般的なシステムやツールに関しては問題なく対応できたのですが、会計ソフトなど業界独自のシステムは慣れるまでに少し時間がかかりました。ただ、半年ほど先輩たちに付いてサポート業務をさせていただき、そこで色々と教えてもらいながら業務の基礎的な流れを学び、2年目からは少しずつ担当を持てるようになりました。

ー未経験で入社される方はAさんのように先輩に付いて仕事を覚えていくのでしょうか?

土屋:そうですね、新卒の方や未経験者の場合、まずは1年程度は先輩に付いて回り、サポート業務をするのが基本です。税理士の業界は1年サイクルなので1年付いて回れば大まかな仕事の流れがわかります。2年目あたりから一人でできるところは任せて担当を持ってもらいます。ただ、少し難しい案件や経験が必要な業務の場合はマネージャーや先輩とペアを組み、サポートを受けながら仕事を覚えていきます。そして、3年目あたりでようやく自分が主体となって動くようになるという流れです。ですから、うちで3年働けば最低限の基本的な業務は対応できるようになります。

ーそれは月次業務だけでなく、相続の案件も担当できるようになるのでしょうか?

土屋:月次業務を3年も経験するとそれに付随した相続の話は出てきます。相続の案件が出てきた場合は、担当する先輩やマネージャーと組み、サポートをしながら仕事を覚えていきます。そして、サポートを何度か経験し余裕があるならば、簡単な案件を担当し申告書作成まで対応してもらうようにしてますね。うちは法人だけでなく相続も満遍なく経験させますので、早い段階で幅広い業務スキルが身につくと思います。そういった形で4、5年も経験していくと、部下が付くようになります。4年目以降は部下に仕事を任せたり指導しながら、マネジメントのスキルを身につけていく。このような流れで、おおよそ10年で一区切りという形でキャリアプランを考えています。

ー毎年仕事の内容がアップデートされていくんですね。

土屋:私たちとしてもスタッフに成長実感を持って働いて欲しいと思っております。常に同じ1年を過ごすのではなく、できるだけ新しい経験が身につくよう仕事を配分するよう気を配っています。

徹底した時間管理で資格試験の勉強時間を確保

ー現在、税理士資格取得に向けて勉強されている方はどのくらいいるのでしょうか?

桑島:資格取得に向けて勉強している方も多くいます。私自身も入社して働きながら資格を取得しました。やはり何か目標を持ちながら仕事した方がやりがいもあります。事務所としても資格取得を推奨しています。

ー資格支援のための制度があるのでしょうか?

土屋:科目合格した方には報奨金が出ます。また、うちは定時を17時にしていますので、専門学校や大学院に通学しやすい働き方ができるようになっています。

Aさん:実際に私は専門学校と大学院の両方に通いながら仕事をしていますが、どちらも問題なく授業に出席しています。仕事と勉強を両立させるという点で時間はきちんと確保できています。

ーみなさん資格の勉強をしながら働いているとなると、時間管理が重要な課題になると思うのですが、実際いかがでしょうか。

桑島:時間の使い方に関しては昔から土屋がかなり力を入れておりまして、スタッフも無駄な仕事に時間を使わないよう、時間管理は意識していると思います。私も土屋とペアを組んでいた時に「やるべきか・誰がやるべきか・いつやるか」この3原則を意識しながら仕事をするよう徹底的に叩き込まれました。

土屋:うちである程度担当を持つようになり、それを一人でこなすとなると業務量は膨大になります。仕事を覚えている段階であればそれでも良いですが、マネジメントする側になるのであれば他の人に振るべき仕事と自分がやらなければならない仕事は分ける必要があります。例えば入力は必要な仕事ではありますが、自分ではなく他の人に任せてもいい仕事です。3原則に当てはめるならば「誰がやるべきか」に引っかかる。ならば、入力は他の人に振り、自分が本当にやらなければならない仕事に集中する。限りある時間の中で自分の仕事の消費価値を最大限に高めるのであればこれは必須の業務スキルです。なので、そういった時間の使い方に関してはペアを組んでいる時に桑島にしっかりと身につけてもらいました。

