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税理士補助・未経験の志望動機とは?例文と共に解説!

HUPRO 編集部
会計事務所・税理士法人の志望動機の書き方を解説!税理士補助・未経験の場合も

会計事務所・税理士法人は、一般事業会社と違って公開情報が少ないため、どのような志望動機が良いのか困っている方は少なくありません。

今回は、会計事務所・税理士法人への就職・転職を目指している方や、未経験から税理士補助として働きたい方向けに「なぜその事務所を選んだのか」納得感のある志望動機の作り方を一緒に考えていきましょう。

会計事務所への最新の転職事情についてはこちらのコラムでも詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。

会計事務所・税理士法人の志望動機の書き方とポイント

会計事務所・税理士法人の志望動機には、どのような要件を盛り込んでを作るべきかを見てみましょう。志望動機については、以下の内容を盛り込むのが望ましいです。順番については変更しても問題ありません。他にも思いつくポイントがあれば、それを加えてみましょう。

〇税理士業界を選んだ理由
なぜ税理士に興味を持ったのか

◯志望先を選んだ理由
なぜ志望先の事務所を選んだのか?理念?志望理由について

◯自分の適性などについて
応募先の事務所はどんな仕事だと自分は考えているか?
自分のどのような経験・能力・資質が活かせそうか?
採用されたらどんな貢献ができるか?

人事担当が重要視すること

採用担当の人事もあなたと同じ人間であるとこを思い出しましょう。会社を代表して選考を行っているので、会社の人格にはなっているものの機械が判定しているわけではないので、必ず人対人で見てくれます。

そして何より、「この人と一緒に働きたい」「この人なら安心して会社をまかせられる」と判断した人を採用します。反対に、「この人とは一緒に働きたくない」「この人が会社にいるとマイナスだ」と思われたら当然不採用となるでしょう。

その点でいうと、まず重要なのは「マイナスポイントをなくすこと」だと言えます。その上で、一緒に働きたいというプラスポイントを見てくるはずです。

会計事務所・税理士法人の志望動機の例文

会計事務所・税理士法人の志望動機の例文をご紹介します。あくまで例ですので、参考にして自分なりに考えてみることが大切です。

例文1 未経験 税理士志望

前職は税理士資格が活かせる仕事ではなかった関係で税理士試験勉強へのサポートが少なく、勉強時間を確保することに苦労しました。そのため「税理士を目指しながら働ける」「素早く実務経験が積める」という点に魅力を感じ、貴事務所を志望します。

わたしは1年前から税理士になるために勉強して、現在簿記論を取得しています。このように目標立て、それに向けて愚直に取り組むことをを強みとしています。そのため、税理士になるために、少しでも知識や経験を吸収できるように努めます。

実務経験を積めるだけではなく、税理士試験の勉強時間や資金面にもサポートがある貴事務所で働きたいと考えています。その後税理士として業務に尽力して、貢献したいと考えています。

【解説】
初めにその企業のどこに魅力を感じたのかを伝えましょう。今回の場合は税理士を目指しているということですが、あなたがどんな理由で企業を志望するのかもしっかり伝えましょう。また、自身の強みをアピールすることで、企業に貢献できることを示しましょう。

例文2 未経験 簿記2級無し

貴事務所では、クライアント企業に向けて税務相談だけでなく、クラウド化の積極的な推進を図り、新しい働き方をも含めてコンサルテーションされていることについて「未来の会計事務所だ」と強く共感いたしました。
わたしは、前職でITサポート業務を行っていました。データ入力や資料作成などにおけるスキルは高い方だと自負しています。また、作業も正確だと評価されていました。部内での経理業務を担当するうちに、経理や税務にも興味を持つようになり、◯月に日商簿記検定3級を取得、現在は2級の取得に向けて勉強中です
また、私が貴事務所のお役に立てるのではないかと考えているのは、クライアント向けのITサポート業務です。例えば、税理士の先生と一緒にクライアント先に訪問し、先生は税務相談を、私はクラウドシステムやIT関連のサポートを行うなど、新たなサービスの提供についても貢献したいと考えています。

【解説】
こちらの例文でも自身の現状や目標をしっかり伝えています。未経験だからこそ活かせる前職の経験を取り入れ、そこが企業と関連があることを示すことで、企業側もあなたが志望していることがよく伝わります。

