「売り手よし、買い手よし、世間よし」の三方よしを社名に掲げるトリプルグッドグループ。その名に違わぬサービスを提供すべく、ITによる効率化を進め、付加価値の高いサービスを世の中に提供してきました。さらに、幅広い業界から人材を採用しつつ、高い定着率を保っています。
その秘訣はどこにあるのでしょうか。トリプルグッドホールディングス執行役員として活躍しつつ、子育て中の親でもある同法人役員の原川健氏、波多野亮氏、柴田志穂氏の3名にお話を伺いました(以下、敬称略)。
ー入社当時から現在に至るまでの業務について教えてください。
原川:16年ほど前に入社しました。最初はお客様対応ばかりでしたが、3~4年目頃、組織が急成長したのでマネジメントを担当するようになりました。ここ10年は役員業務を行う他、組織とチームの運営や営業の管理が中心です。税務調査対応も行っております。
波多野:15年ほど前に入社しました。私も原川と同様、組織拡大に伴い途中から管理職になりました。窓口のお客様対応の部署や申告書作成の部署、申告書審査の部署のマネージャーを兼任していましたね。現在はトリプルグッドホールディングス執行役員として、社員の育成や全体のマネジメントに当たっています。
柴田:14年ほど前に入社しました。当時は顧客獲得のマーケティング担当とITのインフラ整備をしていました。現在は役員としてITやマーケティングの他、総務や人事といった管理部門も統括しています。
ー柴田さんは現在、役員という立場でご活躍の一方、小学校1年生のお子さんのお母さんでもあります。仕事と育児の両立は大変ではありませんか。
柴田:特に大変ではありません。本人の希望に合わせてフレキシブルに働ける環境が整っているからです。現在、時差出勤制度があるのですが、「8時-17時」「9時-18時」「10時-19時」のどれかから選べます。私は「子どもが小学生のうちは定時で帰る」と決めているので「8時-17時」の枠内で働いています。ただ、水曜日だけは子どもを学童保育にお迎えに行きたいので、16時半退社です。産休・育休も、希望を出せば100%取れます。実際、私もきちんと取りました。
ー「子どもが小さいときだけ時短で働きたい」というのも可能ですか。
柴田:可能です。働く時間だけでなく、分業化が進んでいるため仕事内容も工夫できます。税理士法人なら、決算書作成部門、顧客対応部門に分かれています。だから、事情に合わせて顧客対応部門から決算書作成部門に異動することもできるんです。「出産前は顧客対応の部門だったけど、復帰後は保育園のお迎えのため、時間の融通が利きやすい決算書作成の部門で働く」「前はフルタイムだったけど、子育てが落ち着くまでは週3日のパートタイマーで働く」と、多くの社員が柔軟に働いています。属人性の高い業務だと、こうはいきません。
ー子どもが急に熱を出したときの対応はどうしていますか。
柴田:基本、休みますね。そして、代わりのメンバーに対応してもらいます。当グループは、顧客情報をクライアントカルテで共有している上、業務が標準化されているので誰でもできるんです。会計処理や決算書作成の部門なら、誰かが代わりに行います。顧客対応も、上司を含めてチームで行います。サポート体制も整っているので、休んでも問題ないです。
波多野:この他、リモートワークでの対応も可能です。病気でなくても「保育園で感染者が出た」「濃厚接触者になった」などで出社できなくなることもありますよね。でも本人は「仕事がしたい」。そういう場合はすぐ在宅勤務に切り替えて、オンラインで打ち合わせにも参加することができます。
柴田:フレキシブルな働き方は、今の時代、とても大事ですよね。現在、人事も統括しているので、「働く母でもある役員」としていろいろ提案し、女性の働きやすい環境を整えています。実際に、何か事情があり本人が希望しない場合を除いては、女性の復職率は100%を誇っています。
ー税理士受験生の働く環境はどう対処なさっていますか。
