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「経理はやめとけ」って本当?仕事のリアルや向いていない人について解説!

Hupro Magazine編集部 川辺
「経理はやめとけ」って本当?仕事のリアルや向いていない人について解説!

経理は身近な存在の方も多く、比較的安定した仕事ができることから人気のある職種です。その一方で「経理はやめとけ」という助言を受けることもあると聞きます。そこで本記事では、「やめとけ」と言われる理由とその実態、そしてそれを踏まえた上で向いている人・向いていない人の特徴をご紹介します。

経理の仕事内容

経理は、企業の会計・財務面の業務を担当する職種です。
具体的には、企業の収支や資産、負債などの財務情報を記録・管理する日次業務から、月次試算表の作成、決算報告書の作成、税務申告などを行います。

どんな企業にも経理職は必ず存在しており、企業が健全に経営するために不可欠な業務です。正確な財務情報を提供することで、経営者が企業の収益性や健全性を把握し、適切な経営判断を行うことができます。

経理職の仕事内容についてより詳細に知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
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「経理はやめとけ」と言われる理由とは?

そんな経理職ですが、なぜ「やめとけ」と言われることがあるのでしょうか?
まず、世間で「経理はやめとけ」と言われる原因について考えてみましょう。よく挙げられる理由は、次の7点です。

①仕事が単調である
②繁忙期は激務
③評価されにくい
④年収が低い
⑤AIによって将来無くなる仕事と考えられている
⑥閉鎖的な仕事環境
⑦ミスができない

それぞれ具体的に見ていきましょう。

①仕事が単調である

経理は、同じことを繰り返しやり続ける単調な仕事だというイメージが根付いているといえます。単調な仕事の方が楽だという人がいる一方で、飽きてしまうという人も多いでしょう。
特に近年は、クリエイティブな仕事や毎日変化のある刺激的な仕事がしたいという人が若年層を中心に増えてきているため、「やめとけ」と言われることも多いようです。

②繁忙期は激務

決算期や月締日など、経理にも業務が立て込む繁忙期が存在します。その時期の経理担当者は長時間の残業が必要となり、場合によっては休日出勤も発生するという印象が大きいようです。

特に働き方改革が進みつつある昨今の日本社会において、激務というイメージがあるとより一層際立ってしまいます。そのため、「もっとゆとりのある仕事をすべき」という考えに至るのでしょう。

③評価されにくい

たとえば、営業職ではノルマや売上などによって仕事の成果を数値化しやすいですが、いわゆるバックオフィスである経理は仕事の成果を客観視することはできません

そのため、経理職全般が抱える課題として、人事評価に繋がりにくいと懸念されることがあります。評価されないということは社内でポジションを上げることができないだけでなく、給与アップがされないことに繋がってしまいます。給与は生活に関わる非常に重要なものなので、「満足のいく給与がもらえる仕事をすべき」と考える人もいるのです。

④年収が低い

上記の「評価されにくい」というイメージに起因する部分もありますが、経理職は年収が低いと思われがちです。同じ業務を繰り返すだけというイメージも相まって、そもそもあまり年収をもらえない印象がある方も多いようです。

⑤AIによって将来無くなる仕事と考えられている

事実、経理職はAIの普及やRPAとよばれる業務自動化ツールの台頭で、人の手が必要ない業務が増えると予想されており、「10年後には存在していない職種」との学術的な論文が発表されたこともあります。そのため、「将来性が無いから経理はやめとけ」という意見は一定数あります。

⑥閉鎖的な仕事環境である

経理は会社のお金の流れを仕訳したり記帳するのが基本の業務となるため、多くの時間を会社内で過ごすデスクワークの印象が強いでしょう。
そのため、経理部内でしかコミュニケーションを取らない、閉鎖的な仕事環境にならざるを得ないのでは、と考える方も多いです。「始業から終業まで誰とも口を利かない」日々を想像し、「やめとけ」と言われることもあるでしょう。

⑦ ミスができない

経理は企業のお金を扱う仕事なので、ちょっとしたミスが企業の損失につながってしまうなど、責任重大です。そのイメージが大きいがあまり、ミスをしたら働き続けられなくなるかもしれないと考え、オススメしない人もいるようです。

本当に経理はやめておくべきなのか?リアルに踏み込みます!

