近年、経営者の高齢化により、事業承継問題が重要視されるようになってきました。事業承継については滅多に起こることではないため、経営者にとって、よく分からず、誰に相談していいかも分からないのではないでしょうか。
今回はそんな事業承継において、会計事務所が行う業務を分かりやすく解説します!
まず、事業承継とはどのようなものか解説します。
事業承継とは、経営者が事業を後継者に引き継ぐことをいいます。
事業承継は長年に渡り培ってきた技術やノウハウを、後世に残すために重要な役割を果たします。
現代において、1代で繁栄している会社もありますが、2代目や3代目が引き継いでいく過程で、会社が繁栄してきているケースも多いです。
事業承継は、一般的には身内である子供や孫に行う場合が多く、誰に承継するかによって大きく経営状況が変化するので、重要な問題となります。
ただし、近年では少子高齢化の進行に伴い、後継者不足が問題視されていますので、親族以外への事業引き継ぎを行う「親族外承継」なども、浸透しています。
事業承継は大きく分けると3つに分類されます。
親族に承継させる「親族内承継」、親族外に承継させる「親族外承継」、さらに第三者に事業を承継させる「M&Aによる事業承継」に分類されます。
従来は、経営者の子息などの親族に引き継ぐ親族内承継が90%以上を占めておりました。現在それ以外の選択肢も浸透し、分散してきてはいるものの、事業承継の中で最も多い手法であることは変わっていません。
先ほど紹介した通り少子高齢化が進んでいる影響もあり、経営から退きたいが事業承継できる親族がいないという経営者も多くいらっしゃいます。そのような方が企業の役員や従業員に事業承継することを、親族外承継と言います。
その中でも役員に事業承継することをMBO(Management Buy Out)、
従業員に事業承継することをEBO(Employee Buy Out)と呼びます。
M&A(Mergers and Acquisitions)は企業の合併や買収を意味します。親族や社内に後継者の適任がいない場合、M&Aによって社外の第三者に事業を引き継ぐという選択肢もあります。
会社を売ってしまうことにはなりますが、幅広い候補者の中から適任者を選べ、成功すれば経営者側に売却益が入るというメリットもあります。
税務戦略によって、税負担を軽減することもできます。
事業承継をした場合、基本的には財産が動き、誰かが利益を受けることになります。税金は利益に対して発生するものですので、その正確な算出をする役割が会計事務所には求められています。
発生する税金には下記のものがあります。
事業承継に伴い、経営者などが亡くなった場合に財産を引き継ぐことで発生する税金です。事業の承継自体には関係しませんが、個人の財産に対してかかる税金なので、会計事務所として関係する業務の1つです。
贈与税も相続税と同様、事業自体には関係しませんが、事業承継に伴い経営者が生前に自社株式などの財産を譲り渡した際に発生する税金です。高齢化に伴い、生前の間にする贈与は増加しているため、会計事務所として増えつつある業務です。
法人が、M&Aや事業譲渡・株式譲渡などで事業承継をした場合、譲渡をした法人に利益が生じる場合は、法人税が発生します。
事業承継は、計画の立案、後継ぎの選択や育成、各種手続き方法、税金知識やトラブル対処法など、専門的な知識を必要とします。これらの業務は、会計事務所のみならず、弁護士や社会保険労務士、中小企業診断士なども対応しています。
事業承継の方法や時期の選択によっては、無駄な税金を支払ったりするケースもあるので、事業承継前に経営者に対してアドバイスをすることも業務の一部です。
M&Aの業務を専門的に取り扱う会計事務所は数少ないですが、大手の会計事務所や税理士法人の中にはM&Aに携わる業務を行っているところもあります。特に税理士はその知識を活かせる業務も多いです。
M&A業務には次のようなものがあります。
M&Aの相手先を探します。経営状況を分析した上で、マッチする相手先を探す必要があります。
マッチした相手先と買取価格や詳細な事業承継の内容について、M&Aの交渉をします。
契約書の作成業務がありますが、主に弁護士や司法書士が代行して作成しています。
デューデリジェンスとは、買い手企業のアドバイザーが売り手企業の実態を調査する業務です。調査する主な項目は財務、税務、法務やビジネス、IT、人事などです。
会計事務所は主に財務・税務デューデリジェンスを担当します。
企業価値算定は売り手企業の価値判断をする業務となります。担当するアドバイザーには利益の最大化が求められます。会計事務所としても会計や税務分野を最大限に活用し、損のないような意思決定を手助けする必要がでてきます。
このように事業承継の業務は多岐にわたり、税務・会計分野以外の知識も必要となります。また、顧問契約を基本とする会計事務所ですが、M&Aはスポット契約となる場合が多いため、会計事務所のネットワークの大きさも重要となってきます。
大手の会計事務所では、税理士や会計士の数も多く、また弁護士や中小企業診断士などの他の専門家も所属していることが多いため、各々の専門分野を発揮し、事業承継の業務も得意とする傾向があります。
今回は、事業承継を得意とする税理士法人の中で、小谷野税理士法人をご紹介させて頂きます!
小谷野税理士法人は東京都渋谷区にある税理士法人で、「顧客事業の発展を通じて、日本経済および世界経済の繁栄に資すること」を企業理念としています。
多くの公認会計士・税理士が所属し、中小企業から上場予定企業・上場企業まで様々な顧問先を抱え、幅広い業務経験を積むことができます。研修への参加も奨励しているため、経験の浅い方でも着実に知識を身につけていただけます。
また、従業員の健康やワークライフバランスを大切にする職場環境づくりにも取り組んでおり、その結果6年連続「健康経営優良法人」に認定され、さらに全国上位500社に送られる「ブライト500」にも会計事務所として唯一2年連続で選定されました。
落ち着いた雰囲気のオフィスづくりにも注力されており、快適な空間で働くことができます。
小谷野税理士法人│HP
今回は会計事務所の事業承継に関する業務内容について解説しましたが、事業承継の業務は会計事務所の基本業務と比較しても難易度が高いです。会計や税務の基本的な知識はもちろんのこと、事業承継についての専門知識も必要となります。また、対象となる会社の規模も大きくなるため、責任感も必要ですが、やりがいのある業務となります。事業承継業務に挑戦するなら、ご紹介した小谷野税理士法人のような事業承継を得意とする税理士法人で働くのがオススメです。