原川:まず本人の希望を聞いています。当グループの職種には、お客様対応を中心に行う総合職と時間を区切って働く一般職、より柔軟に働くフレックスの3つがあります。「勉強時間を確保したい」「大学院に行きたい」というのなら「繁忙期でも残業しなくて済む一般職にしましょうか、それともフレックスにしますか」という話をします。その上で、周囲のサポートが受けられるようにしています。学費も一部支援していますね。
ー最近は、育児に参加したいパパも増えていますがどう対応されていますか。
波多野:こういった場合でも希望を聞きますね。男性社員でも「育児参加したいから一般職で働く」という人もいますし、育休を取った事例もあります。私自身は3人の子の父親なのですが、今年3月、有給休暇を取って子どもの卒業式に参加しました。他の社員にも勧めています。「奥さん、出産で大変でしょ?繁忙期であっても休みをとって帰ってあげて」とかね。あまりに休まないようなら「いい加減休みなさい!」と言ったり(笑)。「家庭と仕事の両立は当グループの基本方針だから」というのもありますが、仕事だけうまくいっても嬉しくないじゃないですか。
原川:同意見です。私も2人の子の父親なんですが、家庭が安定していないと仕事のパフォーマンスも上がりません。反対に家庭が安定していると仕事の生産性も上がります。考え方や姿勢は環境一つで変わるものです。 それに、仕事は人生のいろいろある要素の一つじゃないですか。人生全体がうまくいってはじめて仕事もうまくいくというものです。
ー現在、どれくらいITを活用していますか。
波多野:あらゆる場面でIT化を進めています。会計はマネーフォワードを活用。銀行口座やクレジットカードのデータを自動連携し、入力が不要になるようにしています。社内外のやり取りはチャットワークを活用し、いざというときは上司や他のメンバーがサポートできるようにしています。業務管理はキントーンやGoogleワークスペース、お客様との契約はクラウドサイン。あと、面談の8割はWEBになっています。他にもあるんですが、正直、使っているツールは数え切れません(笑)。
ーIT化の徹底で、かなり効率化が進んでいるんですね。
波多野:自動化できるところはどんどん自動化しています。創業者である実島を含め、ITによる自動化は時代の流れだと考えているんですよ。それに、単純労働から解放されれば、お客様とのコミュニケーションが増え、価値の高い提案業務に注力できます。パート社員も、スキルアップに時間を使えますよね。パート社員も、価値ある業務ができるようにステップアップしておいた方がいい。今後のキャリアにつながります。ITによる効率化で、キャリアアップを叶える環境整備をグループ全体で行えています。
ーITに強い人だと、活躍できそうな雰囲気ですね。ただ、すべての人がITに強いわけではないと思います。そういう人でもトリプルグッドグループで業務を行えるでしょうか。
波多野:問題ありません。当グループは入社後の研修が充実しています。ビジネスマナーや電話対応、社内の人事制度やコンプライアンスといった全社員共通の研修があるのですが、その中にIT研修もあります。あと、マニュアルも十分にあります。ただ、いろいろなアプリやツールに興味のある人や好奇心旺盛な人は、より楽しんで働けるのではないかと思います。
ー税理士業界では最近、ExcelやRPAに強い人が活躍するようになりました。そういった方は、トリプルグッドグループで得意を活かせますでしょうか。
波多野:もちろんです。むしろ、どんどん提案してほしいです。当グループは「改善についてはメンバー全員に権利がある」「発言や提案こそ貢献」と考えています。実際、ITに強い社員が入ってきたときは、彼の提案でいろいろ見直しもしました。今後入社する方についても、いいアイデアがあるなら、ぜひ出してほしいですね。
ー異業種の人材や未経験者も募集していると伺いました。
原川:その通りです。むしろ、異業種出身の方にこそ来てほしい。士業と言っても結局はサービス業です。税務の知識は大事ですが、お客様の気持ちへの配慮はもっと大事。「お客様にとって」という視点がなければ、知識があってもいいサービスは提供できません。同じ話も、言い方ひとつで変わります。「士業でもサービス業」「お客様第一」という意識のある人に来てほしいですね。異業種で働いてきた方なら、それができるんじゃないかと感じています。