ここまで「経理はやめとけ」と言われる理由を紹介しましたが、これらのイメージは実情と一致しているのでしょうか?

経理の仕事に関するイメージについて

仕事に関するイメージとしては、「仕事が単調」、「将来性が無い」、「ミスができない」があります。

仕事は単調なのか

まず単調かどうかについてですが、始めでご紹介した日次業務は毎日行うルーティーンワークとなります。そのため、この業務自体は単調といえば単調です。しかし、経理の仕事は日次業務だけではありません
給与計算や月次決算の決算書作成といった月に一回の業務、そして年次決算書の作成や年間予算計画の策定などといった年に一回の業務もあります。クリエイティブな仕事とは決して言えないものの、必ずしも業務全体が単調とは感じにくい仕事といえます。

将来性は無いのか

一定のルールに基づいた単調な作業については、経理の中でも将来無くなる可能性が高い業務とされています。主に仕訳業務や経費精算などが該当します。
ただ、情報に基づいて思考し判断を求められる業務は、今後も残り続けると予測されています。財務分析監査対応など、高度な業務が主に該当しますが、経理としてスキルアップしていけば経理として働き続けることは十分に可能です。経理の仕事の将来性については以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

ミスは許されないのか

企業の経営数値で間違った記載をすることはあってはならないため、100%正確なデータや資料を作ることを求められます。
ただし、それを作るまでのプロセスでミスがあっては絶対にいけないわけではありません。他の担当者とのダブルチェックなど、誤りをチェックするシステムが構築されていれば、最終的には正確な状態にすることができますし、その間にミスがあったとしてもなにか処罰に問われることはありません。もちろんミスが多い人だと業務に掛かる時間が長くはなってしまいますが、だからといって経理への道をあきらめる必要はありません

経理としての働き方に関するイメージについて

経理の働き方のイメージについては、「繁忙期は激務」、「閉鎖的な仕事環境」が挙げられます。

繁忙期は激務なのか

「激務」かどうかの基準は人それぞれだとは思いますが、経理が繁忙期にある程度忙しくなるのは事実です。特に年次決算の前後は多少の残業は覚悟すべきといえます。ただ、それ以外の時期は定時に帰れるという企業も多いです。
大前提、どの仕事でも多かれ少なかれ忙しい時期とそうでない時期の差はあるはずです。粒立てて経理が激務というわけではありません

閉鎖的な仕事環境なのか

閉鎖的な環境の方が良いという方にはむしろネガティブな印象かも知れませんが、実は経理業務のさまざまな場面において、他部署とのコミュニケーションが発生しています。
たとえば、営業部に不明なお金の流れや申請ミスについて確認しに行ったり、逆に売上データの確認をされるケースがあるでしょう。また、マーケティング職との予算に関する打ち合わせ、さらには経営陣との投資に関する相談など、重要なやり取りをすることもあります。

このように、閉鎖的というよりはむしろ、コミュニケーションを取ることが多い部署ともいえるのです。

経理の評価に関するイメージについて

「評価されにくい」、「年収が低い」といったイメージについてはどうでしょうか?

評価されにくいのか

たしかに売上目標などの明確な数字で評価できる営業よりは、経理を評価するというのは難しいと言わざるを得ません。

ただし、最近ではバックオフィスの重要性を見直す流れが広がっているため、経理における業務レベル・達成度などが人事査定でしっかりと評価される時代になっています。「経理は出世できない」というステレオタイプの固定観念は現代には通用しないのでご安心ください。

年収は低いのか

国税庁の「民間給与実態統計調査(令和元年度)」によると、経理職の平均年収は450万円程度で、日本全体の給与取得者の平均年収が約436万円であることと比較すると、やや高いです。
専門性が高い割には金額が見合ってないという意見もありますが、一般的に見るとそこまで低いとは言えません

また、この金額はあくまで平均であって、スキルを積んでいけば大きく年収を上げることができます。1,000万円の年収を実現している経理マンも珍しくなく、「稼げない仕事」という認識はしなくてよいでしょう。