ーそのような徹底した時間管理に対する意識や工夫が勉強時間の確保やスキルアップに繋がっているのですね。他にもプロアイスホッケー選手がデュアルキャリアで働いていると伺いました。さまざまな働き方に対応しているんですね。

桑島:横浜GRITSに所属している泉です。土日に試合をこなし、平日は午前中に練習をして午後出社するというスタイルで仕事をしています。デュアルキャリアを応援したいということで、新しい試みで採用しました。彼はタイトなスケジュールの中で税理士資格の勉強も頑張っています。

ーそれはすごいですね。

桑島:時間を意識するというのはもちろん勉強時間の確保という面も大きいですが、他にも家族との時間であったりアフターファイブなど、仕事以外の時間をしっかりと確保して充実した生活を送ってもらい、人間性を高めて欲しいというのが会社としての方針です。

IT・DXの徹底活用が業務効率化とスキルアップを両立させる

ーIT化やDXが進んでいると聞きましたが、具体的にはどのようなことを行っているのでしょうか。

遠藤:さまざまなツールを利用していますが、一番大きな点として挙げるのであれば通帳や証憑の入力ですね。会社自体が入力をしない方針なので、通帳などは基本的に画像からの取り込みで進めています。弥生会計の中でそのようなサービスがあるので、会社としてマストで使っています。

ーやはりその様なIT化の取り組みは効率化につながっていますか?

遠藤:正直、入力がないというだけで仕事の時間の使い方はだいぶ変わりました。このようなシステムがなかったときは、パートの方に入力をお願いしていましたが、それでも間に合わない時があり、その時は残業して自分で入力していました。今はそのようなことがなくなりましたから、私たちは数字を見るということに比重を置いて仕事ができるようになりました。

ー効率化したことで業務の質が上がったということでしょうか?

遠藤:そうですね。私たちの仕事で一番重要なことは顧客と向き合うことですから、そこに時間をしっかりとかけられるようになったのは非常に大きいと感じます。また他にも、オリジナルツールを使った資料作りの導入も非常によかったと感じます。昔は月次訪問する際に担当者が会社ごとに独自の資料を作っていたのですが、こういった資料を全て統一したのです。
担当者が独自に作った資料は一見顧客に寄り添った対応に感じますが、実際には担当者しかわからないことも多く、他の人が一目で理解することが難しいケースが多い。そのため、資料作りは全て統一し、現在は全員が同じツールやフォーマットで資料を作っています。
これだと数字もすぐに把握できるため、担当者も顧客も誰が見てもわかりやすく、全員が資料の内容を理解できます。そのため気になる点があればすぐに指摘できますし、他の担当者に引き継ぐ際や上司への報告もスムーズで効率的です。担当者としても顧客への提案やアドバイスもより的確になりますし、業務の質が上がり非常にメリットは大きいと感じます。

ーこのような新しいシステムや仕組みを一般的な業務の中に導入していくことはそれほど簡単ではないと思うのですが、会社としてそのような考え方や文化、土壌のようなものがあったのでしょうか?

土屋:それはありますね。もともとグループ代表の小林が「ITがビジネスを変える」と早い段階から考えていたので、それが大きいのだと思います。例えば通常、社内稟議などは紙に起こして、上司がその紙に印鑑を押して決済していく、この流れが一般的だと思います。しかし、私が入社した15年以上前の時点でそれが全てネット上で完結できるフローが出来上がっていました。

桑島:そういえば、私が転職して一番最初に驚いたのがタイムカードがないことでしたね。勤怠管理はネットでポチッと押すだけでしたから。最初に出勤した時には驚きました。

土屋:15年前の段階で社内イントラ(企業内のネットワークシステム)が既に構築されていたので、勤怠管理などもタイムカードではなくイントラ内で全て管理できるようになっていました。そのような基盤がもともとあり、それが当たり前だと思っているから、さらに先の対応を考えることができるのかなとも思います。

ーかなり早い段階からIT化が進んでいたんですね。先ほどシステムの導入による業務の効率化についてお話を伺いましたが、遠藤さんは実際に残業時間などが減った実感はありますか?

