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女性こそ公認会計士を目指そう!結婚もキャリアも諦めない選択

HUPRO 編集部
女性こそ公認会計士を目指そう!結婚もキャリアも諦めない選択

「女性登用」と言われていますが、男女の差がなく働けて評価され、出産などでブランクがあっても復帰や再就職が容易な職種は限られます。その1つが公認会計士です。女性が2割ほどの業界ですが、女性こそ公認会計士を目指すべき理由について解説します。

公認会計士は難しいからこそチャレンジしがいがある

公認会計士の合格率は5%前後。弁護士や医師免許と並んで取得が難しい「日本三大難関」の国家試験として知られています。試験は、短答式試験と論文式試験の2種類です。

短答式試験(マークシート方式による択一式試験)

受験科目:会社法、管理会計論、監査論、財務会計論
年に2回行われます。

論文式試験(科目別の筆記試験)

短答式試験に合格してからでないと受験できない
受験科目は6科目。
必須5科目(財務会計論、管理会計論、監査論、企業法、租税法)
選択1科目(経営学、経済学、民法、統計学の4科目から1つを選択)

年に1回行われます。

勉強期間の目安

公認会計士は、短答式試験に一度合格すると、2年間免除があります。そのため、2~3年間の期間を絞って勉強する人が多いです。
公認会計士の合格には、大体3000時間の勉強が必要といわれています。勉強期間中はほぼプライベートな時間はないと思って良いでしょう。

仮に2年間勉強するとすると、
3000/2(年)=1500時間(1年間) 1500/48(週)≒32時間 32/7(日)≒4.6時間

1日4.6時間の勉強が必要です。といっても社会人が平日に4.6時間勉強することは難しいでしょう。仮に2時間の勉強として、残りを週末に回すと、週末には22.2時間。つまり土日は11.1時間ずつ勉強が必要となります。

このため、公認会計士試験を受験するのも合格するのも、勉強時間の確保がしやすい大学生が多いのです。

勉強をはじめるのであれば、1日でも早くが鉄則です。

男女差がなく高給!公認会計士の年収

公認会計士の場合、資格試験に合格したからと言って、すぐに公認会計士として登録することはできません。監査法人などで公認会計士の補助を行いながら、実務経験を2年以上積み、修了考査に合格することで公認会計士としての登録ができます。

実務経験の間は「業務補助」で公認会計士のアシスタント的な仕事を行いますが、この間の給与も悪くありません。大手の監査法人でだいたい年収が600万円ほど。中小規模なら、年収500万円くらいになります。

そして、2年以上の業務補助の仕事が終わり、公認会計士として働きはじめると年収はグンとアップし、ランクアップすることで1000万円の大台を超えることもめずらしくありません。もちろん男女差はなく、実力勝負です。そのため、公認会計士の資格に加えて、公認内部監査人や情報処理技術者などの資格を取得する人もいます。より高度な資格や、他業種の資格と公認会計士を組み合わせることで、新たな領域の仕事も可能です。

一般企業に勤める女性の年収は、賃金構造基本統計調査(厚生労働省)によると、ピークで平均330万円というデータがあります。それに対して、20~65歳の公認会計士の平均年収は1,010万円です。公認会計士として働く女性の年収と比べると、一般労働者の女性が受け取る額の方が相当少ないですよね。

さらに生涯年収で見ると、公認会計士は4億円超。大企業のサラリーマンでも2~3億といわれているので、いかに公認会計士の資格が強いかわかるでしょう。
「しっかり稼ぎたい」と思う方が手にすべきは民間資格より国家資格。公認会計士の資格は、男女差がなく高給を手にしやすいのが魅力の1つといえるでしょう。

就職・転職活動が楽

資格を手にしても、就職活動や転職活動で心を折られてしまう人は珍しくありません。
司法試験の場合は、合格してもいわゆる四大事務所に入ることは難しいです。しかし、公認会計士の場合は別。合格者の90%はBIG4(EY新日本、トーマツ、あずさ、PwCあらたの4つの監査法人のこと)のいずれかに入社できます。

このように、よほどのことがない限り就職・転職に困らないのも公認会計のメリットです。
大学生のうちに公認会計士試験に合格していれば、就活で疲弊することもなく新卒で監査法人に入社でき、いわゆる一流企業よりも高い年収からスタートできます。中堅監査法人は大手監査法人と比較すると年収は若干下がる傾向にありますが、一般事業会社で働くよりも平均的には高収入です。

さらに、監査法人で経験を積んでから一般企業へ転職するのも、通常の転職に比べたら比較的容易です。しかも財務関連の役付・役員などでの好待遇で迎えられるのです。ベンチャー企業であれば、若くしてCFO(最高財務責任者)となることも珍しくありません。

もちろんその分、責任は重いです。しかし、恵まれた年収でやりがいのある仕事がしたいという人にとっては、公認会計士は非常におすすめの資格といえます。

公認会計士だと結婚できない?