実は魅力あふれる経理の仕事!経理をやるべき3つのメリット

では、経理の魅力としてはどのようなポイントが挙げられるのでしょうか。経理に就くメリットについて考えてみましょう。

経理のメリットは次の3点です。

①キャリアの選択肢が広い
②出世すれば経営層にも踏み込める
③知識が増えるほどと仕事の意味が分かるようになる

それでは、経理のメリットについて具体的に見ていきましょう。

なお、経理への転職をきっかけに年収アップを狙う人は、以下のコラムもご参照ください。

経理をやるべき理由1:キャリアの選択肢が広い

経理業界は慢性的な人材不足(「経理はやめた方が良い」と多くの人が勘違いしているから)。つまり、売り手市場なので、スキルを伸ばせば伸ばすだけ選択肢が増える点が魅力です。

たとえば、実際に企業において経理職の通年業務を経験するだけで、「経理の流れが分かっている」と評価されるので、より良い条件の転職先を見つけるのは難しくはありません。また、日商簿記3級・2級を取得するだけでも、スキル証明に役立ちます

さらに、経理業務をきっかけに上昇志向が強くなった場合には、税理士試験・公認会計士試験にチャレンジするという選択肢も見えてきます。監査法人・会計事務所に就職するのも良し、自分で開業するのも良し、ベンチャー企業に役員として携わるのも良し、選択肢は無限に広がります。

以上のように、経理職には、そこから発展する資格・専門職が多数存在します。ここからも、「幅広い可能性のなかからキャリアを自分で選び、着実に積み重ねていきたい」と希望する人にはおすすめの仕事だと考えられるでしょう。

なお、英語力があればさらに経理職の選択肢は広がります。以下のコラムで詳しく紹介しているので、あわせてご一読ください。

経理をやるべき理由2:出世すれば経営層にも踏み込める

未経験で経理をスタートした場合、最初は領収書の整理などの日次業務で経験を積むことになりますが、仕事に慣れてくると、経営判断に必要な資料を作成したり、財務的観点で上層部と関りを持つ機会も増えてきます

たとえば、多くの企業では、出世コースにかならず経理部門が含まれます。経理を経験して、会社のお金の流れに精通しているからこそ、会社の舵取りに関われるという判断に基づくものです。

つまり、経理としてキャリアを積んでいけば、経理を越えた業務にも携わるチャンスがあるということ。上昇志向が強い人のキャリアルートのひとつとして経理はおすすめです。

経理をやるべき理由3:知識が増えるほどと仕事の意味が分かるようになる

「ただ数字を整理しているだけ」「言われた通りソフトに打ち込んでいるだけ」でも経理の仕事は成り立ちます。

ただ、これでは仕事に飽きるのは当然のことです。仕事の魅力を見つける努力は最低限必要でしょう。

そして、経理は知識が増えるほど魅力が分かりやすくなる仕事です。たとえば、勘定科目の内容・意味を理解するだけで、会社のお金の流れ、どの部署がどれだけのコストパフォーマンスを発揮しているのか、どの経営判断が財政状況に悪影響を及ぼしたのかなど、俯瞰的に会社の状態を判別できるようになります。

毎日の仕事に意味・価値を見出すことができるようになれば、仕事はどんどん楽しくなるはず。「さらに知識をつけるために勉強をして資格を取得する、そして、キャリア幅が広がる」という好循環に身を置くことができるでしょう。

なお、経理の知識を増やすためにはスキルアップが不可欠です。以下のコラムで経理の知識の増やし方について解説しているので、あわせて参考にしてください。

経理に向いている人

ここまでの「経理はやめとけ」と言われる理由と、経理をやるべきメリットを踏まえどんな人が向いているのかについて紹介していきます。下記の特徴に少しでも当てはまっているようであれば、「やめとけ」という意見に振り回されることなく、チャレンジすることをオススメします。

数字に抵抗がない

経理は会社のお金の流れを見ることになるので、当然毎日数字と顔を見合わせる日々が続きます。数字の苦手な人が経理職を転職先の選択肢に入れることはほとんど無いと思うのですが、もしその目安が分からないという人がいれば、一度簿記の勉強をして確かめるのも良いかもしれません。

