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産休・育休制度の取得実績60名。女性が安心して活躍できる職場

税理士・税務ライター 鈴木まゆ子
産休・育休制度の取得実績60名。女性が安心して活躍できる職場

ベンチャーサポートグループではここ数年、特に力をいれて女性が働きやすく・活躍しやすい環境整備を進めてきました。現在、多くの女性スタッフが働き、なかには法人の役員として活躍している方も複数います。そして今後さらに女性管理職を増やしていく方針ということです。

今回、同グループの税理士法人、相続税理士法人、社会保険労務士法人、司法書士法人でそれぞれ活躍する平井さん、大星さん、本堂さん、田中さんの4名に、家庭と仕事の両立や役員になったときの心境、女性ならではの強みについて伺いました。

入社のきっかけは「職場の雰囲気」

―みなさんの現在の業務を教えてください。

田中:司法書士法人の代表役員を務めております。グループ内では、唯一の女性の法人代表です。社員のキャリアアップのサポートが中心ですが、「実務を俯瞰的に見つつ、マネジメントも採用も」という感じで仕事をしております。

平井:税理士法人の役員として、恵比寿オフィスに勤務しております。女性で税理士法人の役員となったのは、私が初めてかと思います。社内の女性のキャリアアップのサポートをすべく、全国のオフィスに赴いて、女性アシスタントに業務をレクチャーしたりしています。

大星:相続専門の税理士法人に勤務しております。入社当初、税理士法人にいましたが、キャリアアップを兼ねて異動しました。途中、2回産休を取り、現在、小学校1年生と1歳4か月の子どもがいます。また、産休中に税理士の資格を取得しました。
現在は相続税の依頼・相談窓口として、お客様対応を行っています。

本堂:社労士法人の役員を務めています。私も途中で産休と育休を取り、現在3歳の双子を育てています。復職後は時短勤務をしているため、顧客対応は他のメンバーに任せ、限られた時間を使って業務管理や採用教育、スタッフのサポートに当たっています。

―入社のきっかけは何でしたか。

田中: 6年ほど前、ベンチャーサポート司法書士法人で働く先輩から声をかけてもらいました。当時、前の事務所を辞めて独立司法書士として仕事をしていたのですがやはり大変で、そのため正直最初は「勤務司法書士をもう一度やってみるか」「給料がもらえればいい」くらいの気持ちで入社しました。キャリアアップしよう、なんてそんな気持ちは当時はありませんでした。

平井:私は、たまたま見つけて参加したベンチャーサポートの会社説明会で感じたメンバーの雰囲気ですね。登壇者も、受付のスタッフも、すごく気さくであたたかくて。

前に働いていた税理士事務所は、常に雰囲気が悪くて仕事の相談もしづらかったんです。質問すると「勉強しているの?」と言われるし、質問せずに間違えると「なんで聞かないの」と怒られるし。それがつらくなって転職活動をしたのですが、ここに入って正解だったと思っています。

大星:私はステップアップしたくて入社しました。以前は、小規模の会計事務所で働いていたんです。楽しかったのですが、税理士科目を4つ取ったあたりで規模の大きい事務所に行きたくなりました。切磋琢磨できる仲間が欲しかったんです。

本堂:ホームページに書かれていた「税理士業界のおかしい慣習を取り払う」というベンチャーサポートグループ代表の一言に心惹かれました。当時働いていた社労士法人は「トップの言葉は絶対服従」という雰囲気だったんです。それが苦痛だったので、目に留まったのかもしれません。入社面接では、前職で働いている時と違って自然体で話せました。合格通知後、「あの面接で採用してもらえたのだから自然体の私でいいということなんだ」と思いました。

「助け合い」で育児と仕事を両立

―育児と仕事の両立は大変だと思います。お子さんのいる大星さんと本堂さんは、どう工夫しましたか。

大星:スタッフの協力に甘えさせてもらいました。子どもが熱を出したら遠慮なくオフィスのメンバーに伝え、自分は子供の世話をして、自分がすべきだったその日の業務を他のメンバーにフォローしてもらいます。自分じゃなくても別の人間がいつでもフォローできるというサポート体制は整っていますね。

本堂:私も横浜オフィスの皆の協力を得ながらなんとか仕事と育児をこなしているという状況です。急に手伝ってもらうことがあるからこそ、他のスタッフがピンチの時はいつもの恩返しのチャンスと思って協力しています。

大星:仲間の協力はありがたいですよね。私は仕事が大好きでフルタイムで働いているんですが、夫も仕事が忙しいので育児のサポートはほぼありません。残業ナシでフルタイムの仕事をこなしながら育児も目一杯頑張れるのは、職場のみんなのおかげだと思っています。

