大学卒業後、一貫して市役所で働かれていたMさん。税務に関する仕事に携わるようになり、徐々に税務業界に興味が湧いてきたそうです。とはいえ30歳を迎え、未経験である会計業界への挑戦は不安も大きかったようです。
今回は、当社ヒュープロをご利用いただき転職を成功されたMさんの転職体験記をご紹介します。
大学卒業後、市役所で公務員として固定資産税など税務関係に携わってこられたMさん。税務の面白さを感じ、簿記資格(日商簿記2級)を取得されました。
公務員という安定的な仕事に腰を据えていた一方で、30歳という年齢を迎え、自身のキャリアを見つめなおす機会も増えてきたようです。その際に、興味のある税務を専門的な仕事として扱える仕事、つまり税理士事務所での仕事がしたいという思いが強くなっていき、本格的に転職活動を始めようと一念発起しました。また、会計業界にチャレンジするからには知識を極めたいと考え、次の職場で働きながら税理士を目指すことも決心しました。
士業・管理部門特化の転職エージェントである当社ヒュープロでは、ご登録後キャリアアドバイザーとの初回面談を実施しております。その際にMさんからお伺いしたご希望条件は、資格取得を応援する環境が整っている職場というものでした。
「税理士になりたい!」と宣言するのは簡単ではあるものの、採用面接においては、そのために「いつ・どれくらい・どのように」行動するのか、そしてそもそも「なぜ」税理士を目指したいのかという部分を明確にアピールしなければなりません。
特に業界未経験からの転職の場合、その人が本気で会計業界にチャレンジする気があるのかを判断する指標の一つになりますので、非常に重要です。
そんな中、担当のキャリアアドバイザーがMさんと模擬面接を実施してみたところ、そんな思いが相手に伝わらないことが分かりました。
上記は極端な例ですが、実際よくある会話の一つです。
いくら熱量があったとしても、転職活動においてはそれが相手に伝わらなければ意味を成しません。また、そもそも税理士に関する最低限の知識が無いのも本気度を疑われてしまいます。
簿記資格を取ると会計に関する知識を一通り習得できたような気になるのも理解できますが、税理士は遥かに専門的な知識が必要とされる難関資格です。並大抵の覚悟や努力では、そう簡単に取得できるような資格ではありません。そんな中で、上記のような会話をしてしまっては説得力が無いのです。
ただ、未経験の状態ではどの程度の業界知識をつけておくべきかというのが分かりにくいというのも事実です。そのためキャリアアドバイザーはMさんと相談し、税理士になる計画をより詳細に作っていきました。
ご存じの方も多いかもしれませんが、税理士試験の合格には11ある試験科目のうち、5科目を取得する必要があります。試験合格のために必ず取得しなければならない必須科目がある一方で、どの科目を選ぶか自由に決められる選択科目も存在します。そのため、どのような税理士になるかは受ける科目によっても変えることができるのです。
そのため、まずはどんな税理士になりたいかを決めた上で、そのためにはどの科目を選ぶのか、そしてそれらの科目を取得するためにどのくらいの期間で、どのような勉強をするのかという計画を逆算的に決めていきました。
一般論として、「未経験の転職は20代まで」という意見を聞くことがあるでしょう。実際に「未経験 転職 何歳まで」と調べてみると、そのような主張の書かれた記事も見られます。
Mさんもそんな「一般論」を気にされていました。30歳で未経験、しかも仕事の専門性の高い税理士事務所への転職となると、自信が無くなってしまうのも理解できます。
もちろん年齢が転職に全く関係ないとは言い切れませんが、こと30代で未経験からの転職については十分に可能です。担当のキャリアアドバイザーは未経験者の転職を数多くご支援した実績がありましたので、これまでの事例をご紹介しながらMさんの後押しをしていきました。
もし年齢で不採用を出す事務所があったとしても、年齢は書類の時点で分かるものなので、書類選考時点で見送るはずです。つまり書類選考を通過した事務所については、面接内の問答が合否を左右し、年齢は関係ありません。そのことをMさんにお伝えし、模擬面接を各事務所の選考ごとに行うなど、念入りに対策を行いました。
公務員を続けながらの転職活動ではありましたが、結果的に初回電話面談から9日で内定を頂くことができました。
Mさんが入社を決めたのは、希望条件として挙げていた試験勉強への応援環境が整っている税理士事務所。具体的には、税理士試験の当日はもちろん試験前の1週間も勉強期間として試験休暇を取れる、また専門学校に通学する日は早めに退勤できる、そしていずれの制度も働いている方が実際に利用しているという、Mさんにとってまさにピッタリな職場でした。
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今回のMさんにおける転職成功ポイントは、なんといっても明確な根拠とビジョンを持ちながら「税理士になりたい!」という思いをアピールできた点に尽きるでしょう。
未経験からの転職の場合は、過去の実績よりも今後の成長性を重視するポテンシャル採用と呼ばれる手法を取られていることが一般的です。そのため、いかにその税理士事務所で活躍してくれそうという期待を持たせるアピールができるのかが重要になってくるのです。
市役所で税務関係の業務に従事していたことはある程度アピールになるものの、実際に税理士事務所での業務に大きく活かせるかというとそこまででありません。そのため、敢えて面接でのアピールポイントには入れませんでした。そのおかげで「税理士になりたい!」という部分の伝え方を考えることに時間を使えた結果、短期間での転職成功ができたのではないかと思います。
実際、税理士へのビジョンの中で専門学校で通っての合格を目指すことを伝えていたことが、通学に考慮した働き方ができる事務所からの内定に繋がったのでしょう。
当社ヒュープロはMさんのような未経験の方の転職も数多くご支援しておりますので、士業や管理部門への転職をご検討されている方は是非ご活用ください!