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社会保険手続きを行うのはどんなとき?加入条件や必要書類を解説!

HUPRO 編集部
社会保険手続きを行うのはどんなとき?加入条件や必要書類を解説!

従業員が新たに入社したり、退職したりしたときに必要になるのが社会保険の手続きです。
この記事では、企業が直面する具体的なイベントごとに必要になる社会保険手続きの内容と、提出書類についてまとめました。
人事総務や経理として社会保険手続きを担当している方は、ぜひ参考にしてみてください。

社会保険手続きを行う具体的な場面と必要書類

企業が社会保険手続きを行う必要が生じるのは、以下のような場面です。

事業を始めたとき
従業員を雇用したとき
従業員の扶養親族などに異動が生じたとき
従業員が退職したとき
従業員が仕事中に怪我をしたとき(労災保険の請求)
従業員が育休を取得するとき

それぞれの場合に必要になる書類や、手続きの進め方について順番に説明いたします。

事業を始めたとき

株式会社・合同会社など「法人」として活動している会社は、すべての従業員を社会保険に加入させる義務があります。
一方で、個人事業主として活動している企業は、従業員が5人以上いる場合のみ、社会保険への加入義務があります。(ただし農林水産などの一部の業種は除きます)

社会保険への加入義務がある会社は、従業員を雇用する事業を始めてから5日以内に「健康保険・厚生年金保険新規適用届」を提出しなくてはなりません。
提出先は会社の所在地にある年金事務所です。
窓口に書類を持参するか、郵便または電子申請のかたちで提出を行います。
添付書類は、法人の会社であれば「法人(商業)登記簿謄本」、個人の会社は「住民票」です。

従業員を雇用したとき

社会保険への加入義務がある事業者が、従業員を雇用したときは、5日以内に「健康保険・厚生年金被保険者資格取得届」を提出しなければなりません。
提出先は、年金事務所(もしくは健康保険組合・厚生年金基金)です。
なお、雇用した従業員に扶養している配偶者や子供がいる場合には、「健康保険被扶養者(異動)届」もあわせて提出します。
雇用した従業員の配偶者が「国民年金の第3号被保険者」である場合は「国民年金第3号被保険者資格取得・種別変更・種別確認(3号該当)届」の提出が必要となります。
従業員については、上の社会保険(健康保険と厚生年金)の他にも、雇用保険への加入義務があります。
従業員を雇用した月の翌月10日までに「雇用保険被保険者資格取得届」をハローワークへ提出しましょう。

従業員の扶養親族などに異動が生じたとき

従業員の家族が結婚や通学、就職などの理由で扶養親族に異動があったときは、5日以内に「健康保険被扶養者(異動)届」を申請する必要があります。
結婚により国民年金第3号被保険者資格取得届を同時に届け出るときは、「第3号被保険者の年金手帳」又は「基礎年金番号通知書」を添付します。
そのほかに添付するものとして以下のものがあります。

・子供が16歳以上の学生(高校生の子を除く)の場合は、「在学証明書」
・被扶養者が60歳未満の父母・祖父母の場合は、「非課税証明書」
・被扶養者が配偶者、子供、兄弟以外の者の場合は「非課税証明書」「住民票」等で同居を証明できるもの

従業員が退職したとき

従業員が退職したときは、5日以内に「健康保険・厚生年金被保険者資格喪失届」を年金事務所または健康保険組合・厚生年金基金に提出しなければなりません。
また退職日の翌々日から10日以内に「雇用保険被保険者喪失届」と、「雇用保険被保険者離職証明書」をハローワークに提出する必要があります。

従業員が仕事中に怪我をしたとき(労災保険の請求)

仕事中や通勤途上でケガをした場合は「労災事故」として扱われます。
この場合、従業員は健康保険ではなく労災保険を適用して治療を受けることになります。
労災事故の時は、病院も労災保険指定医療機関を選び治療を受けることが一般的です。
また治療を受ける際に「療養(補償)給付たる療養の給付請求書」を病院に提出すれば、治療を受けた従業員は医療費を支払う必要はありません。
なお、やむを得ず労災保険指定医療機関以外で治療を受けた場合は、ひとまず全額を自分で立て替えなくてはならなくなります。
この立替金は、「療養(補償)給付たる療養の費用請求書」を労働基準監督署に提出することで支払者に返金されます。

従業員が育休を取得するとき

従業員が育休を取得するとき

従業員が妊娠・出産する場合、その子供が1歳になるまでは育児休業を取ることができます。
女性の場合は産後8週間の「産後休暇」の後から、男性の場合は子供が生まれた日から取得可能となります。
また、子供が1歳になっても保育所が見つからないなど、特別な理由がある場合は、育児休業延長することが可能です。
延長できる期間は、最大で子供が2歳になるまでです。

なお、従業員が育児休業を申し出たときに必要な手続きは次の通りです。

・「育児休業等取得者申出書」の提出
育児休業期間中の社会保険料を免除してもらう手続きで、年金事務所に申請します。
・「育児休業給付金支給申請書」の提出
育児休業給付金を受けるための手続きで、ハローワークへ申請します。

まとめ

今回は、従業員の入社や退職にあたって必要になる社会保険の手続き内容について解説いたしました。
社会保険手続きは、お役所を相手にする仕事です。とても神経を使う上に成果の見えにくい仕事ですので、「社会保険の手続きだけは苦手」という方も少なくないでしょう。
その一方で、社会保険は従業員の生活に直接的な影響を与える極めて重要なものです。
人事や総務の仕事をしている人にとって、もっとも重要な仕事といっても過言ではありません。

この記事を書いたライター

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