監査法人の福利厚生は恵まれているのでしょうか?一見すると恵まれているようにみえる監査法人勤務者ですが、実際に、仕事に見合うだけの制度が充実しているかどうかには疑問があります。この記事では監査法人の一般的な福利厚生制度について具体的に説明します。
監査法人の福利厚生制度はどのようになっているのでしょうか?監査法人と言えども、何か優遇された福利厚生制度があるわけではありません。Big4と呼ばれる代表的な監査法人であっても、上場している企業と同程度の福利厚生制度と同程度の水準と考えておけば間違いありません。
中小の監査法人であっても、福利厚生の水準にはあまり落差がないのが、一般的な企業との違いです。一般的な企業では、上場企業ほど福利厚生が充実していて、中小企業になると福利厚生制度が十分に整っていないということもありますが、監査法人では一般的な企業ほどの違いはありません。
監査法人間であまり福利厚生制度に違いがないのは、おおよそ同水準に福利厚生制度がなければ、悪い福利厚生制度の監査法人には人が集まらず、人手不足で監査業務を行なうことができなくなってしまうからです。監査業務には時間も手間もかかりますし、ほとんどの場合、個人で監査を行なうわけではありません。したがって、監査法人間で福利厚生制度に大きな違いはないというわけです。
監査法人の一般的な福利厚生制度は以下の通りです。監査法人に所属する多くの人は公認会計士であり、公認会計士はその専門性を常に高めることが求められていることから、会社が公認会計士としての業務に必要な範囲で各種研修等の補助費用を出してくれることが監査法人の福利厚生制度の特徴となっています。また、監査法人の場合、自社で働く機会よりもクライアント先で業務を行なう機会の方が多くなるので、出張に伴う費用については手厚い補助(手当)が用意されています。
上で示したように、監査法人の福利厚生制度は、上場している企業と同程度の水準にあると考えておけば間違いありません。ただし、公認会計士として働くうえで有利となるような資格などの取得は手厚い補助が準備されていることがほとんどです。これは、公認会計士として働くためには高い専門性が必要であることに由来するものです。
逆に言えば、公認会計士として働くのであれば、こうした各種研修に日々参加して、自身の専門性を高めていかなければなりません。専門性を高める努力をしない公認会計士は、公認会計士として活躍することが難しくなります。特に、昨今では公認会計士にも監査や会計以外の知識を求められる機会が多くなっています。
監査法人の福利厚生制度は、一般企業の上場企業と同水準のものです。上場企業と同水準の福利厚生制度ということになるので、中小企業などに所属する人からみると、恵まれた環境にいると考えられるかもしれません。公認会計士になるためには、何百時間という勉強時間が必要です。
公認会計士が所属することになる監査法人は、それに見合うだけの福利厚生制度を整備しておかなければ人を集めることができません。そうなれば、監査サービスを提供することができなくなります。
したがって、各監査法人間で福利厚生制度が大きく異なっているということはありません。比較的恵まれた福利厚生制度があるのが監査法人ではあるものの、その仕事内容は専門性が高く、求められるサービスの水準も高くなるので、それに見合った福利厚生の水準となっているとは言えないのが現状であると考えられます。