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会計事務所の業種はどれにあてはまる?

岡山 由佳
会計事務所の業種はどれにあてはまる?

会計事務所の業種は何に当てはまるか、分かりますか?
会計事務所の仕事内容について詳しく無い方にとっては、何に該当するかを想像をすることも難しいのではないでしょうか。
今回は、日本の公的な統計である日本標準産業分類において、会計事務所の業種は何に該当をするのかについて詳しく解説していきます。

業種の調べ方

自身の仕事について「○○業です。」と話す場合において、その業種名が分類に基づいた正しいものである必要はありません。
むしろ分類に基づいて正確に「サービス業です。」と伝えるよりも、「美容師です。」と話した方が何の仕事に従事をしているか相手に伝わりやすい場面の方が、業種で答えるよりも圧倒的に多いでしょう。

しかし公的な書類への記載を求められた場合や、税務に関わる部分では消費税の簡易課税計算においてみなし仕入率適用する際の業種の選択、上場をしていない株式の相続税評価額の計算をする際の業種の選択をする場合等には、正しい業種の把握が必要です。

この正しい業種は、日本標準産業分類によって定められています。日本産業分類とは統計の正確性と客観性を保持し、統計の相互比較性と利用の向上を図ることを目的として設定された統計基準であり、全ての経済活動を産業別に分類しているものです。

よって自身の仕事がどの業種に該当をするかについては、日本の統計が閲覧できる政府統計ポータルサイトであるe-Stat内の、日本標準産業分類で確認をすることが出来ます。

e-Statへはこちらよりアクセスすることが出来ます。
日本標準産業分類

業種の確認方法

日本標準産業分類は、上記のリンクからも分かるように大分類は下記のように区分されています。

A農業、林業
B漁業
C鉱業、採石業、砂利採取業
D建設業
E製造業
F電気・ガス・熱供給・水道業
G情報通信業
H運輸業、郵便業
I卸売業、小売業
J金融業、保険業
K不動産業、物品賃貸業
L学術研究、専門・技術サービス業
M宿泊業、飲食サービス業
N生活関連サービス業、娯楽業
O教育、学習支援業
P医療、福祉
Q複合サービス事業
Rサービス業(他に分類されるものを除く)
S公務(他に分類されるものを除く)
T分類不能の産業

これらのいずれかの業種に該当をしますが、A~Tの全てをe-Stat内でクリックをして探すのは非常に大変です。
会計事務所の仕事にイメージのつかない人では、予測をしてクリックをすることも難しいのではないでしょうか。

よって、上記をクリックをして順に探すのではなく、e-Statのキーワード検索欄にて検索をすることが最も簡単な方法です。

会計事務所の仕事内容については下記コラムをご参照ください。
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会計事務所の業種は?

上記でご紹介しましたキーワード検索欄に会計事務所、と打ち込むと、
大分類:L学術研究、専門・技術サービス業
中分類:72 専門サービス業(他に分類されないもの)
小分類:724 公認会計士事務所、税理士事務所
と表示がされます。

つまり一般的に会計事務所と呼ばれる公認会計士事務所、税理士事務所はいずれもサービス業、細かく表現するのであれば専門サービス業に該当をします。

会計事務所の業種は?

学術研究、専門・技術サービス業とは

大分類である学術研究、専門・技術サービス業には主として学術的研究などを行う事業所、個人又は事業所に対して専門的な知識・技術を提供する事業所で他に分類されないサービスを提供する事業所及び広告に係る総合的なサービスを提供する事業所が分類されています。

専門サービス業(他に分類されないもの)とは

中分類である専門サービス業(他に分類されないもの)には法務に関する事務、助言、相談、その他の法律的サービス、財務及び会計に関する監査、調査、相談のサービス、税務に関する書類の作成,相談のサービス及び他に分類されない自由業的、専門的な知識サービスを提供する事業所が分類されています。

公認会計士事務所、税理士事務所とは

小分類である公認会計事務所と税理士事務所では、財務書類の監査、証明、調整又は財務に関する調査、立案,相談等の業務を行う事業所を公認会計事務所と分類をし、税務代理、税務書類の作成及び税務相談等の業務を行う事業所を税理士事務所と分類しています。

分類としての定義は上記のとおりですが、会計事務所や税理士事務所の違い等については下記コラムをご参照ください。
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まとめ

上記のように、会計事務所はサービス業に該当をします。サービス業という言葉だけ耳にすると、美容業、エステティック業、ネイルサービス業等の直接人が触れる仕事が想定され、会計事務所もサービス業に分類されることは意外に思われる方が多いかもしれません。

しかし、会計事務所もサービス業に分類されることからも分かるように、ただ数字と向き合っている仕事では無く、正しい数字を算出することを当然としながらも、会計事務所を必要とする顧客に親身に寄り添うことが必要となる仕事です。

会計事務所について詳しく無い方にとっては理解のし難い仕事内容であるかもしれませんが、顧客の要望に耳を傾け、出来る限りその要望に応えていく仕事であるという点では美容業等と大差ないでしょう。

会計事務所について詳しくお知りになりたい方は、是非HUPRO MAGAZINEのコラムや『最速転職HUPRO』をご利用ください。

この記事を書いたライター

大学在学中より会計業界に携わり10年超の会計事務所、税理士法人での実務経験を経て独立。各業種の会計業務に関するフォローのみならず、ライターとして税務、労務、経理の話題を中心に、書籍やWebサイトに数多くの寄稿を行う等の様々な活躍をしている。
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