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東証一部上場企業からベンチャーへ転職!レンティオ株式会社 執行役員管理部長 小松祐介氏が語る大企業とベンチャーそれぞれの魅力とは?〜管理部立ち上げストーリー〜

HUPRO 編集部
東証一部上場企業からベンチャーへ転職!レンティオ株式会社 執行役員管理部長 小松祐介が語る大企業とベンチャーそれぞれの魅力とは?〜管理部立ち上げストーリー〜

新卒で東証一部上場の企業に入社。その後、部長職まで昇進したキャリアを経て、ベンチャー企業に転職した小松さんにHUPRO編集部がお話を伺いました。大企業での経験や転職の経緯、大企業とベンチャーそれぞれの魅力などについて貴重なお話を聞くことができました。

【ご経歴】

2003年 ワタミ株式会社入社(旧:ワタミフードサービス株式会社)
2017年 DMMグループのFintech新規事業
2019年 レンティオ株式会社入社

東証一部上場企業に就職

―これまでのご経歴について教えてください。

2003年に新卒で「ワタミ株式会社」に入社しました。そこで現場に配属され、居酒屋の店長を5年間勤めたあと、異動の申請をして、本社の経理財務部に9年ほど在籍しました。最後の4年間はホールディングスの経理財務部長として、国内外の経理財務業務全般を携わりましたが、ワタミの経営悪化という大変厳しい状況に直面していました。急速に伸びていた時期から苦しい時期の再生に至るまでの経理財務を担当し、どうにか赤字から脱却し財務状況改善の目処が立ったのを機会に卒業をしました。

その後にDMMグループのFintech新規事業立ち上げに経理財務責任者として参加しましたが、仮想通貨漏洩事件等の影響もあり1年ほどで事業がクローズになり、現在のレンティオに入社しました。

これまでのご経歴について教えてください。

―就職活動の際に飲食業界を選ばれたきっかけは何かありましたか。

実を言うと、就職活動を始めたときにはまったく飲食に興味はありませんでした。私は北海道出身なのですが、当時北海道に和民はなくて(笑)。
しかし就職活動を進める中で、次第に「社会を大きく変えたい、変えようとしている企業」というものに興味が出て来たんです。その当時、創業者の渡邊美樹氏の「君はなぜ働くのか」という話を聞いて、そこから就職先として考えるようになりました。

―当時、印象に残っていることはありますか?

入社当時、サービス業未経験の状態から短期間で店長を目指すのがハードでしたね。サービス業というところで労働時間が長かったと思いますし、それに加えて店長という役職は、一店舗の経営者です。

疑似的な経営者として社員やアルバイトを含めて50人規模の従業員を抱え、一店舗のPL管理までする。言うなれば経営の訓練を受けているようなもので苦労も多かったですが、今では「この経験をしていて良かった」と思います。

なぜなら、もし本社からスタートした場合、現場の苦労とかそこで何が起きているのかが見えないことも多かったでしょうし、新卒から多人数のマネジメントをできる経験はなかなか得られるものではありませんので、その泥臭い経験が現在でも役立っています。

ー店長から経理に異動されますが、きっかけは?

5年やってみて、サービス業の営業という仕事はとてもやりがいがあったのですが、自分が一生やり続けたいと思う仕事ではないなということがある程度わかったんです。そこで、自分に合ったキャリアとはなんだろうと考えていた時、経理に移動した元上司と話をする機会がありました。僕は商科系の大学を卒業していて、学生時代に会計を学んでいたこともあり、それほど遠い世界と感じませんでした。

当時フリーエージェント制度というものがあって、(いわば社内で転職活動をするようなもの)その制度で応募して経理への異動が決まりました。

といっても最初は経理の実務なんてほとんどわからなくて、実践経験を重ねて、一つずつ学んでいきました。初めはスタッフとして単体決算に始まり、その後、連結決算とCF・税務・開示などを担当し、主任・課長と役職が上がり、部長クラスではバンキングリレーション、M&A、経理業務のBPOを経験しました。海外にも事業展開していたため、中国や台湾、シンガポールといった海外の経理も見るようになり、最終的には経理と財務、内部統制でやらないといけないところすべてに関わっていました。

