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従業員エンゲージメントとは?向上させるメリットなどを詳しく解説!

HUPRO 編集部
従業員エンゲージメントとは?向上させるメリットなどを詳しく解説!

「従業員エンゲージメント」というビジネス用語を耳にしたことがあるでしょうか?従業員エンゲージメントは、上手く利用すると会社の業績が上がり、社員のモチベーションアップも期待できるという注目の活用法です。今回は、従業員エンゲージメントについてメリットなどを詳しく解説をしていきます。

従業員エンゲージメントとは

最近、会社組織を活性化するのに有効な手段として、「従業員エンゲージメント」が注目されています。まず、最初に「従業員エンゲージメント」の定義について、簡単に解説をしていきましょう。

従業員が自発的に貢献したいと思う意欲

会社組織における「従業員エンゲージメント」とは、従業員が会社の持っているビジョンに共感し、自らの力で貢献しようとする意欲のことを指します。
これは、従業員の企業に対する信頼の度合いが分かるものであり、企業と従業員の間に信頼関係がなくては成り立ちません

従業員が会社に対して、主に下記の3つの要素を持つことが前提とされています。

1.会社を理解する
〜従業員に企業の理念やビジョンなどを理解し納得をする
2.会社に共感する
〜社員の一員として組織へ愛着心を抱く
3.行動意欲を高める
〜会社の目標達成のため自主的に貢献しようという意欲を高める

日本の従業員エンゲージメントは高くない!?

米国のギャラップ社が実施している「エンゲージメント・サーベイ」によると、日本における「熱意あふれる社員」の割合は132位と最下位クラスであることがわかりました。
このような結果を受けて、近年は日本企業においても従業員エンゲージメントを高める動きが増えてきました。

従業員エンゲージメントを高めるメリット

従業員エンゲージメントを高めると、企業にとっては様々なメリットがあります。
代表的なメリットを3つ、ご紹介していきましょう。

①定着率が高まる

従業員エンゲージメントを高めると、従業員の定着率が高まるようになります。
年収の高さなど条件面で有利なだけでは、さらに待遇の良い企業が現れると、従業員はそちらに移ってしまいかねません。

報酬面などの条件だけでなく、従業員がやりがいを感じながら仕事ができる環境を提供することで、企業への愛着心を作り出し、長く働き続けてもらうことができるのです。
定着率が高まれば、必然的に採用にかかるコストを削減することにも繋がります。

②仕事への意欲が高くなり会社の業績が向上する

仕事への意欲が高くなると仕事の完成度も高まり、ひいては会社の業績の向上にもつながるかもしれません。これは大きなメリットだといえます。

会社のビジョンや事業内容について信頼や愛着を抱くと、難しい局面や大きなトラブルに対して解決していこうとする力強さを手に入れられるようになります。人から言われたり命令されたりしているだけでは、いつまでたっても「やらされ感」が抜けません。

「自分が頑張ったことにより会社や社会への貢献ができた」という意識を持っていることで、チャレンジ精神を発揮しやすくなります。
従業員エンゲージメントが上がることで、明るく前向きな職場の雰囲気になることにも繋がります。

③仕事の質が高くなり顧客満足度が上がる

従業員エンゲージメントが高まると、自らの意思で真剣に仕事に取り組むようになります。そうなると品質だけでなく生産性も上がり、よりグレードの高い仕事を顧客に対してたくさん提供できるようになりますから、顧客満足度も自然に上がるようになります。

業績を上げる事に従業員が積極的に取り組むようになるので、会社にも活気が出始め、職場の雰囲気も良くなっていくことが見込めるのです。

③仕事の質が高くなり顧客満足度が上がる

従業員エンゲージメントを向上させる方法

従業員エンゲージメントを向上させるためには、様々な方法があります。
ここでは、代表的な3つの方法をご紹介していきましょう。

①会社の将来性や社会的価値をしっかり捉える

従業員エンゲージメントを高めるには、従業員が会社の将来性や社会的価値をしっかり捉えていくことが重要です。

自分が取組んでいる仕事が、社会的に有益な価値を生み出していることを実感できるようにすると良いでしょう。そのためには、社外だけでなく社内に対しても、会社が目指しているビジョンを明確に打ち出していくことが必要です。
ビジョンに関しては、上層部だけで決定してしまうのではなく、現場で働いている従業員からも、あらゆる意見を発表してもらうと大変参考になります。

②社内の人間関係を活性化させる

社内の人間関係を活性化させることも重要です。
従業員同士で良好な関係が保てると、仕事に関して食い違いがあっても、お互いにコミュニケーションを図ることで問題解決への道筋もつかめます。

また、委縮せずにどんどん意見が言い合えるようになると、新しいアイデアが見つかり仕事に活かすこともできるのです。社内で孤立感が高まってしまうと、会社に対する愛着が弱まってしまうので注意しましょう。

③人事評価の仕組みを整える

人事評価の仕組みを整えることも効果があります。
従業員エンゲージメントを向上させるためには、従業員が会社に「きちんと認めてもらっている」というプラスの意識を持ってもらうことが大切です。会社が従業員に対して正当な評価を与えると、自ずと従業員のモチベーションがアップします。

具体的な指標を掲げ、従業員に対して適切に評価の内容を報告する機会を設けるようにすると良いでしょう。

従業員エンゲージメントの向上に成功した企業事例

実際に、従業員エンゲージメントの向上に成功した企業事例を2社ご紹介していきます。ぜひ、その取り組み事例を参考にしてみてください。

小松製作所

建機大手の小松製作所では、マネージャーなど中間管理職の能力を強化することにより、従業員エンゲージメントの向上に成功しました。
従業員に近い位置にあるマネージャー層が、信頼を得る方法や部下のモチベーション向上の方法などに関する研修とワークショップを受講することにより、意識改革をすることができたのです。

この成果により、従業員エンゲージメントが33%から70%に向上し、わずか半年で工場の生産性が9.4%も向上したという結果を出しています。

スターバックスコーヒージャパン

従業員エンゲージメントの向上を大切にしている企業として有名なのが、スターバックスコーヒージャパンです。
同社は来店するお客様が居心地よく滞在できる、家や職場以外の「第三のくつろげる場所」を提供することをポリシーとしています。

そうした会社の価値観に共鳴する従業員が多く、また、「一人ひとりが全く異なる思考や個性を持っている」という前提で仕事ができる環境が整えられており、世界でも屈指の人気コーヒーストアとして好調な業績を上げ続けている企業です。

まとめ

今回は「従業員エンゲージメント」について詳しく解説をしました。

「従業員エンゲージメント」を高めると、企業の業績が上がるだけでなく、そこで働く社員も充実感を抱きながら長く働き続けることができるようになります。

現代は、ただ働いて給与をもらえればそれでいいという時代ではありません。政府も平成19年には「仕事と生活の調和(ワークライフバランス憲章)」を策定し、労働者が健康的で充実した生活が実現できるような働き方を推進しています。

これからの時代で企業が活躍をしていくには、従業員エンゲージメントの向上を目指して、社員とともに手を携えながら企業活動をしていくことが重要とされていくでしょう。

この記事を書いたライター

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