―平井さんや田中さんは、管理職として、子育てスタッフのサポートについてはどう感じていますか。

平井:子どものいる方は、突発的な事情が生じる前提で採用しています。現在、恵比寿オフィスには子どものいるスタッフが6人います。時短勤務が2人、パートスタッフが4人。「息子が熱を出しました!」と、朝突然連絡が来たりしますが、他のメンバーで調整する体制が整っているので問題ありません。

田中:子育て中の仲間がいる環境は、後輩たちにとってプラスになると思っています。「多様性を認めるのがベンチャーサポートなんだな」と実感してもらえるじゃないですか。それに社員が休むのは、子どもの発熱だけではありません。社員自身が病気になることもあります。そう考えれば、大差ないんです。

平井:子育て中のスタッフのおかげで、業務効率をより意識するようになり感謝する面もたくさんあります。彼女たちの時間意識から生まれる効率的なやり方を、他のスタッフに伝授するとオフィス全体が成長します。

田中:余談ですが、女性だと「ご主人の転勤で引っ越さないといけない」「親の介護のために実家に帰る」ということもあると思います。ベンチャーサポートは、全国にオフィスがあるので、こういったケースでも転職せずに、希望転勤という形で済んだ方が過去何人もいます。

「女性役員になる」という選択

―役員になったきっかけを教えてください。

田中:私をベンチャーサポートに誘った先輩が独立開業することを決め、「後を託せるのは田中しかいない」と告げられて、代表を任せられることになりました。告げられた瞬間は、やる気よりもプレッシャーのほうが大きかったです。

でも、当時税理士法人ですでに役員を務めていた平井さんが助けてくれたんです。法人は違うのに、女性の先輩として愚痴を聞いてくれたり、色々教えてくれたり。おかげで気持ちが軽くなりました。今は「代表なんだから全部自分でやらなきゃ」なんて思っていません。司法書士法人、税理士法人…と法人の種類はありますが、お互い枠を超えて助け合っています。それがなかったら私はここで働いていないでしょう。

平井:私は突然、居酒屋に呼ばれて「役員やらない?」と言われました。びっくりしましたよ。考えたことがなかったから。他の代表を見て「絶対無理」と思っていたくらいです。役員になって最初1年は「何かしないと」と自分にプレッシャーを与えていました。

ただ、ベンチャーサポートは「1人で全部やるべし」という文化ではありません。色々な役割を持った人が集まって色々な意見を出し合っている。それを実感したら、気が楽になりました。今、恵比寿オフィスの代表ですが、得意なことやできることを「やりたい!」という気持ちで働いています。相談できる人もたくさんいるから不安はありません。

本堂:私は役員の打診を受けた時、最初は断ろうと思っていました。「子どもを産みたいのに、役員になったら迷惑かける」って。雇用保険を抜けるのも心配でしたしね(笑)。ただ、挑戦したい気持ちが強かった。それで役員になりました。

最初は「うまくやらなきゃ」とガチガチでした。でも、社労士法人の総代表や税理士法人の横浜オフィスのスタッフが協力してくれたり、相談に乗ってくれたりしました。おかげで気負いがなくなりましたね。

女性ならではの強みとは

―男性にはない、女性ならではの強みは何でしょうか。

田中:マルチタスクの能力ですね。複数の案件を同時進行するのですが、女性スタッフの多くは上手に管理しています。あと、対応がきめ細やかです。お客様に送付状を送るにしても、お手紙の書き方を工夫したり、一歩先の提案をしたり。

平井:女性の方が気づかい上手ですね。対応が丁寧ですし、一歩先の配慮ができます。女性がいると雰囲気が和らぐからか、ホッとした表情を見せるお客様もいます。女性の社長だと「担当は女性がいい」という人もいるくらいです。女性は共感してくれるからかもしれません。

大星:法人業務から相続業務になって以降、「女性で安心した」という声をよく聞きます。心配や不安を抱えているご高齢の個人のお客様は特にですね。「女性は質問しやすい」と感じるのかもしれません。女性の接客が受注につながることもあります。

本堂:現在、電話やメールのやりとりを中心に見ているのですが、接客は女性の方が上手です。文面の柔らかさやさりげない一言、声のトーンなど、ちょっとしたことがすごい。女性の方が、お客様一人ひとりに合う対応を考えて接客しているように感じます。

「働き方を自分で決められる」のがベンチャーサポート

―今後、どんな方向性を目指していますか。

田中:ベンチャーサポートで出会ったメンバー一人ひとりと向き合いたいです。「司法書士法人として日本一になりたい」なんて考えていません。それよりも、メンバーそれぞれの人生が豊かになるような手助けをしたい。やりがいや充実感を味わえるスタッフを1人でも増やしたいです。