一部上場企業からスタートアップへの転職

一部上場企業からスタートアップへの転職

―そこからDMMグループのFintech新規事業に転職されます。これはどのような理由があったのでしょうか。

2013年頃から会社の業績が悪化しはじめ、会社が潰れるかもしれないと強い危機感を抱きながら部門長として4年間を過ごし、事業再編や離職等による経理人員の減少・監査手続きの高度化が急激に進みました。さらに、時期を同じくして事業再生プロジェクトが始まり、介護事業の事業譲渡に伴うデューデリジェンス対応等を実施しなければなりませんでした。また、経理では大幅な人員減少があったため根本的な組織変革も必要となり、最終的に経理業務の約7割をBPOすることに至りました。

BPOを通じて財務経理部門に所属する50人ほどの従業員を10人まで減らすことになり、中には、配属当初の頃に支えてもらった方も大勢いらっしゃって、その方々に「これからは別部署になります」という異動を言い渡すのは大変心苦しかったです。

その時は、精神的に非常に厳しい状態でした。そんな中でも、「経理部へ戻す」と約束した方を後で経理部に戻したり、可能な限り希望する部署に配属されるようアフターケアをしました。その過程で、社員が安心して働ける環境について考えるようになり、社員が安心して働ける環境を作れるか否かは会社の成長次第であり、言い換えれば経営能力に大きな影響を受けるものだと強く問題意識を持つようになりました。

仮定の話を言っても意味がないことは承知していますが、もしこのような状況になる前に自分に力があって経営判断に貢献出来たら変えられたかもしれない。財務に携わる者として経営により貢献できる力が欲しいと切実に感じるようになり、このまま残り続けても会社を本質的に変える力が得られるような成長を出来ない。一度外に出るべきだという結論に至りました。

―なぜ転職先としてFintech新規事業を選ばれたのでしょうか

就職活動のときにも感じたことですが、やはり社会を変えるような大きなビジネスに関わりたいという思いがありました。仮想通貨交換業(ブロックチェーンを用いたサービス)は新しい金融のプラットホームとして、既存の金融業界を打破する可能性があることに魅力を感じていて、自分も新しい常識を作る挑戦をしたいと思いました。そして、そのような挑戦を推し進めるDMMの経営手法も学びたいと考えていました。

ただ、両親からは「せっかく東証一部上場の経理財務部長になったのに、よくわからないIT業界への転職、しかも仮想通貨って何?」と、怒られてしまいましたね(笑)。

―どのような業務を担当されていたのでしょうか。

立ち上げ初期は、事務メンバーがいましたがほぼ1人で経理と財務を担当していました。またその頃は仮想通貨交換業の業界団体がようやく立ち上がったところで、どこも手探り状態にあり、経理財務と決済業務の方針・オペレーション・規定類をゼロから作り、監査法人や金融庁・親会社への説明などを担当していました。

仮想通貨交換業は多額の資金が動くことに加えて、オペレーションを止めることができません。金融業として厳格な運用が求められるので、決済や在庫管理オペレーションを構築するというのは非常に知的体力が必要な仕事でした。

ベンチャー企業に二度目の転職

―現在のレンティオに転職された経緯を教えてください。

事業環境の変化により仮想通貨交換業の立ち上げは1年ほどでクローズになってしまい、DMMグループ内での新規事業子会社で管理部マネージャーをやらないかというありがたいお誘いもありましたが、改めて自分がどうしたいのかという考えたとき、自らもリスクをとって起業家と共に社会を変える挑戦をしたいとベンチャーに身を投じることを決めました

そんなとき、たまたま一緒に仕事をする機会のあった岩崎さんの立ち上げた副業を支援するマッチングサービス「YOUTRUST」に登録する機会があり、登録した直後にDMが飛んできて、それがレンティオの代表三輪さんでした。ただ、YOUTRUSTは副業のマッチングサービスなので、僕自身も副業で手伝うぐらいの軽い気持ちでお話させていただいていたのですが、ディスカッションをしていくうちに、レンティオで働いてみないかということになり、オファーを頂いてから2週間程度で決断しました。

