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BCP(事業継続計画)とは?内容に関してわかりやすく解説します!

HUPRO 編集部
BCP(事業継続計画)とは?内容に関してわかりやすく解説します!

地震などの天災やテロ、または大規模停電やシステム障害といった突発的に起こる緊急事態。こうした緊急事態下においても、事業における影響を最小限に抑え、重要な業務を継続できるために用意しておくのがBCP(事業計測計画)です。本記事では、BCPについて、その策定と運用手順などを開設します。

BCP(事業継続計画)とは

BCPとは事業継続計画(Business Continuity Plan)の頭文字を取った言葉です。非常事態における企業経営の手法をあらわし、自然災害やシステム障害、インフルエンザなどの感染症や事故、不祥事といった企業に取って望ましくない事業が生じた場合に、被害を最小限に抑えつつ最も重要な業務を素早く再開させることで、損害の影響を最小限にとどめることをその目的としています。

BCPの特徴は、従来からある防災計画の考えから一歩進み、緊急事態に遭遇した際に事業継続のための対応を準備するというところにフォーカスしているのが新しい点です。

緊急事態は、予期せぬ時に突然発生します。例えば東日本大震災や、台風被害といった天災、それらにまつわる大規模停電や水害といった二次被害もそうですし、システム障害によってクレジットカード決済が止まるといったような、ヒューマンエラーなども該当します。あるいは広告やキャンペーンなどの施策が時流を読み切れず、意図せず炎上したり、社員が横領や犯罪などの不祥事をおこしてしまったりなどということもあるでしょう。

これらのリスクに対して、企業が何も備えを行っておらず有効な手を打つことができない場合、特に中小企業においては事業の復旧が大きく遅れて、事業縮小や従業員解雇、さらには倒産といった状況に追い込まれることも考えられます。

緊急時に倒産や事業縮小を余儀なくされないためには、平常時からBCPを周到に準備しておき、緊急時に事業の継続・早期復旧を図ることが重要となります。

BCPを策定している企業は、有事に対して準備をしているという事で、顧客の信用を維持し、市場関係者から高い評価を受けることとなり、株主にとって企業価値の維持・向上につながるのです。

BCP(事業継続計画)の業種別策定状況について

内閣府 「平成 29 年度 企業の事業継続及び防災の取組に 関する実態調査」によると、BCPを策定している企業は
大企業:60% ・中堅企業:30% となっており、
割合としては金融・保険業が66%でトップ、続いて情報通信が55.9% 運輸業・郵便業が50.1%という順番です。

「企業活動を取り巻くリスクを具体的に想定して経営を行っているか」について、全体では 68.7%、大企業では 90.6%、中堅企業では 66.9%、その他企業では 64.1%が「行っている」と回答している。また、「現在検討中」を含めると、全体では 87.9%、大企業では 98.8%、
中堅企業では 91.5%、その他企業では 83.3%となり、多くの企業がリスクを想定した経営を実施、計画、検討している結果となった。

出典:内閣府 「平成 29 年度 企業の事業継続及び防災の取組に 関する実態調査」

このように定期的に国が調査を行ってはいるものの、現時点では、BCPは法律や条例では義務づけられていません。
しかし、近年台風時における計画運休や社員の自宅待機が話題になるなど、災害に対するリスクに対して準備を行うという事は、安全配慮義務として広く認知されるようになっています。
災害に対して準備不足であったり、そのために取引先との契約を履行できなかったりしたら訴訟が起こったりすることもあり得ます。最近では、取引先がBCPを策定しているかどうかを、契約の際の基準とする企業も増えてきました。
義務化はされていなくても、BCPを策定することは、特に中小企業にとってリスク管理という意味では非常に重要なのです。

BCP(事業継続計画)の策定と運用手順

中小企業の場合は、突発的な事象による操業の停止が、廃業や倒産に直結する可能性が高いことから、BCPの策定は実は大企業よりも喫緊の課題となっています。

例えば、大企業の下請けとして部品供給を行っているような中小企業メーカーが被災した結果、工場のラインがストップしてしまったような場合は、その企業だけでなく元請けの大企業や全国あるいは世界的に影響が出る場合も考えられます。

自然災害による被害は自らの責ではありませんし、これまではそうした状況であれば、一定の温情的な措置が取られることが多かったのですが、グローバル競争においては、「緊急事態発生時だから、事業中断は仕方がない」では通用しなくなることも十分に考えられます。

中小企業庁では、まずは代表者向けに現在のBCPの取り組み状況を確認したうえで、シートを埋めることでBCPの策定と運用手順までの解説コースを用意しています。

・BCP 入門診断

まずはここからチェックしてみましょう。

・策定運用(基本)

「基本コース」として、では最低限必要とされるBCPを「できるだけ早く」、そして「できるだけ簡単に」つくるための策定手順について解説しています。

・策定運用(中級)

BCPの策定と日常的に運用する手順説明が行われています。

・策定運用(上級)

BCPの対象を自社だけでなくサプライチェーンや協同組合などに広げる取り組みについて説明されています。

出典:中小企業庁 中小企業BCP策定運用指針

まとめ

上記の手順を経てBCPが出来上がっても、作っただけで満足していてはいけません。実際に有事の際に機能するように見直しや改定を行い、実用に耐えるレベルにしておくことが必要です。
ついあれもこれも盛り込みたくなりますが、BCPはあくまで中核事業に絞って策定し、収益面の安定性と復旧の効率性の向上を計るようにしましょう。

また、社員の具体的な行動も確認し、例えば「暴風警報が出たら自宅待機」「台風が過ぎ去っても上司からの指示があるまで出社しない」など、具体的な基準とそれに伴う行動を決めておいて、いざという時に使えるような内容にします。同時に社員への定期的な訓練や研修が必要です。

BCPを策定、運用することで「災害に強い企業」作りを目指してみましょう。

この記事を書いたライター

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