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公認会計士とは?試験合格後、正式に公認会計士になるには?

HUPRO 編集部
公認会計士とは?試験合格後、正式に公認会計士になるには?

公認会計士とは、会社の会計と監査が専門の分野である国家資格です。公認会計士に試験合格後になるためには、2年間の実務経験と補習所へ3年間通学、修了考査合格、そして登録するために手続きすることが必要です。今回は試験合格後、正式に公認会計士になるための過程を紹介します。

公認会計士とは?

公認会計士というのは、会社の会計と監査が専門のジャンルである国家資格です。会社の経営者が経営状態を株主に報告する財務諸表の信頼性を確保するためのプロであり、現在では幅広い仕事を行っています。
別の国家資格の弁護士、司法書士、弁理士、行政書士、税理士などと同様に士業といわれており、特定のジャンルにおけるスペシャリストとして独立することもできます。

試験合格後、正式に公認会計士になるには?

公認会計士として登録するには、試験に単純に合格するといいということではありません。一定の条件をクリアすると、公認会計士として初めて仕事ができるようになります。
では、別の資格と違って、どうして公認会計士は試験合格後もさらに一定の条件をクリアする必要があるのでしょうか?

例えば、運転免許を取ったときのことを考えてみましょう。
運転免許を取ったすぐ後は、運転するのが心配になるでしょう。
道路で実際に運転するといっても、教習所で練習していないことに遭ったりするため心配になるかもしれません。
このようなことを相手にわかってもらうために車に初心者マークをつけることによって、この車を運転している人は初心者であるため気配りしてあげようと他の人は理解してくれます。
公認会計士の制度は、このようなものであると考えておきましょう。

どういうことかと言うと、公認会計士の仕事は、知識のみがあればいいというものではありません。経験が知識よりも大切です。経験がないと、公認会計士に求められる多くの仕事ができません。
公認会計士試験に合格すると、公認会計士「準会員」となりますが、あくまでも準会員なので、正式な公認会計士ではありません。

試験合格後に正式に公認会計士となるためには、以下の3つを満たす必要があります。

・2年間の実務経験
・補習所に3年間通学する
・修了考査に合格する

そして、最後に登録のための手続きが必要となります。
それでは、それぞれについてご紹介します。

2年間の実務経験

公認会計士に登録するためには、実務従事あるいは業務補助の期間が通算して2年以上あるという条件があります。
業務補助というのは、監査法人や公認会計士の補助などです。
監査法人に勤めると問題ありませんが、実務条件が近年は緩和されており、金融機関での記帳や財務分析業務、普通の会社の財務業務に従事することによっても条件をクリアすることができます。

補習所に3年間通学する

基本的に公認会計士になるには試験合格後に補習所に3年間通学することが必要で、監査実務のための補習になります。
この補習は、講義を日本公認会計士協会が行うもので、単位が270以上、レポートが6回、考査が10回あります。
2年間の実務条件をクリアしているときは、3年間でなく1年間や2年間にすることができます。
単位はeラーニングや土曜日コースのみでも取れますが、間違いなくハードスケジュールになるでしょう。
修了考査を受験するためには、必要な単位数を取る必要があります。

修了考査に合格する

修了考査というのは、補習所の卒業試験に該当するもので、最終の年度の12月に実施されます。
補習所に通学した成果をチェックするものであるため、70%の合格率とあまり厳しいものではありませんが、油断しないようにしましょう。
公認会計士の試験合格後に、70%の合格率の試験を受ける必要があるのかとがっかりする人もいるでしょう。

しかし、合格率は公認会計士試験より高く、講義の内容をしっかりと理解していれば、間違いなく合格することができます。
講義では、詳しく試験の対策ポイントをアドバイスしてくれます。また先輩の公認会計士にアドバイスを頼むのもいいでしょう。
試験科目としては、会計についての実務および議論、監査についての実務および議論、税についての実務および議論、経営についての実務および議論、公認会計士の仕事についての職業倫理および法規の5科目があります。

登録するために手続きする

2年間の実務と補習所に通学するという条件をクリアして修了考査に合格すれば、公認会計士として登録するために手続きができるようになります。
公認会計士の資格を取得していることの証明書類を添えて登録申請書を記載し、日本公認会計士協会に提出します。
登録するために必要な書類は、報告書受理番号通知書を交付するために作成します。

書式がこの書類は決まっており、これに従って作る必要があります。
実務経験行なった職場でで仕事をした期間、仕事をした法人の組織がどのようなものであったか、などというような概要を簡単に書く必要があります。
このときは、正確に会社の組織図も作る必要があるため、細かい気配りが必要になります。
当然ですが、不備がこの書類にあれば登録されないため注意しましょう。
登録するための手続きは、一般的に1ヶ月間~2ヶ月間くらいで終わり、公認会計士に無事正式にになることができます。

まとめ

以上が公認会計士試験合格後に、「準会員」から正式に公認会計士として登録するための過程です。試験に比べるとそこまで大変ではないかもしれませんが、年数は必要になります。これから公認会計士を目指そうと考えている方は、試験合格後のキャリアについてもしっかりと考えておくべきと言えます。ぜひ参考にしてみてください。

この記事を書いたライター

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カテゴリ:資格試験

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