転職活動において、前職の退職理由をどのように伝えるべきかと悩まれる方は少なくないでしょう。そこで今回は、前職の年収や福利厚生に不満を掲げて退職しているTさんの転職事例をご紹介し、どのように伝えるのが良いのかを含めて解説します。
長年会計事務所に勤められ、様々な業務に携わってこられたTさん。
一定の実績を継続して上げながらも、年収がそこまで上がっていなかったことや、古い体質の会計事務所で福利厚生が充実していないことなどから、不満が溜まっていたようです。
そこで転職活動を始めようとしたものの、10年以上同じ事務所で働いていただけに、書類作成の段階からだいぶ手間取ってしまったそうです。そんな中何とか書類を作成し、当社ヒュープロのキャリアアドバイザーとの初回お電話面談に臨まれたTさん。そこで浮かび上がってきたのは、前職の退職理由の伝え方が分からないという新たな問題点でした。
長く1社で働いており、スキルも十分にお持ちだったTさんは、本来は転職を繰り返す方に比べて内定が出やすいはずです。
しかし、当社にご登録いただくまでにご自身で応募された事務所では、書類通過はするものの内定には至らないという状況が続いていたそうです。
その要因を探るべく、担当キャリアアドバイザーは模擬面接を実施してみました。そこで明らかになったのが、「なぜ、前の事務所をお辞めになったのですか?」という質問に対する答えです。
Tさんは、なるべく実直な問答をすることが内定に繋がりやすいと考えていて、「年収が上がらないから」・「福利厚生が充実していないから」という退職理由をそのまま伝えていました。
もちろん、嘘をつかないというのは大前提として重要なことです。ただ、このような理由を聞いて、採用側は「希望の年収が満たされなくなったら辞めてしまうのではないか」・「他になにかしらネガティブなポイントを見つけて辞めてしまうのではないか」といった懸念を持ちやすいです。
結果、せっかく実直な回答をしたのに不採用ということになってしまったのだと考えられます。
担当キャリアアドバイザーは、模擬面接のフィードバックとしてTさんにそんな退職理由をどう伝えるべきかについてお話ししました。
具体的には、年収については「正当な評価を得られる職場で会社に貢献したいと考えるようになった」、福利厚生については「労働環境に懸念を持たずに仕事に集中できる職場に転職したい」など、前向きなイメージを持ってもらえるような伝え方にしていただくようにしました。
加えて、単純に前職を辞めた理由だけでなく、次の転職先ではどのような仕事をしたいかという部分も含めてお伝えいただくことで、より前向きな評価に繋がりやすい内容になりました。
その後も面接対策を重ねて面接に臨んでいただき、結果的に3社からの内定を獲得、うち1社の内定を受諾されました。
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Tさんにおける転職成功ポイントは、前職の退職理由の伝え方や、自身のアピール方法を考え直した点であると思います。
面接時に前職の退職理由を聞かれることは少なくありません。特に会計事務所は数年で転職することも珍しくない業界なので、長く働いてくれる方なのかを面接で見極めたいという事務所も多く存在するのです。
もちろん事実をきちんと伝えるべきですが、伝え方には要注意です。
前職で得た経験からどんなことを学び、それらを今後どのように活かしていきたいのかなど、やる気や成長意欲などを積極的にアピールしていく必要があります。
最初はなかなか内定をいただくことができ無かったTさんですが、諦めずにキャリアアドバイザーと一緒に面接対策を行ったことで、内定を得ることができ、さらに年収がアップしたことは嬉しく思います。
Tさんのように、思うような転職活動を進められていないという方は、ぜひ士業・管理部門特化の転職エージェントである当社ヒュープロにご相談ください。
書類添削や面接対策・日程調整はもちろん、年収交渉や入社までのフォローなども実施していますので、ぜひお気軽にご登録いただければと存じます。