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《公認会計士試験》絶対合格!選択科目について!何を決めるかで勝負が決まる。

けいご|公認会計士
《公認会計士試験》絶対合格!選択科目について!何を決めるかで勝負が決まる。

今回は公認会計士試験の選択科目である経営学・経済学・民法・統計学の4科目のうち何を選ぶべきか?といったテーマでお話ししていきます。実際に私がどのように考えて選択科目を選んだかについてもお話ししていますので、是非最後までご覧ください。

公認会計士試験の選択科目とは

公認会計士の資格は、監査業務が行える唯一の国家資格です。公認会計士試験は、金融庁の公認会計士・監査審査会が実施しており、年に1度だけ開催しています。

公認会計士試験には、必修科目と選択科目が存在します。必須科目は「財務諸表論」「管理会計論」「監査論」「企業法」「租税論」の5科目となっていて、選択科目は「経営学」「経済学」「民法」「統計学」となっています。選択科目は4科目のうち1つを選び、必須科目を合わせて6科目の科目を同時に合格する必要があります。

また、短答式試験受験の際の願書提出時に選択科目を選ぶので、短答式試験合格後に選択科目を変更することはできません。どの選択科目を選んでも300時間前後の勉強時間は必要なので、事前にしっかり選んでおく必要があります。

本記事では、公認会計士試験の選択科目を選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。まずは各科目の概要から見ていきましょう。

①経営学

 まず経営学は、企業や企業のあり方、企業がとるべき行動等を研究する学問です。経営学の特徴は、企業行動を実態面から明らかにしようとする学問なので、経営学全体としての体系的な流れが希薄な点です。

また、本試験では予備校のテキストに載っていない論点が出題され、試験委員の研究分野の色合いがより濃く出る科目です。なので、試験委員対策を含めて広く浅く網羅すべき科目です。

②経済学

 次に経済学は大きく分けるとミクロ経済学とマクロ経済学にわけられます。ミクロ経済学では企業や消費者といった個々の経済主体の行動の原理を分析し、マクロ経済では一つの国全体や世界全体の経済活動の原理を分析します。

経営学とは反対に複雑な実態経済を極力簡素化して、最小の次元で理論を構築し、次第に実態に合わせた理論を構築しようという学問です。

そのため、より広い視野で国家政策や国際情勢を理解し、企業に与える影響等を分析するために有用な知識を得ることができます。

③民法

 民法は売買契約などの私たちが日常行う行為を規律する法律です。そのうち、企業活動を規定する特別な法律という形で、公認会計士試験の必須科目になっている商法・会社法があります。

商法・会社法に規定がない場合、企業活動は民法の制約を受けるので、民法の理解は企業間の契約内容や企業行動を理解するのに役立ちます。

④統計学

最後に統計学は確率論を基礎として変動する数値の特徴を平均値や、平均値からの変動の大きさ等の指標で捉え、その指標に関する反設をたててこれが正しいかを検証する学問です。近年のIT化やビッグデータの活用に伴い、公認会計士に統計学に関する素養が求められる場面が増えていくでしょう。

選択科目比較とメリット・デメリット

 以下にて簡単に選択科目をまとめました。
科目分類(計算 or 理論)、出題形式の特徴、数学的要素、必須科目との関連、学習量という視点で比較した表を作成しましたので、ご覧ください。

また、選択科目比較表に続けて各選択科目のメリット・デメリットの表も載せてありますので併せてご覧ください。

選択科目比較表

各選択科目のメリット・デメリット

どれを選ぶべきか?

 では、今回の本題のどの選択科目を選ぶべきかについてです。私は、選択科目を選ぶ際のポイントは①学習時間と②得点力と③興味の3つだと考えています。

①学習時間

全ての選択科目についてはじめて学ぶという状態なら、学習時間が少ない科目を選んだ方がコスパはいいと思われます。ですので、もともと勉強したことがある科目も学習時間が短縮されるのでよいといえるでしょう。

②得点力

次に得点力の観点。つまり、高校数学の得意不得意や暗記力が問われる試験と応用力が問われる試験とどっちが得意なのかという観点で選びましょう。高校数学が苦手な方は応用力型であろうが暗記力型であろうが経営学を選ぶのがよいでしょう。高校数学が得意で暗記力より応用力が問われる試験の方が得意という方は、統計学を選ぶのがオススメです。

③興味

私は、高校数学より暗記の方が得意なので経営学を選択しました。経営学は未知の論点が本試験に出題されるからリスクが高いという方もいらっしゃいます。実際に論文式試験で全く未知の論点が出題され、本試験直後にSNS上で経営学を選んだことを後悔している受験生を見かけます。しかし、そんな方でも合格しています。

なぜなら、公認会計士試験は相対評価だからです。未知の論点、予備校で習っていない論点はみんなできないから無視すればよいのです。公認会計士試験は「相対評価」であるから興味のある科目を選ぶのも大事な観点です。私が受験した際にも、未知の論点が出ましたが分かるところを確実に正解すれば科目合格レベルの得点率を獲得できました。

このように得意や興味のある科目を選んだことは後悔していません。勉強する時間が苦ではなくなることが1番の利点であると感じますので、興味のある科目を勉強してみたらいかがでしょうか。

決まらない人へのオススメな科目

今回の科目概要や選ぶときの観点を見ても、まだ1つの科目に絞ることが出来ないという方は、経営学をオススメします。

経営学のオススメな点としては、受験者の85%がこの科目を選ぶ点です。他の科目である場合、受験者数が少ないため、得意な人が受ける可能性が大いにあります。公認会計士試験の選択科目は相対評価であるため、得意な人が多く受験する中で結果を残すのは難しいと考えられます。それに対して、経営学は受験者数が多いことから、とりあえず経営学にしようといった人が多く、相対的に合格しやすいです。

科目免除制度について

免除については、「短答式試験」と「論文式試験」の2つについてあります。

1つ目は短答式試験についてです。過去に短答式試験に合格した受験生は、翌年とその次の年の2年間は短答式試験を受けずに、論文式試験から受験することが可能です。この免除は自動的に適用されます。しかし、この2年以内に論文式試験に合格しないと、また短答式試験に合格する必要があるので、注意が必要です。

2つ目は論文式試験についてです。論文式試験の免除は、試験を受けて落ちてしまった場合に、特定の科目で審査会が設定する基準の得点を超えると、その科目免除し次の試験を受けることが出来ます。免除の期間は短答式試験と同じく2年間です。論文式試験の科目免除は短答式と違って、自身で申請する必要があるので注意しましょう。

まとめ

今回は公認会計士試験でどの選択科目を選んだらよいのかについて話してきました。

1番オススメな科目の選び方は、興味のある科目を選択することです。どの科目も難易度は高いため、周りに流されたり簡単と聞いたからなどといった理由では、挫折してしまう可能性があります。そのため、自身がやり切れると思う科目選択をしましょう。

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この記事を書いたライター

クラウド会計専門 税理士法人クラウドフォーカス所属。早稲田大学大学院会計研究科卒業後、大手監査法人・大手税理士法人・中小会計事務所での勤務を経験。経験を基に会計士試験情報・転職情報・アカスク関連情報を個人の各種SNSで発信中。
カテゴリ:コラム・学び

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