ーそうは言っても、税務の知識がないと困るのではないですか。
原川:税務の知識は入社してからでも十分です。当グループは教育制度が充実していますから。税務の研修を受けてもらった後、口頭でテストを行います。なぜ口頭試験かというと「お客様にどう説明するか」を重視しているからです。マスターしていないものがあったら、再び研修とテストを受けてもらいます。
波多野:ロールプレイングも行いますね。「上司がお客様である社長の役をし、社員に質問をしたり、社員が決算書の説明をしたりする」という練習をするんです。基本編から応用編まで状況設定をし、繰り返しトレーニングをします。そうやって、知識や対処方法を身につけています。
原川:加えて、実際の面談前は必ず打合せを行います。そして、現場での相談で答えられないものがあったら、いったん社に持ち帰る。「1人で解決しろ」なんて言いません。「上司と一緒に考えてから、返答する」、これで対処しています。当グループの業務は、チーム対応です。難易度の高い事業承継や組織再編なら、役員など幹部がチームを立ち上げ、何度も会議を重ねます。チーム対応のおかげで、お客様にも安心していただけています。
ートリプルグッドグループは「人を大事にする」というのが特徴的ですね。
波多野:社外だけでなく社内でも「人を大事にする」ことが文化になっています。入社面接で前の職場の退職理由を聞くのですが、多いのが人間関係の悩みなんです。「上司とうまくいかなかった」とか。当グループは、それが全然ない。社員の悩みにすぐ対応できるよう、毎月、社員との個人面談をしているのですが、人間関係のトラブルはまったく聞きません。お互いを人として大事にできているからでしょうか。
ー先ほど「発言や提案こそ貢献」と波多野さんがおっしゃいました。IT以外でも社員の意見を取り入れているのでしょうか。
波多野:当グループは社員の意見を働き方に反映させることに注力しています。実際、社員の意見からいろいろ制度を作りました。例えば「ワークライフバランス手当」。「会社の近隣に住んだら、3万円手当を出す」という制度です。近くに住めば、通勤による時間ロスや体力のロスがなくなるんですが、若い世代だと家賃の問題で難しい。そこで、手当てを出して近くに住んでもらおう、というわけです。実際、この制度で近くに住んでくれる社員が増えました。
原川:あと、NO残業デーもありますね。月に4回、各自で残業しない日を決めて実行します。私たち役員も行います。やってみたら、みんな活き活きとした表情になりました。
ートリプルグッドグループは、働きがいのある会社ランキングで長年ランクインしています。これはなぜだと思いますか。
原川:年齢や役職に関係なく、人として尊重することにこだわっているからかもしれません。役員であっても新入社員に気軽に声をかけるのが当グループの社風です。毎月の面談の他に、年に2回、人事評価を行って、本人の希望を聞いています。こういった制度で一人ひとりの気持ちを聞くと、社員も「尊重されている」と感じるようです。
波多野:「働きがい」「働きやすさ」の両方が作用していると思います。働きがいの点では、本人から「こういう仕事を経験したい」という希望を聞き、人事に反映させています。「チャレンジできる」という環境を整えているわけです。働きやすさの点では、働き方の意見を聞き、それぞれの状況に合わせてフレキシブルに働けるしくみを整えています。働きがいと働きやすさの両方が、「ここで長く働きたい」って思える環境を支えていると思いますね。
柴田:余裕があるからこそ、社員を大事にできる環境を整えられている気がします。徹底したIT化とワンストップサービスに注力してきたおかげで、当グループは他との差別化ができているんです。だからお客様の紹介が非常に多いし、自然と売上が立つ。結果、社内環境の整備に手をかけられる。働きやすい環境が整えば、社員も定着し、よりよいサービスを提供できるじゃないですか。好循環が生まれていると言ってもいいかもしれません。
ー本日はお話を聞かせていただきありがとうございました。
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