税金の種類とは、なんと50種類ほどもあります。でも、私たちが日々支払っている税金にはどのようなものがあり、それらの税金はどのようなことに使われているのかなど十分に理解できているでしょうか?そこで今回は、日々の私達の生活に深い関わりのある税金の種類と仕組みについて解説していきます。
税金の種類を大まかに分類すると、課税主体が国とされる「国税」、そして課税主体が地方公共団体(都道府県や市町村)とされる「地方税」に分けることができます。また、税金の納め方により国税と地方税は、さらに「直接税」と「間接税」に分けられます。
ちなみに直接税とは、税金を負担する人が、自分自身で直接税金を納めるものを指します。もっといえば、税金を納税する者と、税金を負担する者が同じ税金のことです。
代表的なものとしては、所得税でしょう。サラリーマンの人は勤務先の会社が自動的に給与より天引きしてくれるので、直接税といわれてもピンとこないかもしれませんが、納税者と税金の負担者が同じなので、直接税なのです。
直接税は、累進課税制度が用いられています。個人の経済的な能力つまり収入によって、負担する税金の額が変わるというものです。当然、収入が多ければ多いほど、所得税も多くなります。
一方、間接税とは、税金を納税する者と、税金を負担する者が違う税金のことです。例えば、スーパーに買い物に行ったとしましょう。私達は、消費税をスーパーに支払います。そしてスーパーが私達から徴収した消費税を国や地方自治体に納めているのです。
このような間接税は、個人の経済的な能力つまり収入には関係がなく、国民全員より一律の税額が徴収されています。
では、さっそく国税であり直接税でもある税金の種類から見ていきましょう。
所得税は、個人の年間所得に課される税金です。先ほどもお伝えしたとおり、所得税は推進課税制度により課税が行われています。「課税所得金額」とは、年間所得をもとに納税者に合った所得控除を差し引いた税金額のことです。そしてこの課税所得金額に税率が掛けられて、納税すべき所得税が決まります。
会社をはじめ協同組合などの法人所得に対して課される税金です。ただ、資本金が1億円以下の会社においては、税率を軽減する優遇措置がとられています。
個人より財産をもらった際に、受けとった者が負担をしなければならない税金です。ただし、1人あたり、年間で110万円までの贈与については非課税となります。贈与税には、「結婚・子育て資金の一括資金」や、「相続時精算課税制度」といった特例があるため、これらをうまく活用することにより、税負担を軽くすることが可能です。
死亡した使途の財産を相続した際に課される税金のことです。平成27年にこの相続税に関する法律が改正されて、相続税基礎控除額が引き下げられました。これにより、課税対象が大きく増加しています。相続税は生前に対策をしておくことで負担を軽減できる税金ですので、早めに親族と話し合っておくといいでしょう。
復興特別所得税とは、東日本大震災の復興にかかる財源を確保するための税金で、すべての納税者が負担するかたちとなります。この復興特別所得税は、2037年まで実施される予定であり、所得税額の2.1%を占めています。確定申告をする場合は、所得税額だけではなく、復興特別所得税についても併せて納税し申告する必要があるのです。
次に、地方税であり直接税でもある税金の種類を見ていきましょう。
自治体が行う住民サービスに課せられる税金です。個人で言えば住所、法人で言えば事業所や事務所が所在している都道府県に納税します。
都道府県民税と同じく、自治体により行われる住民サービスに課せられる税金です。個人で言えば住所、法人で言えば事業所や事務所が所在している市町村に納税します。
土地または建物などの不動産を取得した際に課せられる税金です。
土地または建物、そして事業で使われる機械などの所有に課せられる税金です。
個人や法人が事業を営む際に課せられる税金です。課税所得に税率を掛けて割り出されます。ただし、東京都においては超過課税(地方団体の条例により標準税を超えた税率を定めて課税を行うこと)が実施されているほか、資本金(もしくは出資金)の額と所得などによって異なる税率を用いる不均一課税が用いられています。
自動車を取得した際に課せられる税金です。
軽自動車や特殊車両を除いた自動車に課せられる税金です。
軽自動車そして原動機付自転車などの所有に課せられる税金です。
それでは、国税であり間接税でもある税金の種類についても見ていきましょう。
商品を購入したり、サービスを提供してもらったりする際に課せられる税金です。消費行動に対し、課税されるというものです。2019年より税率が引き上げられて10%となりました。ただ、消費税は事業者すべてが納税者となるわけではありません。個人経営者や小規模の会社では、前々年度における課税売上が1,000万円以下の場合は、消費税を納税する義務はないとされています。
契約書または領収書などの文書を作成する際に課せられる税金です。印紙税は、文書の種類もしくは記載された金額により税額が違ってきます。
たばこが製造場より出荷される際に課せられる税金です。たばこには「国たばこ税」「たばこ特別税(国税)」「道府県たばこ税(地方税)」「市町村たばこ税」「消費税」といった数多くの税金がかかっています。
ビール、清酒、ウイスキーといったお酒を製造場より出荷した際に課せられる税金です。酒税を負担しているのは消費者であり、酒税の納税義務者は製造者や輸入者となるので、間接税に分類されています。
自動車に使われるガソリンを製造場より出荷した際に課せられる税金です。揮発油税と地方揮発油税を合わせ、「ガソリン税」とも呼ばれています。消費者により負担される税金ですが、石油会社が納税義務者となります。
輸入品を国内に持ち込む際に課せられる税金です。輸入品を国内に持ち込む際には、輸入申告を行なって関税を納めてからでなければ物品は受け取れません。そのため、輸入申告時の際に関税が支払われているかたちがとられているものの、実際は通関業者により立替えられています。
最後は、地方税であり間接税でもある税金の種類について見ていきましょう。
商品を購入したり、サービスを提供してもらったりした際に課せられる税金です。消費税10%のうちの一部がこの地方消費税となっています。
たばこの製造者などにより、小売販売業者へたばこが売り渡された際に課せられる税金です。たばこ1,000本あたりで860円の道府県たばこ税が課せられています。
道府県たばこ税同様、小売販売業者へたばこが売り渡された際に課せられる税金です。たばこ1,000本あたりで5,262円が課せられます。
ゴルフ場を利用した際に課せられる税金です。
元売り業者などより軽油を引き取る際に課せられる税金です。
温泉に入浴をする際に課せられる税金です。
以上、税金の種類についてご紹介しました。
このようにして国や地方自治体に納められた税金は、医療福祉、年金、教育、高速道路などの道路の維持費などに使われています。
あまり馴染みのない税金もあったかもしれませんが、税金は回り回って私達の生活に還元されています。税金を納税する義務があることは、どこか強制的にお金を取られるようなイメージがつきまとってしまいますが、よく見てみると、こうして私達は税金によって日々の暮らしを支えてもらい、生活できていることがわかります。
私たちが納めた税金の使い道について気になる方は、社会人が知るべきお金の知識を発信しているマネワカの記事を確認してみてください。