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私たちひとりひとりが作り上げていくキャリアと働き方。人材が「適材適所」で活躍するOAG税理士法人大阪

HUPRO 編集部
私たちひとりひとりが作り上げていくキャリアと働き方。人材が「適材適所」で活躍するOAG税理士法人大阪

男性の割合が圧倒的に多いとされる税理士業界。日本税理士会連合会が行った調査によると、女性税理士の割合は14.4%(2016 年の登録者数の割合)で、そのことを裏付けています。OAG税理士法人は、女性管理職の割合が39.4%、2021年度に採用した女性の割合は50%(いずれも同法人「女性活躍推進に関する情報公表(2022年1月 31日時点)」より)であるなど、女性が元気な職場です。同法人の大阪事務所で活躍する女性税理士の八津谷圭井子さん、 大北裕子さん、前田恭子さんに、税理士としての働き方や職業観などについてヒュープロ編集部が伺いました。

「大学院から税理士へ」「30代になってから税理士資格の勉強始める」さまざまなバックグラウンドの人が集う

━皆様、税理士になった経緯はさまざまだそうですね。自己紹介を兼ねて、どのような経緯で税理士になったのか聞かせてください。

八津谷:私は10年、総合商社の子会社で貿易事務をやっていました。親会社の正社員と一緒に働きつつも、キャリアや年収にどんどん差がついていきました。キャリア採用の人と入り口が全く違う一般職採用だったので、当然ではあるのですが。

ひと通りのことをやり終えたと感じ、転職を考えたときに、経理関係の資格を持っていると転職しやすいかなと考えました。当時、簿記 2 級に合格して意気揚々と「経理の仕事をしたくて転職します」と言って退職しようとしたところ、当時の上司に「それなら、『税理士を目指すぞ』くらいのかっこいいこと言って辞めてよ」と言われました。

「そうか、税理士か、簿記2級受かったら税理士いけるかな」程度の認識しかありませんでした(笑)。当時は、税理士試験が毎年8月、年に1回しかないことすらも知りませんでした。そのような状況下で試験勉強を始めましたが、たまたま 30歳を過ぎて未経験でも勉強中の人を雇ってくれる個人の小規模な会計事務所がありました。そこで働きながら専門学校に通うなどして、資格取得に励みました。

その後、別の会計事務所を経てOAGに入社してまる7年になります。入社面接時に、「どん な方が働いていますか」と質問をしたところ、自分より年上の女性税理士が二人(当時)いらっしゃると伺い、就職を決めたという経緯があります。

大北:私は、大学院出身の税理士登録者です。大学院在学中に、簿記専門学校主催の就職面談会で見つけた会計事務所にアルバイトで入社し、そこから正社員登用されて働いていました。そこでの仕事は個人向けの資産税を得意とするコンサルティング要素が強かったのですが、相続税申告の経験値を高めたいと思ったのと、税理士としてきちんと法人関連の業務もできるようになりたいと考えていたので、OAG に入社しました。

前田:私も八津谷同様、税理士を目指して勉強を始めるようになったのは、30歳を過ぎてからです。それまでは、まったく畑違いの場所にいました。新卒で就職したのは文筆業の方の個人事務所で、そのあとは出版社で庶務の仕事が中心でした。
編集者と呼べるまでの仕事をしていたわけでもなく、そのときに「私、なんか気を遣ってばかりいて頭を使っていないな」 と思ったのがきっかけで、資格取得を目指し始めました。

OAGに入社する3年ほど前に、税理士試験5科目に合格しました。ただ、税理士としてす ぐに働き始めたわけではありません。資格を持っていただけで、自信がなかったのです。別の会計事務所でパートとしてひと通りの業務も経験したのに、税理士としてやっていける自信が湧いてこず、悶々と過ごしていました。
しかしこのままではいけないと感じて、OAG東京ウエストに入社しました。しかし自信のなさもあって、入社時には、パートでの採用を希望したという経緯があります。

OAGに入社して9年が経ち、夫に帯同して東京から大阪に異動して約5年になります。大阪に来てから正社員になりました。現在は相続税の申告業務に付随する財産評価や業務フローの構築が主な役割です。財産評価、特に不動産評価業務は税額を大きく左右する部分ですので、慎重に、時には外部税務顧問の指示を仰ぎながら業務を進めています。

