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複数の肩書きを持つアエリア元CFO須田(スダックス)さんとは何者か?

HUPRO 編集部
複数の肩書きを持つアエリア元CFO須田(スダックス)さんとは何者か?

20代で株式会社アエリアのCFOとしてIPOを行い、その後も様々な企業のM&Aや上場企業のTOB、企業再生を経験され、現在でもベンチャー企業を中心に社外役員・アドバイザー・アクセラレータとして活躍されている須田仁之(すだみゆき)さん。他に例を見ないほど多くの企業に携わってきた須田さんは鳥と話せる?特別なスキルも持ったCFO経験者とのこと。経験豊かな須田さんに色々とお話を伺ってきました! (※須田さんの今までの詳しい経歴についてはスダペディアをご覧ください。)

須田仁之とは何者か?〜CFOの観点から迫る〜

−こんにちは。まず最初に、須田さんが今までされてきた多くの経験の中でも、大きく成長できたというエピソードを教えてください。

須田さん(以下、須田):20代で言えば、やはりソフトバンクグループで「孫さんと働いたこと」でしょうか。

−「孫さんと働いたこと」で成長できたというのは経営の考え方や事業の動かし方を学んだということですか?

須田:経営や事業といった具体的なものというより、孫さんは「日本トップクラスの破壊的な起業家」
でしたので、すぐ近くで「体験」出来たというのが大きいですね。なかなか言語化出来ないのですが、本を読んだりするだけでは経験できない「実体験」というか。また、ビジネスをまわしていくスピード感が無茶苦茶というかハンパなかったですね。正直、体力的にも精神的にも相当きつく、毎日戦場に行くような気持ちで働いていましたね。要は、生きるか、死ぬかです(笑)

−30代ではどうでしょうか?

須田:30代で言えば、CFOとして会社の上場を経験したことでしょうか。しかも、1社上場したと思ったら、翌年もう1社子会社を上場させまして。常に締め切りに追われながら、全くホッとできない状況が続いていました。若い人向けに状況を説明すると、バイトを掛け持ちしてて同じ時間帯で⚪屋でワンオペしつつ、マク⚪ナルドでもワンオペしている感じですかね(苦笑)。30代ではオペレーションの回し方や効率化を進めていくという経験を積むことが出来ました。

−早速、インパクトのあるエピソードをありがとうございます(笑)
では、上場する企業のCFOとして一番大変だったことって何でしょうか?

須田:大変なことはいろいろありますが、多くのステークホルダーとのコミュニケーション設計は大変でしたね。具体的に言うと、上場するにあたって、証券会社さんから100枚ぐらいの資料作りを要求されます。ドーンと山盛りの宿題が出されるのです。で、その宿題を提出し終えたと思ったら、また同じぐらいの分量で新たな質問が宿題として出てきて、またそれに追われて、という繰り返しですね。しかもその質問が重箱の隅をつつくような本質的なものじゃなかったり、前回回答したはずのものを再度聞かれたりするので、根気が問われる作業でした。自分だけがそれを我慢するのならいいのですが、その回答を作るのに他の事業部門の責任者にヒアリングしなきゃならなくて「お前、それ前答えたじゃんか!同じこと聞くなよ!」みたいに言われちゃうわけですよ。また、会計士さんや弁護士さんなどプロフェッショナルの方ともちゃんとコミュニケーションとらなければ進められないので、とにかく「いろんな人と柔軟にコミュニケーションする」という調整スキルを求められましたね。

−上場企業のCFOとして働かれたお話を伺いましたが、それまでにファイナンス関連の経験はあったのでしょうか?

須田:まっっったくないです。簿記3級も落ちてます(苦笑)

−そうなんですね。そうすると、CFOになられてからファイナンスの勉強をされていったのでしょうか?

須田:してないですね。。上場を準備するステージのベンチャー企業の管理部門って、会計士さんや弁護士さんがしっかりサポートしてくれるわけですよ。自分で考えるよりもその道のプロの方々にちゃんと会話ができるってことの方が重要でしたね。僕はとても知識が少なかったので、「アホなんで教えてください」スタイルでやってました。(笑)ただ、人間って自分よりアホすぎる人とは会話したくないので、絶妙なバランスが必要なんですよ。要は「人に上手く(嫌われずに)聞く力」ですかね。

−ベンチャー企業を相手にする専門家は、現在多くなっていると感じますが、CFOをされていた当時の状況はどうでしたか?