公認会計士だと結婚できない?

難易度の高い資格を持っていたり、高給取りだったりすると「周りの男性が引いてしまって結婚できないのでは?」と心配される女性も多いようです。

「今はもう令和なのに……」と思うかもしれません。実は大企業だったり高給なところほど、びっくりするほど時代錯誤な思考が残っている場合があります。表だっては女性の人材活用や役員・管理職登用などを積極的に行っている組織や企業であってもです。

そのような風潮があるところにいると、自分もその価値観に染まってしまいます。しかし、自分がすごく頑張って手に入れた資格と職業に対して、引いてしまうような価値観の人と一緒になっても幸せになれるでしょうか?

公認会計士試験を突破された方は、男女問わず非常な努力家。目標に向かって集中して努力できることは類いまれな美点です。「自分は女性としてかわいげがない?」といらない悩み事をさせるような職場に、年収やネームバリューのためにいる必要はありません。せっかく公認会計士という資格を手にしているのですから、転職には困りませんし、いっそ独立しても良いのです。

公認会計士だと、大企業ばかりを相手にすることが多く、どこに行ってもこうした風潮にめげてしまいそうになるかもしれません。しかし、昨今の若い中小企業経営者などは非常に柔軟な思考を持っています。幸いにも公認会計士は転職先には困りません。難関資格を取った自分の頑張りを、人格も含めて評価してくれる場所を転職して探してみるべきです。

ブランクがあっても復帰しやすく働き方も選べる公認会計士

結婚や出産、育児や介護でブランクや働ける日数が少なくなったとしても、安心して仕事ができるのか、柔軟性のある働き方が認められるのかということは、これから自分のキャリアを考えるにあたって非常に重要なことです。

仮にアルバイト・パート勤務を選ぶとしても、普通の派遣社員だったら時給1500円前後。ですが、公認会計士であれば時給5000円超~で働くことができます。特に決算期のような繁忙期には公認会計士の資格保持者に対するパート・アルバイトの募集も多くあるので、働くところには困りません。

決算期の業務負荷が高くて子育てとの両立が難しいという事であれば、監査法人ではなく時短勤務などを導入している一般事業会社を選んでも良いのです。転職しやすいため、ライフスタイルの変化に応じて働く場所を変えられるのも公認会計士の魅力といえます。

女性が選ぶ仕事の選択肢が増えても、ライフスタイルに合わせて柔軟な働き方ができる資格というのは、実はそう多くありません。自分の人生において主体的に働くことができるという意味でも、公認会計士は本当におすすめできる資格といえるでしょう。

今の環境を変えたければチャレンジを

これからは学歴より実力が問われる時代です。今、公認会計士の資格取得に興味を持っている人は、ぜひ挑戦してみましょう。一般的に、会計士試験は難しいと言われています。確かに誰でもなれるというわけではありません。しかし、学歴も年齢も制限はありません。適性があれば高校生でも合格しています。

たとえ残念な結果に終わったとしても、その期間に本気で集中して勉強したという過程で得られることは必ずあるはずです。

試験に合格できれば一生モノの資格が得られます。もちろん、会計士になったからと言って全てがバラ色ということはありません。なってからも勉強・努力はもちろん必要です。しかし、自分が公認会計士になることで世間的な地位も高くなり、出会う人たちも変ります。今いるところとは違う世界が待っているのです。

人生の選択肢を広げてくれる公認会計士

もし資格なしで一般事業会社に入ったとしましょう。順当に出世して管理職になってしまうと、実務に携わることは少なくなり、調整業務に追われることになってしまいます。もし妊娠・出産でブランクができてしまうと、管理職になるのも難しいかもしれませんし、経営陣に加わりたいと思っても困難でしょう。

また、入社した時は優良企業だったとしても、今後どうなるかわかりません。コロナのような突然のパンデミックが起これば、まずはある程度年齢のいった、資格のない人たちからリストラされてしまいます。

その点、公認会計士は年齢に関係なく自由に働くことができますし、仮に一般事業会社で働いていても、転職が容易です。2~3年死ぬ気で頑張ることで、一生選択肢を多く持って生きていけるのです。

女性は、自分では望むと望まずと関わらず、ライフスタイルの変化が生じやすいです。そんなとき、自分のベースになるような資格があることは、これからも自分が人生の困難に直面したときに、それを乗り越える力となってくれるでしょう。

この記事を書いたライター

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