平井:特に若いアシスタントの方に伝えたいのですが、仕事の価値を身につけてほしいです。今は「女性なら誰もが結婚して出産して」という時代ではありませんが、それでも「結婚して出産したら仕事は離れて」というのが一般的です。出産後、「仕事したい」と思ったときに、仕事の価値があれば選択肢が広がります。実務経験や知識はもちろんですが、同僚やお客様から感謝してもらえるような配慮やサポートをここで身につけてほしいですね。

大星:私がベンチャーサポートで得た幸せを、他の人にも感じてほしいです。法人税務での下積みから開始、産休を経てずっと爆走してきましたが、毎日楽しく働けるのはベンチャーサポートだからです。この幸せを他の女性たちにも体感してほしい。

実は私、産休に入るときに「帰っておいでね」と言ってもらえたんですよ。すごくうれしかったんです。産休中に勉強して税理士資格を取ったのは、そんな気持ちに応えたかった部分もあります。

本堂:今いるスタッフが常に挑戦できる環境を整えたいですね。私自身、周囲にチャレンジする環境を与えてもらって成長しました。それがすごくありがたかった。だから同じ取り組みを自分のオフィスでもやっていきたいんです。挑戦すれば失敗はあるでしょう。でも、それはみんなでフォローすればいい。

―最後に、ベンチャーサポートが気になる女性たちに一言お願いします。

田中:ベンチャーサポートは、色々なライフプランを受け入れています。「仕事を極めたい!」というのもOK、「アシスタントとして誰かの役に立ちたい」というのもOK。教育制度が充実していますし、キャリアアップの方法も様々です。「自分なりに仕事も人生も充実させたい」と思うなら、ベンチャーサポートはその舞台になり得ます。

平井:「女性だからできない」はベンチャーサポートにはありません。男女関係なく仲間になれますし、仕事も楽しめます。女性だって役員になれるんです。

大星:ベンチャーサポートは自由に働けるのが強みです。「あなたの気持ちを尊重しますよ」という風潮があります。時短で働くのもあり、私のようにフルタイムで爆走するのもあり(笑)。入社して、やりたいことを実現させてほしいです。

本堂: ベンチャーサポートは教育制度が整っているので、実務能力がしっかり身につきます。だから「どんなに遅くても21時には必ず退社」「土日出社なし」でも業務が回るんです。女性たちには、自分のペースで働きながら、スキルアップして挑戦してほしいです。特に、20代、30代の女性は、今のうちに能力を磨けば、出産後も仕事に戻りやすくなりますよ。

【参考 タイムスケジュール】

平井さんのスケジュール(フルタイム)

6:00 起床。
7:00 シャワー、ストレッチ。メイク後、出勤準備。 朝食はゆっくり取る。
9:00 出社。メール、チャット、スケジュール確認。
10:00 お客様と打ち合わせ。
12:00 ランチ。スタッフと会話する貴重な時間。
13:00 社内会議。社内事務や教育研修のほか、チームの業務調整を行う。
15:00 採用面接。
17:00 デスクワーク。月次決算の監査など。
18:00 退社。帰りにスーパーで買い物。
19:00 夕食準備。
20:00 フィットネススタジオに行き、暗闇ボクシングを楽しむ
21:00 帰宅。入浴、食事、洗濯。
22:00 ネットフリックスで、海外ドラマ鑑賞。
23:00 就寝。

本堂さんのスケジュール(時短勤務)

6:00 起床。朝食の準備などの家事。
7:00 朝食。夫の見送り。子供たちの保育園の準備。
9:30 出社。LINE、チャットの他、スケジュール確認。
10:00 サービスの品質チェック、業務管理・進捗状況の確認など。
12:00 ランチ。
13:00 社内スタッフの業務相談など。
15:00 ミーティング、採用面接など。
16:30 退社。子供たちを保育園へお迎え。
18:00 帰宅。夕食作り。
19:00 夕食準備。
20:00 入浴。洗濯などの家事。
21:00 子供たちの寝かしつけ(そのまま寝落ちすることも)
22:00 (起きていたら)家事の残り、自由時間。
23:00 就寝。

―本日はお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

今回お話を伺ったベンチャーサポート税理士法人の企業紹介ページはこちら

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この記事を書いたライター

2000年中央大学法学部法律学科卒業。㈱ドン.キホーテ、会計事務所勤務を経て、2012年税理士登録。WEBで税務記事を多数執筆。
カテゴリ:転職・業界動向

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