遠藤:以前に比べて残業時間は減りましたね。もちろん繁忙期はそれなりに残業はありますが、平均すると月に20時間程度でしょうか。定時も17時ですし、担当しているクライアントの数を考えると残業時間はかなり少ないと感じます。同じ数を担当していても事務所によっては土日も出勤したり、倍以上残業しているところはあると聞きます。昔は訪問する際の資料は訪問直前に作りあげることが多かったのですが、業務効率化により時間が取れるようになったので、訪問時の資料作成も数日前には手元に用意できるようになりました。

土屋:時間を確保することはスタッフのスキルアップに繋がります。ITやDXの導入でそれが実現できるのであればスタッフだけでなく私たち経営側にもメリットがあります。スタッフの成長は最終的に会社全体の成長に大きく関わりますから、いいことしかありません。

ー確かにいいことづくめですね。ただ、実際に新しいシステムを導入するときにすんなりとみなさん受け入れてくれるのでしょうか?

土屋:そこに関してはスタッフ全体の理解が大前提として必要です。新しいシステムや仕組みを取り入れる場合、「やれ」とトップダウンで進めても浸透はしません。「なぜこのシステムを取り入れるのか?」「どうして必要なのか?」これをしっかりと説明し、全員がそれを理解し実行することで初めてシステムとして成立する話ですから。そのため、新しいシステムを導入する際には丁寧に説明をする必要があると考えています。

ー導入に反対されることもありますか?

土屋:ありますね。うちでは申告書を紙に印刷せずに、全て画面上でチェックして電子印で返すという流れにしているのですが、これを導入するときはさすがに反対が多かったです。私も含めみんな紙の申告書に慣れていましたので。ただ、そこも効率化につながるということをしっかりと説明した上で導入し、今では「やってよかった」とみんな思っています。全て画面上で完結できるので修正しても刷り直しをする必要がありませんし、どこでも作業ができるためリモートワークとの相性も良い、何よりも早いというのがメリットとして大きいです。

常に変化を意識する

ー今後業界全体でIT化やDXは必須になってくるとお考えでしょうか?

土屋:そうですね。かなり前からですがIT化だったりDXというのは、会計業界でも大きなテーマになっていると考えていて、そこは時代の流れに合わせて私たちも常に変化が必要だと思っています。

ーなるほど。会計業界にとっても昨今の時代の流れを読むというのは大事なのですね。

土屋:そうです。この10〜15年くらいの間で業界が目まぐるしく変化していると感じます。以前は「記帳代行から自計化へ」ということで、社内で帳簿をいかに完結させるかが効率化の鍵でした。しかし、今は様々なインフラが整ってきたことで自計化という言葉は薄れつつあり、人ではなくクラウド会計ソフトなどを利用し機械に作業を任せる「自動化」が主流になってきています。
さらに言うなら、今後はインボイス制度や電子帳簿保存法に対応していくための「デジタル化」そしてそのデジタル化したデータを「AI」が作業する。こういった流れは必然であり止めることはできません。ですので、私たちがすべきことは今後どのような流れになっていくのか、先の状況を常に予測しながらやり方を変えていくということだと考えます。

ー1つのスタイルを完成させるより、変化していく方が望ましいということでしょうか?

土屋:時代の流れによる変化は絶対にあるので、そこに対応していくことを一度でも止めてしまうと、確実にその流れについていけなくなります。だから、うちは完成させるのではなく、時代の流れに合わせて常に変化していくスタイルが望ましいと考えているのです。もちろん変化は誰にとっても脅威です。ただそれは大きなチャンスでもあると考えていて、そのチャンスをどう生かすのかという部分が一番大事だと思います

ー本日は貴重なお話をいただきまして、誠にありがとうございました。

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