須田:当時はほとんどいなかった気がしますね。弁護士で言えば、AZXさんがベンチャー企業向けのリーガルサービスの提供を始めたばかりの頃だった気がします。上場まではAZXさんにガッツリサポートして頂いた記憶ですね。上場後にM&A等を進めるようになったステージでは、四大法律事務所の森・濱田・松本事務所さんとお付き合いさせて頂きました。今ではパートナーとして有名な増島先生がまだ若い頃にお仕事させて頂きました。

−それを考えると、現在はかなりベンチャー企業の管理部門の支援が充実していますね。

須田:ほんとに充実してきていますね。会計士や弁護士といった専門家だけでなく、社会全体がベンチャー企業の方を向いてきていますね。大企業がベンチャー企業と組む「オープンイノベーション」も流行ってますしね。

−今まで色々な企業の上場を経験されてきていますが、上場によって得られるメリット、逆にデメリットがあれば教えてください。

須田:上場することでの知名度の上昇や採用の部分で有利になるということが大きいでしょうね。ベンチャー企業の地位が向上したといっても、新卒採用なんか見ていると、未上場ベンチャーでチャンレジしたいという人より、上場企業である程度安定している環境でチャレンジしたいという人の方がまだまだ多いですね。昔よりはマシですが優秀な学生はまだまだ大企業志向な気がしますね。デメリットについては、管理部門のコストが毎年一定にかかってしまうことですかね。あとは「上場ゴール」になってしまって、経営陣や従業員が経済的なインセンティブを得た上で辞めてしまうとかですかね。あとは市場からは「継続的な成長」を求められるので、背伸びをして無理をしてしまうケースもありますね。上場後のM&Aでの失敗とかよくありますね。

−須田さんは今まで新卒から一貫してベンチャー企業関連のお仕事をされてきたと思うのですが、どのような想いやこだわりを持って今までのお仕事に携わられてきたのでしょうか?

須田:想いやこだわりは全くないかもですね(苦笑)。たまたまというか、新卒でベンチャーの業界に足を踏み入れたからかな。。。あとは今更大企業では働けない気がしますね。スキルというよりはマインド的に合わなそうで、すぐ「窓際族」になる気がします。。。

−そうすると、キャリアという観点から考えると、ファーストキャリアというのはその人にとってすごく重要ということでしょうか?

須田:人は環境に影響されますからね。ファーストキャリアは社会人としての「幼児体験」で、その後のキャリア設計に影響を及ぼすって記事も読んだことある気がしますね。

須田仁之とは何者か?〜プライベートの観点から迫る〜

−それでは、次の質問なのですが、須田さんにとっての幸せなお金の使い方とは何でしょうか?

須田:「お金」か。。苦手な質問ですね。。うーん、最近感じるのは「お得感」
を得られたときかな。金額の多寡にかかわらずお得に買い物ができたときとか。個人的には高級フレンチよりも安く酔える居酒屋が好きですしね。

−せんべろですか?

須田:せんべろは僕の得意分野ですね(笑)客単価3,000円前後で食べログ3.5以上の飲み屋を制覇する活動をしています。あ、この話をするとキャリアに関係なくなるので強引に仕事につなげると、「お得感」については、投資やM&Aのディールにも重要な観点ですよ(笑)。そういえば僕のせんべろ友達は金融業界の人が多いなー、みんな「価値」にシビアなんですよね。「このやきとんの相対的価値はあるか」「このお通し代ののれん代を回収するにはあとホッピーを何杯飲めばいいか」みたいな会話(笑)。

−「お得感」が幸せと仰っていましたが、プライベートでも仕事でも、買い物をするタイミングでやはり何がお得かということをしっかりと前もって調べるタイプなのでしょうか?

