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簿記3級が難しいと感じる理由とその対策について

HUPRO 編集部
簿記3級が難しいと感じる理由とその対策について

「簿記3級」で検索すると「難しい」「簡単」どちらの意見も見られます。これは、受験する人の知識レベルの差によるものです。今回は簿記3級が「難しい」と感じる方向けにその理由と対策について解説します。

なぜ簿記3級が「簡単」と言われるのか

簿記3級は、初めて簿記を学ぶ人にとっては、じゅうぶん「難しい」資格です。
「簿記3級は簡単」という意見は、3という数字のイメージや、英検や漢検などの資格と比較されてそのように思われているかもしれません。しかしあちらは中学生レベル。

「簿記3級」は違います。日本商工会議所の簿記検定のページによると「業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが身に付けておくべき『必須の基本知識』」とあります。はじめから社会人向けの資格です。

また、その内容も「基本的な商業簿記を修得し、小規模企業における企業活動や会計実務を踏まえ、経理関連書類の適切な処理を行う」となっています。簿記3級は、企業において基本的な経理業務ができることを示す資格なのです。
「簡単」という意見に引きずられないようにしてください。
初学者であれば、100時間~の勉強時間を見込んでしっかり勉強しましょう。

参考:日商簿記検定 簿記3級のレベル

簿記3級の難易度は上がってるの?

簿記3級の難易度は上がってるの?

参考:日商簿記検定 受験者データ

「誰でも受かる」とも言われがちな簿記3級。果たしてそうでしょうか?合格率を見てみると、40~50%前後が多いです。つまり2名に1名は不合格。簿記3級に落ちることは特段珍しいことではありません。

「昔は簡単だった」という方もいますが、簿記検定の出題範囲が改定されたのは2019年度試験(2019年6月)から。2018年度の合格率の方がむしろ低い傾向にあります。

過去10年間さかのぼってみると、2004年度の6月試験は13.7%、2009年度の2月試験は18.8%だったりと、難関国家資格レベルの合格率だった試験も。ここ数年で難易度が格段に上がったというわけではなさそうです。

簿記3級の試験が「簡単」というのは、それまでに確定申告をしたことや経理経験があったり、会計士や税理士を目指している人にとってのお話。

まったく簿記や経理業務の経験がない人が、一からチャレンジすると「難しい」と感じて当たり前です。簿記3級の不合格は決して恥ずかしいことではありません。

2021年から出題数と試験時間が変更

簿記3級は、2021年度から出題問題数と試験時間が以下のように変わりました。

・試験科目:商業簿記(3題以内)
・試験時間:60分
・合格基準:70%以上

これまでは、5問の出題で120分でしたが、2020年12月からのネット試験の形式に合わせてペーパー試験も変更になっています。
時間あたりの回答数は増えたイメージです。

ネット試験は毎日行われているので、膨大な問題パターンが用意されています。範囲は変わりませんので、問いの数が減ったぶん「勉強したのに出題されない」箇所が多くなります。

特に最近は、実務重視の傾向が強まり、過去問や予備校の予想問題などがそのまま出ることはほぼありません。問題と答えを丸ごと覚えるという勉強方法はでは合格は難しいでしょう。
簿記3級の受験対策は、まんべんなくしておく必要があります。

簿記3級、どうして難しく感じるの?

簿記3級や経験や適性で「簡単」と感じる人もいれば、難しいと感じる人もいます。
どの点が難しく感じるのかを押さえ、対策をとりましょう。

不慣れな用語を覚える必要がある

会計や経理のバックグラウンドがゼロだと、簿記3級の参考書を見た時に初めて見る用語だらけだと思います。
「勘定科目」「貸借対照表」「損益計算書」「伝票」「仕訳」……

会計用語については、問題を読み解くうえで必要不可欠。言葉の意味が解らないと、問われていることもわかりません。そうは言っても、全く興味のない言葉を覚えるのは非常に苦痛ですよね。
そこで、まずは会計が絡む分野で、自分なりに興味が持てる分野を探しましょう。

例えば、初心者用の会計・確定申告の解説本や、実例の豊富な財務諸表の解説を読んでみることです。
簿記の世界は、帳簿作成から決算まですべてつながっています。何かしら取り掛かりを得ることで、勉強の道が開けるはずです。

学生の方であれば、会計事務所などでの短期バイトもおすすめ。初心者であれば記帳業務の仕訳から行うはずです。実地で仕訳処理と帳簿が学べます。

暗記だけでは合格できない

語句を覚えるのは簿記3級のスタートライン。しかし、暗記だけでは合格できません。
特に、最近の簿記3級の試験は実務重視の傾向。過去問やテキストの問題は出題されません。覚えるだけでなく、なぜそうなっているのかを理解しておくことが必要です。

仕組みを理解することではじめて、問題集や過去問題と異なる問題でも回答が可能できるようになります。
過去問から勉強を始めて丸暗記で合格といった試験対策をする方がいますが、簿記3級についてはその方法は通用しません。
直近の第156回試験の 出題の意図・講評でも丸暗記についての記述があります。

振替仕訳を丸暗記するのではなく、その振替仕訳がどのような意味をもつのかを理解しておけば、ある勘定科目が増加または減少するのかが分かりますので、解答を導くことができます引用:第156回簿記検定試験3級 出題の意図・講評

必ず、テキストの内容を理解してから問題集に進むようにしてください。
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70%の正答が難しい

簿記3級の試験は「70%以上」が合格ライン。
第1問45点、第2問20点、第3問35点という配点です。問題の内訳は以下の通り。

第1問:仕訳問題15問(配点45点=3点×15問)
第2問:帳簿・伝票等問題(配点20点=2~4点×数問)
第3問:精算表・財務諸表(配点35点=2~5点×数問)

第2問と第3問においての帳簿や精算表・財務諸表などの作成は配点が大きいです。ですが、まず重要なのは「仕訳」です。勘定科目をどう仕訳するかで、その後の集計にすべてが影響してきます。また、電卓の打ち間違いなどによる集計ミスも同様です。

直近の第156回試験の 出題の意図・講評でも、計算ミスや試算表作成における仕訳ミスについての記述があります。

単純な集計ミスも少なくありませんでした。丁寧に計算することを心がけましょう。(略)前期以前に貸倒処理済みの債権を回収した場合に用いる勘定科目の誤答が非常に多かったです。このような場合に行う仕訳を再度確認するとともに、勘定科目を正確に覚えるようにしてください。 引用:第156回簿記検定試験3級 出題の意図・講評

70%を取るためには、仕訳が確実にできることが必須要件です。簿記検定においては基礎固めをすることが最も重要な対策になります。

簿記3級はちゃんと勉強すれば合格できる

簿記検定は、初学者には難しい資格かもしれません。人には得手不得手がありますし、簿記が苦手な人にとっては相当難しく感じるでしょう。それでもちゃんと勉強すれば合格は可能です。何より会計や簿記の勉強をすることで実用的な知識を身につけられます。

勉強方法については、以下の記事もぜひ参考にしてみてくださいね。

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