働きながら、「ありたい私」に近づいていく

ー前田さんは、資格取得後も自信がなかったとのこと。家事との両立が心配だったのでしょうか。

前田:それもありますが、やはり自分の能力に対する自信の無さが、大きく影響していたと思います。パート時代も含めてまる9年、ひたすら業務に打ち込んだ結果、やっと自信につながってきたのだと思います。

税理士になる前に「気を遣ってばかりで頭を使っていない」と思っていましたが、いまは頭を使うと同時に気も遣っています。気遣いができるというのは、自分の長所なのかもしれないと思えるようになりました。

税理士業務は、杓子定規に行かない場面がたくさんあります。そのような状況で気遣いが役に立つこともあります。少し語弊があるかもしれませんが、女性は気遣いができる人が多いという印象を持っています。そういう意味では、悩んでいた時代も無駄ではなかったかな、と今は思えます。

ー大北さんは、お三方の中で最年少です。人生設計などについて、考えていることはありますか。

大北:将来的に、結婚や出産のイベントがあった場合にも仕事を辞めるという選択肢は考えていないので、両立して働いていくイメージを描いています。これまでも仕事において、挑戦してみたいことに手を挙げて任せてもらったり、一方で、難しいときは会社側に相談に乗ってもらったりしてきたので、自分の私生活において変化があったとしても会社が受け入れてくれる準備があると感じますし、もちろん制度も整っています。

━大北さんがそのように感じられるのは、仕事を行う上で会社側とうまく対話ができてきたことの表れだと考えていいでしょうか。

大北:はい。私がOAGに転職したのは、相続税申告の経験をさらに積むと同時に、事業法人 の顧問を多くこなしていきたいと考えたからでした。こうした希望を会社に伝えたことで、 たくさんチャンスを与えてもらい経験値を高めることができ、OAG に入社して良かったと感じています。

「こうあるべき」から「適材適所」へ 自社も私も変わり続ける

ー女性が働く職場としてのOAGの強みを教えてください。八津谷さんは、OAGで働くことを決めたときに、年上の女性税理士がいらしたことが決め手になったとか。

八津谷:はい。私は経験豊富な方と一緒に働きたかったので、50代(当時)の女性の方がいたことは大きな決め手となりました。とてもテキパキした方で、質問したら直球で答えてくれるような方だったので、とてもありがたかったです。彼女の背中を見て、「ああ私も頑張らなきゃ」と思いました。

一方で、以前のOAG(大阪)には、社員は全員外に出て、コンサルタントとして何十人もの聴衆の前でプレゼンができて当たり前だ、外にたくさん出て行かなくちゃいけないのだ、という風潮がありました。

━税理士として「外に出ていく」とは、どういう意味でしょうか。もう少し詳しくお話いただけますか。

八津谷:税理士に限らず正社員はオールマイティ、つまり社内の業務、お客様への説明や提案はもちろんのこと、そこにとどまらず不特定多数の方々へもアプローチできるコンサルティング力まで求められる傾向がありました。しかしそのことが、正社員のハードルを上げてしまっている面がありました。

でも今は性別に関係なく、適材適所で働く人が多く、仕事が効率的に進められています。家庭の事情で夕方5時に仕事を切り上げて退社するという働き方をしているスタッフもいます。その場合、内勤のデスクワークが中心です。
たとえば将来、私が親の介護に関わるようになったとしても、内勤の時短などで対応してもらえるよう、相談しやすい環境になっていると 思います。

逆に外へ外へと活動の場を広げ、コンサルティング業務や企業向けのセミナー講師など引く手あまたに活躍しているスタッフもいます。
今は、以前に増して個性が輝く組織に変わりつつあると感じています。

━こうした変化が起きたのは、なぜだと思いますか。

八津谷:会社の規模が大きくなり、扱う業務内容の幅が広がったことや、スタッフが増えたことが大きいのではないでしょうか。全員が外に向いているだけだと、会社組織としても機能しづらくなったのかもしれません。そうした流れで、現在の「適材適所」となってきたように感じています。さらに、役割分担が具現化してきて、以前より組織の輪がより大きく、 より強靭なものになってきています。もちろん、そのためには信頼関係がベースになりますので、雰囲気作りには常に気を配っています。相談できる環境作りもその一つです。