―現在の業務内容について教えてください。

執行役員管理部長ということで、管理部全般の業務を担当しています。経理財務、資金調達、内部管理、総務法務、人事といったところです。あとは、メーカーとの連携も深いので、営業事務も担当しています。

―入社してから、現在までの社内状況、体制の変化などはどうでしょうか。
入社当時、従業員数は30人程度で、私が管理部門1人目でした。私が入社するまでの管理業務は、業務委託メンバーや代表の三輪と事業部の社員が兼務することで補っていました。そこから2年程度が経ち、現在の従業員数は80名を超え、管理部は5名となりました。また、当時はワンフロアですべてに目が届く範囲だったのですが、現在はツーフロアの物流拠点を新設し更なる増床も検討しております。

現在の業務内容について教えてください

―ベンチャーに入社してから苦労した経験などはありますか。

前職の仮想通貨交換業立ち上げ時も、レンティオへの入社時も、僕自身が金融やIT・ベンチャーへの知見がほとんどなかったので、キャッチアップが大変でした。

その他で、強いてあげるなら資金管理でしょうか。2020年2月の入社時にはすでに資金調達が終ったタイミングで十分な資金があったのですが、事業成長速度が上がるにつれて在庫投資に必要な資金が増加していくのがわかり、成長投資と資金調達・オペレーションのバランスを取らなければならない経営上の難しさを感じました。また、入社当初は、どの業務にどれだけ関わるかというのは明確ではなかったので、自分が何を為すべきかを自ら決めて周囲に合意をとりつつ進めていけるような自律した考え方が必要だとも感じました。

そういう経緯もあり、2020年2月には10億円の資金調達を実施しました。金融機関との深いコミュニケーションを取ることで想定よりも高い金額で資金調達を行えました。

―他部署とのコミュニケーションで工夫したことなどはありますか?

まず何よりも、相手に対して敬意を持つことです。同時に、言うべきことは言うという当たり前のことを行うこと。
あとは、相手の懐に入っていくことじゃないでしょうか。僕の場合、最初は大企業の部長さんがベンチャーに来たという状況で、しかも他の社員より年上かつ経理ということでお堅いイメージもありました。なので、こちらから相手の懐に入るように意識していて、昼休みは休憩室のような人の集まるところに行って雑談をしたり、部活制度の立ち上げとその運営に携わる中で幅広く人間関係を作ることが出来ました。

―ベンチャー企業のコーポレート職に向けてのアドバイスがあれば教えてください。

私自身レガシーな大企業を飛び出し、ベンチャー企業へ転職したので、大企業・ベンチャー企業双方の良いところ、悪いところを見てきました。

安定した大企業からベンチャーに転職したいという方は、自分自身でキャリアを築く気概がある人が多いでしょうし、そのような気持ちがあるなら是非チャレンジできる時にしていただきたいと思っています。

一方で、大企業だから自分の望むことができない、ベンチャーだからできるということではありません。筋が通った提案と実行力があれば大企業でもやりたいことが出来ますし、ベンチャーでは到底扱うことのできない大きな資本と組織力で物事を動かすことが出来ます。もちろん、権限がないとか、稟議の可決に時間がかかるといった超えるべき課題はあります。しかし、本質的には、筋の通った提案を自ら実行するというステップは、大企業もベンチャーも変わらないと思っています。それを理解した上で、ベンチャーへ転職して自らキャリアを切り開いていきたいと考えるなんらかの動機とまずはなんでもやってみる姿勢があればとても楽しめると思います。

―最後に、会社の魅力についてPRをお願いします。

レンティオは、試してから買うという新しい消費体験を提案する企業として、急速に成長を続けており、CS、物流、事業開発、エンジニア、管理部門と採用活動は積極的に行っています。カジュアルな転職相談でも構いませんので、お気軽にツイッターDM等でご連絡頂けたら嬉しいです。

最後に、会社の魅力についてPRをお願いします

―本日はお話を聞かせて頂きありがとうございました。

今回インタビューさせて頂いた小松祐介さんが所属する
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この記事を書いたライター

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