今回は、元BIG4大手監査法人勤務会計士の私が実際の経験をもとに監査法人がブラック企業かどうかについて解説します。監査法人がブラック企業かどうかについて知りたい人は是非最後までご覧ください。
そもそもブラック企業とはどんな企業なのか皆さん説明できますか?私も含めなんとなくブラック企業という言葉を使っている方が多いと思います。なので、調べてみました。
調べた結果、厚生労働省のHP内でさえもブラック企業という言葉は定義されておりませんでした。ただし、厚生労働省のHPにはブラック企業の一般的な特徴として、以下の3つの特徴が列挙されています。
これらのブラック企業の一般的な特徴に該当する場合、ブラック企業と呼ばれます。皆さんの会社はいかがでしょうか?この特徴に当てはまっているとブラック企業かもしれませんね。
それでは、本題の大手監査法人はブラック企業か?というテーマについて説明していきます。結論からお話ししますと、大手監査法人はブラック企業ではありません。
なぜなら、先ほどご説明した厚生労働省のHPに記載されているブラック企業の一般的な特徴3つに当てはまらないからです。
以下では、ブラック企業の3つの特徴を1つずつ大手監査法人に当てはめ、大手監査法人がブラック企業の特徴に当てはまらない理由を解説していきます。
これは読んでそのままですが、ポイントは”極端な”という点です。どの会社でも繁忙期には長時間働かざるをえない状況もありますし、ノルマもあります。当然、大手監査法人にも繁忙期があり、ノルマがあります。
では、大手監査法人の長時間労働やノルマが”極端な”ものかと言われると、私は”極端な”ものではないと考えています。
実際に私は、大手監査法人に約5年勤めましたが、繁忙期であっても徹夜で作業が必要なほどのノルマを課されたことはありません。また、繁忙期には労働時間は増加しますが、毎日終電で帰らなければいけないといった状況もありませんでした。私の周りや同期をみても”極端な”長時間労働やノルマを課されている人いなかったです。
大手監査法人はチーム制なので、各個人に業務を割り振った後に負担が重いとなれば、業務量を調整してくださいます。また、継続監査の業務であればこれまでの稼働実績があるので、事前の業務量の割り振りも各自に負担がかかりすぎないような割り振りになっています。
こういった状況なので、大手監査法人はブラック企業の特徴1つ目の「労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す」にはあてはまりません。
これから働かれるみなさんも、もし自分の業務量が多くて終わりそうにないなと感じたら早めに上席の方に相談してください。そうすれば手伝ってくれたり、業務量を調整してくれたりするはずです。
大手監査法人で賃金不払残業は聞いたことがないです。大手監査法人は各JOBへのチャージ制なので、しっかり実態に即して稼働した分をチャージしていれば、不払いということは発生しません。
あとは、フルチャージできるか否かです。フルチャージというのは実際に10時間働いたら10時間全てチャージすることです。実際に10時間働いたのに、8時間しかチャージできないと2時間はサービス残業となります。
僕は常識や法人の規程の範囲内でフルチャージしていました。次にパワハラが横行しているかという点ですがこれは全くないです。近年では、ハラスメントに対する研修も実施されており、大手監査法人全体のコンプライアンス意識は高いと感じます。
研修等は形式的にやっているだけではないのですかとも思われるかもしれませんが、悩まれている方が声を上げられる窓口があり、僕自身や他のスタッフに対して上の方々は気を使っていただいていたなと感じます。
これは、例えば、長時間労働をさせて長時間労働に耐えられなかったらやめさせたり、パワハラ上司の下で働かせてストレス耐性をみて耐えられなければやめさせたりするといった状況がこのような状況下で行う過度の選別にあたると考えられます。
しかし、業務量が多くてすいません、調整をお願いできますかと相談したからといって、やめさせられたというのは見たことも聞いたこともないです。
最後に簡単にまとめておきます。
・大手監査法人は上記3つの特徴に該当せず、ブラック企業ではない
今回の内容は、私のYouTubeチャンネルの「【公認会計士】大手監査法人はブラック企業か?現役BIG4勤務会計士がお話しします」という動画でもお話しておりますので、気になる方は下記リンク先よりご覧ください。
大手監査法人はブラック企業か?現役BIG4勤務会計士がお話しします
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