須田:プライベートでは直感派ですね。仕事はまあテキトーだと怒られるので調べますけど。仕事では20~30代のころはひたすらエクセルワークをしていて、ビジネスプランやらパフォーマンス分析やら投資リターンとかそんなのばっかやらされてたんですよ。で、この仕事でマスターした知識を持って自分で投資とかやっても全然うまくいかないんですよね。リーマンショックとかでクソ大損しました。それを機にどんなにエクセルやっても「不確実性には勝てない」って思いましたね。あとプライベートでいうと「恋愛」とかってエクセルで計算出来ないですからね。計算やロジックだけでは幸せになれないので、直感とか運とか非ロジックなものが最終的には好きですね。

−「投資」や「投機」はお好きですか?

須田:嫌いですね(笑)。まあ、公私ともにいろいろやりましたけど、お金って「得た喜び」よりも「失った傷」の方が大きいんだよなー。まあ、僕がセンスがなくて多くの失敗をしているからかもしれませんが。(苦笑)学んだのは「レバレッジには気をつけろ」ぐらいかな。

−須田さんのゆずれないこだわりや他の人との違いありますか?

須田:こだわりは全くないからなー。他の人との違いかぁ。まあ、運とか見えないものを重要視するようになってからは、弱い者、例えば、人以外の生き物とかに優しくしてる気がしますね。しょっちゅう虫さんを助けたりしてますね(笑)。虫さんを助けるとその虫さん界隈で話題になるのか、その数日後に他の虫さんが「ありがとう」を言いに来るんですよね。はい、すいません、今自分ヤバい話ししてますよね、認識しています。(笑)。あと、この流れで言っちゃうと、鳥さんとも仲良くなってまして、1年前ぐらいから鳥のエサを持ち歩くようになってちょくちょく通りすがりの鳥さんにエサをあげてたら、何となく会話が出来る感じがしてますね。(笑)

−ホントですか。。(苦笑)こっちもそのハナシに乗っちゃいますが、ここに行けば出会える!みたいな都内の鳥スポットはあったりするんですか?

須田:え?この話、ホントに記事にするの?(笑)あー、あんまり教えたくないけど、公園や川沿いや神社とかですねー。あと時間帯は早朝がいいですね。

−須田さんが、鳥を含めて自然に興味を持ったきっかけは何かあったのでしょうか?

須田:え、まだここ掘るの?このインタビュー大丈夫??(苦笑) うーん、何ででしょうかねー。まあ、茨城の田舎から上京して20年近く東京というコンクリートジャングルで働き続けたことで、体の中がサビだらけになったんじゃないかな。都会でバリバリ働けるのは若いうちですよ。ま、オッサンになったってことです。ここは掘らなくていいよ(苦笑)。

−すいません、ちょっと個人的に興味ありまして(笑)
それでは、最後に、須田さんの将来の夢を教えてください。

須田:未だ人生で仕事を楽しいと思ったことがないので、まずは「仕事を楽しい」と思えるようになることですね。40代になってから改めて自分の父親に仕事の相談ってのをしてみたんですよ。ほぼ初めて。これは皆さんにオススメなんですけど、自分って結局両親のDNAから成り立っているので、改めてそのDNAを調べるって重要だと思うんですよね。自己分析するんだったらそのDNAを分析すべきってことで。まー、要は両親を調べることですね。男ってなかなか父親と腹割って話すこと出来ないですからね、ここは盲点でした。父親と会話してみて彼の若い頃の仕事っぷりとか聞いてみると、恐ろしいぐらい「自己と類似」していました。酒の失敗とかも「それ、俺と全く同じことしてるじゃん!」みたいな。ヒアリングしてみて唯一違ったところが「仕事ほど楽しいと思ったことはない」ところでした。父は仕事を楽しんでいた。同じようなDNAで出来ているのに、そこは僕は達成できてなかったので、それはやりたいなって思いました。同じような要素で出来てるわけだから実現可能性も高いはずですし。

−須田さんの中で、こんなことが「楽しい」のではないか?「嬉しい」のではないか?というあたりみたいなものはつけているのでしょうか?

須田:父との差異分析でわかったことは自分自身で「アウトプット」していないことかなって思ってます。父親は職人というかクリエーターで、模型を作る仕事だったのですが、商品を自分の手で「産んでる」んですよね。男性は生物学的に「産めない」ので、仕事で「産む」のが至上の喜びになるんじゃないかなって思ってます。

−本日はありがとうございました。

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