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監査法人の福利厚生はどうなっているの?転職希望者向けに解説します!

HUPRO 編集部
監査法人の福利厚生はどうなっているの?転職希望者向けに解説します!

監査法人の福利厚生は恵まれているのでしょうか?一見すると恵まれているようにみえる監査法人勤務者ですが、実際に、仕事に見合うだけの制度が充実しているかどうかには疑問があります。この記事では監査法人の一般的な福利厚生制度について具体的に説明します。

監査法人の福利厚生

監査法人の福利厚生制度はどのようになっているのでしょうか?監査法人と言えども、何か優遇された福利厚生制度があるわけではありません。Big4と呼ばれる代表的な監査法人であっても、上場している企業と同程度の福利厚生制度と同程度の水準と考えておけば間違いありません。

中小の監査法人であっても、福利厚生の水準にはあまり落差がないのが、一般的な企業との違いです。一般的な企業では、上場企業ほど福利厚生が充実していて、中小企業になると福利厚生制度が十分に整っていないということもありますが、監査法人では一般的な企業ほどの違いはありません。

監査法人間であまり福利厚生制度に違いがないのは、おおよそ同水準に福利厚生制度がなければ、悪い福利厚生制度の監査法人には人が集まらず、人手不足で監査業務を行なうことができなくなってしまうからです。監査業務には時間も手間もかかりますし、ほとんどの場合、個人で監査を行なうわけではありません。したがって、監査法人間で福利厚生制度に大きな違いはないというわけです。

監査法人の福利厚生制度の具体的内容

監査法人の一般的な福利厚生制度は以下の通りです。監査法人に所属する多くの人は公認会計士であり、公認会計士はその専門性を常に高めることが求められていることから、会社が公認会計士としての業務に必要な範囲で各種研修等の補助費用を出してくれることが監査法人の福利厚生制度の特徴となっています。また、監査法人の場合、自社で働く機会よりもクライアント先で業務を行なう機会の方が多くなるので、出張に伴う費用については手厚い補助(手当)が用意されています。

・有給休暇
-最大20日(勤続年数により付与)
※勤続年数が長くなれば、有給休暇を長くとることができますが、公認会計士の多くは激務であるため、有給休暇消化率は高くないことが現状です。
・特別休暇
-結婚、出産(配偶者)、弔事、試験(修了考査)、リフレッシュ(10年5日、20年10日)産前産後休暇、生理休暇、裁判員制度等による特別休業 ※各種特別休暇については、上場企業と同水準のものが揃っています。
・各種手当
-時間外勤務手当、休日勤務手当、深夜時間外勤務手当、通勤手当、資格取得報奨金制度、出張日当、出張時食事代補助など ※出張が多い監査法人勤務者には、出張に関する手当が比較的充実しています。
・育児休業制度
・介護休業制度
-介護のための休業、時間外勤務および深夜勤務の制限、時短勤務可(1日実働6時間)
・各種研修等の補助
- 修了考査のための受験料および専門学校授業料
- USCPA取得のための受験料および専門学校授業料
- その他公的資格(法人認定)取得のための費用
- 英語の習得のための研修費補助 及び英会話サークルの活動費
- 日本公認会計士協会諸費用(公認会計士協会登録費用、年会費、実務補習所費用、研修会費用)
※ 公認会計士試験に合格したからと言って、それですぐに公認会計士と名乗ることができるわけではありません。その後、修了考査に合格する必要があります。そのあとも、各種取得の取得に励む公認会計士が多くいます。そうしないと、公認会計士として活躍することが難しいからです。
・退職金制度

監査法人の福利厚生は充実していると言える?

上で示したように、監査法人の福利厚生制度は、上場している企業と同程度の水準にあると考えておけば間違いありません。ただし、公認会計士として働くうえで有利となるような資格などの取得は手厚い補助が準備されていることがほとんどです。これは、公認会計士として働くためには高い専門性が必要であることに由来するものです。

逆に言えば、公認会計士として働くのであれば、こうした各種研修に日々参加して、自身の専門性を高めていかなければなりません。専門性を高める努力をしない公認会計士は、公認会計士として活躍することが難しくなります。特に、昨今では公認会計士にも監査や会計以外の知識を求められる機会が多くなっています。

まとめ: 監査法人の福利厚生の充実度は可もなく不可もなく!

監査法人の福利厚生制度は、一般企業の上場企業と同水準のものです。上場企業と同水準の福利厚生制度ということになるので、中小企業などに所属する人からみると、恵まれた環境にいると考えられるかもしれません。公認会計士になるためには、何百時間という勉強時間が必要です。

公認会計士が所属することになる監査法人は、それに見合うだけの福利厚生制度を整備しておかなければ人を集めることができません。そうなれば、監査サービスを提供することができなくなります。

したがって、各監査法人間で福利厚生制度が大きく異なっているということはありません。比較的恵まれた福利厚生制度があるのが監査法人ではあるものの、その仕事内容は専門性が高く、求められるサービスの水準も高くなるので、それに見合った福利厚生の水準となっているとは言えないのが現状であると考えられます。

この記事を書いたライター

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