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収支決算書ってなに?中小企業でよく使われる決算書を詳しく解説!

HUPRO 編集部
収支決算書ってなに?中小企業でよく使われる決算書を詳しく解説!

収支決算書は会社の資金繰りを確認するのに便利な計算書です。大企業ではキャッシュ・フロー計算書が作成されているため、収支決算書が作られることはないものの、作成しない中小企業においては、収支決算書を作ることで会社の資金繰りを確認できます。この記事では、そんな収支決算書について詳しく解説します。

収支決算書ってなに?

収支決算書とは、一定期間における「収入」と「支出」をまとめた決算書のことを言います。会社のお金の出入りを、実際の動きでとらえられるため、いつ資金が足りなくなるのか把握することができるので、会社の資金繰りを確認するために便利な計算書です。

「資金繰り」とは、入ってくるお金と出ていくお金のやりくりのことをいいます。お金の出入りと現状を把握して資金をうまく回せるようにしておかなければ、帳簿上は利益が出ているにもかかわらず資金が足りなくなり、債務の返済や給料、必要経費などの支払いができなくなる恐れがあります。この状態が続くと、たとえ黒字であっても倒産になりかねません。したがって、収支決算書を使って自社の現金(キャッシュ)の状況を確認します。

収支決算の意義

一般に、企業会計の決算書は、発生主義会計によって利益を計算する仕組みとなっています。発生主義会計では、「収益」と「費用」をまとめて決算書(損益計算書)を作成します。

発生主義会計のように、収入から費用を控除して利益を算定するためには、損益計算書に計上すべき収益と費用の範囲、その計上時期及びその金額を確定しなければなりません。収益とは、経済活動によって企業に流入した価値であり、費用はその過程で消費されて企業から流出した価値のことを言います。

したがって、収益とは、純利益を増加される項目であり、原則として資産の増加や負債の減少を伴って生じるものとして定義されます。一方で、費用とは、純利益を減少させる項目であり、原則として資産の減少や負債の増加を伴って生じるものです。

収益と費用は、企業活動にともなって、連続的・反復的に生じているので、両者の差額として利益を測定するためには、個々の収益と費用の計上時点を特定しなければなりません。この判断は、収益と費用がいつ生じたものとして認識するかを決定するという意味で、認識の問題と呼ばれています。

それでは、発生主義会計では、収益と費用はいつ生じたと考えるのでしょうか?
発生主義会計では、経営活動の成果と関連する重要な事実が生じた時点で認識されます。ここ言われている重要な事実とは、一般に販売取引の成立に伴う商品の引渡やサービスの提供のことを言います。

他方、費用もまた現金支出の時点とは無関係に、経営活動の過程において消費された時点で認識されることになります。発生主義会計は、収益や費用が生じたことを意味する経済的な事実の発生時点でそれらを計上するとともに、収益と費用の対応関係を重視するという特徴を持っています。

一方で、収支決算書は現金主義にもとづいて作成されています現金主義では、キャッシュが流入したときに収入、キャッシュが流出した時点で支出を認識するシンプルな方法で利益を計算します。たとえば、企業が当期に400万円の現金を支払って仕入れた商品のうち、250万円分について、売価300万円で得意先に掛売りしたという取引を考えてみましょう。このとき、現金主義では、次のように利益を計算することになります。

商品の売上収入0 - 商品の支出400 = 利益▲400

このように、現金主義にもとづけば、収益は現金収入に基づいて計上されるので、掛け売上の時点ではまだ収益として計上されることはありません。他方で、費用は現金支出に基づいて計上されるので、商品仕入のための現金支出額400万円が費用となります。この結果、当期には、400万円の損失が計上されることになりますが、この利益計算は非現実的であることは直感的にもわかると思います。

これは、会計上利益の算定が入金の有無に関係なく、売上を計上する考え方で、実際の資金の回収および支払いの時期が相違するからです。

収支決算書は、現金主義に基づいて作成されている以上、上の説明にもとづくと、非現実的な利益計算を行っていることになります。しかし、現金主義に基づいた収支決算書では、収入と支出というシンプルな事象に基づいて利益を計算するというメリットがあります。そのため、会計の特別な知識が必要なくともお小遣い帳の延長のように作成することができ、会社に今現金がどれくらいあるのかが明確になるという意義があります。

まとめ: 収支決算書は資金繰りを確認するために必要!

特に中小企業にとって、収支決算書は重要な意味を持っています。その理由は、資金繰りを確認することができるからです。収支決算書が赤字になっているということは、一定期間の間にキャッシュが会社から流出したことを意味していますし、収支決算書が黒字である場合には、一定期間の間にキャッシュが会社に流入したことを意味しています。

キャッシュが会社から流失していれば、今後、取引先に支払いができなくなるかもしれません。借入金を返済していくことも難しくなる可能性があります。それがわかるようになるために、収支決算書を作成するというわけです。

収支決算書が赤字になると、新たに銀行などからの借り入れが行いにくくなるなど、会社の資金繰りはますます悪化することになります。したがって、収支決算書をきちんと作って、会社の資金繰りを確認することが大切です。

この記事を書いたライター

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