定例業務ができ、期日を守れる

日次業務は毎日行うわけですが、基本的に同じ業務をやり続ける形になります。また、様々な締めが発生するため、それまでにきっちり業務を終わらせる必要があります。未経験の場合は、日次業務からやり始めることが一般的ですので、漏れなく滞りなく毎日の業務をこなすことに適性があれば向いているといえます。

責任感がある

経理は、完璧なデータの作成を求められる仕事です。大きい会社であればあるほど、自分のミスが大きく影響を与えることがあります。場合によっては一円を合わせるために、原因を探すようなこともあります。決算業務に関わるようになれば、自分が作成した財務諸表が取引先や株主の意思決定に影響を及ぼすことになります。
そのため、一つ一つの仕事に責任を持って取り組める人が経理に向いている人と言えます。

経理に向いていない人

経理で働くメリットは様々あるとはいえ、仕事に適性が無い人に無理にオススメはしません。具体的に以下のような人は、他の仕事の選択肢を検討しても良いでしょう。

・ミスが多い
・ルーティンワークが苦手
・勉強をし続けたくない
・社内でコミュニケーションを取るのが負担である
・アイデアや独創性が評価されるような仕事がしたい
・一気に成長してマネジメントをしたい

経理への適性については以下の記事でも詳しくご紹介しておりますので、併せてご活用ください。

「経理はやめとけ」と言われるポイントを解消するために

「経理はやめとけ」という人の意見を全く否定するわけではありません。確かに、経理の仕事は単調な側面もありますし、若いうちから一気に成長して荒稼ぎするという属性ではありません。

しかし、そもそも仕事にはそれぞれ特徴があって、すべての業務にメリット・デメリットがあることを忘れてはいけません。
そして、どんな仕事にでも転職を考えるときには、「やめた方が良い理由」ばかりを粗さがしするのではなく、「やった方が良い理由」に目を向けてみるだけの余裕をもった方が、自分が納得できるキャリアを形成できるでしょう。

また、もし「やめとけ」と言われている部分に懸念があるとしても、転職先の選び方によってはそのポイントが存在しない場合もあります。どうしても懸念に感じるポイントがあったとしても、そのような転職先を選べば経理として前向きに働くことができるかもしれません。

例えば「繁忙期は激務である」ポイントに対して懸念を感じるのであれば、経理担当者が多く所属しているため残業が少ない傾向にある大手企業の経理職に転職するのがよいでしょう。
また、評価されにくいことが懸念であれば評価制度が明確にされている企業、年収が低いのが懸念であれば同じポジションでも高待遇が担保されている企業の経理職に応募するのがオススメです。

ただし、こうした条件を自分で情報収集するのは難しいでしょう。求人情報や面接時に、採用担当者がすべてを正直に話してくれるとは限らないからです。特に未経験からの転職では、より分からない部分が多いはずです。

そこで、転職の際は転職エージェントを活用するのがオススメです。転職エージェントは、企業のリアルな内情も把握しているため、求職者に適した求人情報に出会うことができます。士業・管理部門特化の転職エージェント「ヒュープロ」は業界特化という特徴を活かして、ここでしか出会えない求人や情報を取り揃えています。ぜひご相談から、お待ちしております!

まとめ

今回は「経理はやめとけ」と言われる理由やそのリアルについて解説しました。経理の仕事は懸念に感じるポイントが全くないわけではないものの、、魅力もたくさんあふれていることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
仕事の魅力・可能性を見つけられるかはあなた次第です。もし経理に興味はあるけど、挑戦への一歩が踏み出せないという方は、税挑戦してみましょう!当社は転職や就職のご支援をしている「ヒュープロ」を運営してますので、ご活用いただければ後押しさせて頂きます!

この記事を書いたライター

株式会社ヒュープロにてオウンドメディア「Hupro Magazine」のディレクション、セミナーの運営を担当。年間500本以上の記事を監修しています。アドバイザーとして多くのご登録者様から伺った転職に際しての悩みや不安、疑問を解消する記事をご覧いただけるよう、日々奮闘中です!士業や管理部門、FASなどの業界に就職・転職をご検討されている方は、ぜひ業界特化の転職エージェントである、「ヒュープロ」をご活用ください!
カテゴリ:コラム・学び

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