個人プレーで完結・評価される時代を経て、今はチームワークで、組織としてより高みを目指すために個々が奮闘するという構図です。もともと個々の経験値も得意分野もそれぞれですので、お互いに切磋琢磨し、情報交換を行うことは個人の成長にも繋がり、結果として会社組織も成長できる好循環が生まれています。

ー一般的な税理士事務所と比べて、女性が多い印象です。

大北:はい、私が入社したときの第一印象も、女性が多いということでした。前職は総務部門に女性が少しいるだけの男性社会でしたが、OAGは女性が多いので、フロア全体が明るい印象です。

また、関連会社が同じフロアで業務を行っていますので、たとえば給与計算に関わる部分で質問があれば、同じグループの社労士法人のスタッフにフランクに質問に行ける環境です。 この点は、業務において安心できる面です。
OAGグループとしては年1回、グループ全体が集まって交流できる機会があります。こうした機会があることで顔の見える関係になっているので、たとえば大阪で経験したことのない特殊な事例に遭遇した際に、経験のある東京事務所のスタッフに直接相談できる関係が構築できています。

八津谷:そうですね。男女の区別がなく皆が明るくて、新しいことも好き。威圧的な人がいないので、税理士の業界にありがちな男性社会のような雰囲気を感じることはありません。 意見を言いやすい職場だと思います。また、働き方についてもフレキシブルに対応してくれ ます。前田がパートのまま東京から大阪に転勤してきたことも、その一例です。

これからの働き方を、ともに作っていこう

━今後のお仕事の展望をお聞かせください。

大北:今後は、法人の事業承継をたくさん手掛けたいと思っています。たとえば相続関連業務では対象は個人であることが多いのですが、たとえば中小企業のオーナーの方の相続が発生するような場合は複雑な対応が必要になります。そのような場合にも、さらにスムーズに対応できるようになりたいです。

八津谷:大北は入社後すぐに戦力になって、頑張ってくれています。大北がOAGを選んだ決め手は、私が迎えに行ったからだと聞いていますけれど、嘘ではないよね(笑)。

大北:面接は、仕事帰りに合わせた時刻を設定してもらっていたので、訪問した時間帯はす でにビルのドアが閉まっていて入れませんでした。困ったので電話をかけたところ、「迎えに行きます!」という元気な声が電話口から聞こえてきました。数分後に八津谷がエレベーターから走り出てきてくれた瞬間を、鮮明に覚えています。いい意味でラフな感じで(一同、笑)。

八津谷:大北はいまや当社のエースで、みんなが「来てくれてありがとう」と思っています。 その時の私、「すごいグッジョブ!」って勝手に思っています(笑)。

━前田さんは仕事をこなす中で、どのようにして自信を積み重ねてきたのでしょうか。

前田:私の業務の中に、パートの皆さんを取りまとめる役割があるのですが、この経験が大きいかもしれません。パートの皆さんに、より良い働き方をしてもらえるよう配慮しつつ、 成果につなげていくことで、私自身も少しずつ自信をつけていったという感じです。

現代は、働き方そのものが日々、更新されている状態だと思います。そのような中で、皆さんの力を借りながら業務をうまく回し、どう次につなげていくのかが重要になっています。私はそのことをずっと、考えてきました。

━働き方が「日々、更新されている」とおっしゃいました。このことは、働く人にとって良くなっているという意味でしょうか。

前田:はい、その通りです。家庭と仕事の両立が大変なことに変わりはないかもしれませんが、少なくとも昭和の頃のような働き方ではなくなっていますし、一定でもなくなっています。
個々の働き方が尊重されることは個人にとって良い方向だと思いますが、同時にいかに業務を効率的に行うかの責任を負っています。

そして、パートの皆さんはこのような大きな変化の中で、ご家庭のことを切り盛りしながら当社で働いてくれています。そのことを常に意識しつつ、大きな変化の波に乗り遅れないように、知識や情報を更新しながら、私も一人のスタッフとして会社を盛り立てて行けたらいいなと思っています。

━能力はあっても、「自信がない」と感じている人は少なくありません。何か、メッセージをいただけますでしょうか。

前田:とにかく仕事をこなす日々が血となり、肉となります。そのことに尽きます。まる9年、パートと正社員としてひたすら目の前の業務や課題に取り組んだ結果、今はそう言えます。OAGには、スタッフの成長をあたたかく見守る土壌が、あると思います。

ー本日は貴重なお話を伺い、ありがとうございました!

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