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試算表って何?わかりやすく解説します!

HUPRO 編集部
試算表って何?わかりやすく解説します!

試算表は、仕訳帳から総勘定元帳への転記が正確に行われたかどうかをチェックするために作成される集計表のことを言います。この記事では、試算表がなぜ必要なのか、そして、どのようにして試算表を作成するのかについて詳しく解説していきます。この記事を読むことで、試算表について誰かに説明できるようになります。

試算表とはなにか?

試算表(trial balance = T/B)とは、決算を確定する前に、仕訳帳から総勘定元帳の各勘定口座への転記が正確に行われているかどうかを検証するために、複式簿記の前提である貸借平均の原理を利用して作成する集計表のことを言います。試算表を作成したあとには、貸借対照表と損益計算書を作成することになります。その前段階で、各勘定項目が正しい金額になっているかどうかを確認するのが試算表というわけです。

企業は、毎日様々な経済活動を行っています。毎日・毎月の売上、仕入、給料の支払いなど、その取引は膨大なものです。そして、この取引を集計することによって、貸借対照表や損益計算書といった決算書を作成することになります。しかし、毎日の取引から直接貸借対照表や損益計算書を作ってしまうと、間違いがあるかも知れません。間違いがないようにするために、企業は試算表を作成して、各勘定項目の金額が正しいかどうかをチェックすることになります。

試算表を作る時期は会社によって異なります。決算書のように作成が必須ではありませんが、試算表を作ることで計算や記載の間違いに気づくことができるので、1週間、1ヶ月、1年と期間を定めて定期的に作成されるのが普通です。

試算表作成までのプロセス

一般に、企業では、取引が発生するとまず仕訳帳に仕訳が記入され、そこから総勘定元帳へ転記されます。ところが、転記は金額の記入漏れだったり、桁を1つ間違えたり、借方と貸方を逆に記入してしまったりといった単純ミスが起こりやすいプロセスとなります。

試算表は総勘定元帳を基にして作成していきます。総勘定元帳とは、仕訳帳の取引記録を各勘定科目ごとに分類して記録する帳簿のことです。単に元帳と呼ばれることもあり、この転記のことを元帳転記とも言います。転記によって各科目ごとの合計・残高を集計することができ、それぞれの勘定科目が「いつ・どんな取引」があったのかが分かるようになります。

たとえば、総勘定元帳に記載されている勘定科目のうち、現金という勘定科目を抜き出して、借方の入金合計、貸方の出金合計をそれぞれ集計していきます。勘定は、その項目の内容を表す名称として勘定科目、および借方・貸方と呼ばれる左右対称な2つの欄から構成されるT字型の形式をもっています。

仕訳帳の記録を分類集計するには、資産・負債・純資産・収益・費用の各項目について、勘定を設定する必要があります。そのような必要とされるすべての勘定を収容した帳簿を総勘定元帳(元帳)と呼ぶわけです。仕訳帳に記録された事項を、元帳の各勘定に写し替える作業は転記と呼ばれます。

したがって、仕訳帳から元帳への転記は、取引発生順のデータベールを、取引によって影響を受ける項目別のデータベースに組み替える作業ということができます。転記は仕訳帳に記入された事項を正確に再分類するものでなければなりません。このため、仕訳の左側に記載された事項を勘定科目と金額は、元帳の同じ名前の勘定科目の左側に同一金額で記入を行わなければなりません。仕訳の右側についても同様です。

次に売掛金、商品、買掛金と順に合計・残高を集計していき、試算表を作成していきます。1期間中のすべての取引について、仕訳帳から元帳への転記が終了すると、転記の手続きが正確に行われたことを確かめるために、元帳のすべての勘定の金額を集めて、試算表を作成します。

試算表を作成するのは、転記の正確性を確認するためです。転記の正確性は、第1に、試算表それ自体において、最終行に示される借方と貸方の合計金額が等しくなることによって確かめることができます。これを貸借一致というように呼びます。

貸借の合計は必ず一致するため、合計が合っていないと転記ミスがあることになります。なぜなら、すべての取引がもともと借方と貸方が等しくなるように仕訳されているはずですし、転記の作業は仕訳の借方と貸方の金額を元帳の該当科目の借方科目へ写し替え、仕訳の貸方は元帳の貸方へ写し替えたものにすぎないからです。

試算表は、各勘定科目の貸方と借方の合計や残高をそれぞれ記入していき、間違いがなければ貸借の合計は一致するので、これによって正しく仕訳や転記がなされているかをチェックします。もし、貸借が一致しないような場合には、再度、転記の作業をたどって一致するまで調査を繰り返さなければなりません。このようにして、試算表を作成を利用して、記帳手続きの正確性を点検することができる仕組みを、複式簿記の自己検証機能と呼びます。

試算表の種類

試算表には、合計試算表残高試算表合計残高試算表の3種類があり、最も多く利用されているのは合計残高試算表です。名前は似ていますが、合計だけを表すのか、残高だけを表すのか、その両方を表すのかの違いがあります。

合計試算表は、合計試算表とは、総勘定元帳の各勘定科目の「貸方の合計」「借方の合計」を記入した試算表です。仕訳ごとに貸借一致しているため、総勘定元帳の転記が正確にされていれば借方合計と貸方合計は必ず一致します。合計が一致しない場合は転記ミスや転記漏れがあるため確認するようにしましょう。合計試算表では、借方合計と貸方合計の確認でき、転記ミスや転記漏れを発見するのに適しています。

残高試算表は合計試算表とは違い、どちらか一方の残高として表示されるため借方残高と貸方残高を把握することができます。総勘定元帳の借方合計と貸方合計が一致することなく、勘定科目の借方と貸方の合計の差額を残高として記入しているのが残高試算表です。

合計残高試算表は合計試算表と残高試算表を合わせた試算表です。合計試算表と残高試算表が一緒になっている試算表となっています。

また、試算表は基本的に決算整理の前後に作成されますが、期中取引に関する転記の正確性をチェックするため、決算整理前に作成されるものを決算整理前試算表と呼ばれます。決算整理事項に関する転記の正確性をチェックするため、決算整理後に作成されるものを決算整理後試算表と呼ばれます。ただし、あくまでも試算表は転記の正確性をチェックするためのものなので、決算前後に限らず必要に応じて(例えば期首や月単位などで)作成される場合もあります。

試算表を作成する意義

会計帳簿を正確に作成できるのであれば、試算表を作成する必要はありません。しかし、会社や個人事業の取引は金額や量も大きく、どうしてもミスが発生します。このミスを防ぐ役割を担うのが試算表です。

決算の時期に試算表を作って誤差がなければ、会計期間中の記載は正確だったことになります。また、決算時期以外でも定期的に試算表を作成することで、事前に問題を把握することができます。

試算表は決算書類である貸借対照表と損益計算書を作成するための集計表です。貸借対照表と損益計算書は決算時期でないと作成することはほとんどありませんが、試算表を作って確認すれば、日毎・月毎の資金の流れや売上の増減を確認することができます。

まとめ: 試算表は決算の前に必ず作成するもの!

試算表を作成した時に、借方と貸方のそれぞれの合計は一致します。もし一致しなければ、転記する際の書き間違いや、勘定口座の合計の計算間違いなどが考えられます。その場合は仕訳帳に戻って訂正することが必要です。これが試算表のチェック機能です。

この記事を書いたライター

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