例文3 新卒1

貴事務所のホームページを拝見し、会計事務所として多様な業務にチャレンジできるところ、デジタル推進を行っており時代に先駆けた体制を構築されている姿勢、英語によるハイレベルな業務の割合が多い点に大変魅力を感じました。
私は大学時代には学生団体の代表を務め、他の学生の悩みを解決する活動をおこなっておりました。そこで培ったコミュニケーション力は、貴事務所においても発揮できると確信しております。
また、私は会計の業務を通じて経営全般についてもプロフェッショナルになれればと考えております。大学時代は一貫して会計講座を受講してきましたので、それらの知識が発揮できる環境に身を置きたいと考えております。

【解説】
新卒からの就職活動場合は、大学やバイト、課外活動での強みは書くようにしましょう。「入社後どのようになりたいか」を伝えて、面接官に採用した際のイメージを持ってもらえるようにしましょう

例文4 新卒2

貴事務所のホームページを拝見し、未経験者に対して手厚くご指導いただける点、税理士資格所得の勉強に配慮した業務を行える点に非常に魅力を感じ志望させていただきました。
わたしは小さいころから税理士事務所で働いている方が身近にいたため、税理士の仕事に興味を持ち始めました。大学で会計学や簿記に関する授業を専攻し、細かい作業をやり続ける点が、自身の性格とあっていたため、本格的に税理士を目指そうと考えました。
サポートを受けながら税理士試験合格を目指し、貴事務所で税理士としての経験を積みながら、貢献したいと考えています。

【解説】
大学時代に行ってきた課外活動などが少なくても、なぜこの業界に志望し、どのようになっていきたいかを伝えることで、面接官も採用しようと考えやすくなります。自分の志望した理由と、志望している事務所特徴をマッチさせることで、より面接官に響きやすくなります。

例文5 パートとして働く

わたしは、貴事務所の「クライアント一人一人を大事にする点」「長期的に働ける環境」に強く魅力を感じ、志望します。
わたしはこれまで事務職を長年経験してきました。そのため、税理士補助業務でもその経験が活かせると考えております。
前職から人とのコミュニケーションを大事にしていて、クライアントの需要に答えられるように、税理士事務所の一員として貢献できるよう努めたいと考えています。

【解説】
パートとして働きたい場合は、何ができるのかをアピールしましょう。高度な税務関係の業務が出来なくても、細かい作業などができることを示せれば、採用される理由になります。

未経験から税理士補助として働く場合の志望動機

未経験から税理士補助として働く場合の志望動機の書き方をご紹介します。

会計事務所・税理士法人では、仕事への意欲と能力(ポテンシャル含む)がある人材を採用したいと考えています。
そしてあなたは、税理士補助という仕事が「自分に合っている、やれる」と考える理由があるから応募するわけです。
この両者の求めるものをマッチングさせるために、まずは自分が税理士補助を目指す理由をハッキリさせる必要があります。

税理士補助として活かせる志望理由

・税理士を目指している
・経済・お金の流れに興味を持ったから
・学生時代に勉強した際に興味を持った
・知人が開業していて、サポートできるようになりたい
・自身の持ってる資格が活かせると思った
・前職とのシナジーがある
・自身が税で困ったことがあり、助けたいと思った
・親が会計業界で働いていて、身近に感じ興味を持った。

自分に対して客観的な視点で問いかけ、その答えを考えてみましょう。これらは面接で聞かれることが多くあります。

・たくさんある仕事から、なぜ「税理士補助」を仕事にしようと思ったのですか?
・税理士補助はどんな仕事ですか?
・税理士補助として仕事をするために必要な能力や資質はなんですか?
・税理士業界で税理士補助としてどんな仕事がしたいですか?

自分の希望からいったん離れて、「税理士補助」という仕事、そして志望先の事務所について考えてみるのです。

ここでまず「税理士補助」という仕事について、志望先の事務所について、自分の考えをハッキリさせます。

会計事務所・税理士法人の志望動機を作るときに意識すべき点

会計事務所・税理士法人の志望動機は、一般事業会社とは異なり、業界・事業内容ならではの陥りやすいポイントがあります。

事務所ごとに差別化しづらい

会計事務所・税理士法人は全国に3万以上もあります。志望動機を聞くのは「なぜ、うちで働きたいのですか?」ということです。

税理士補助をやりたいだけなら、隣町にも、同じ最寄り駅でも他にもありますよね?と。

志望する側から見ると、例えば、自宅から近い、待遇が良いというのは重要な志望理由なのですが、事務所側から見るとそれではあえてお金を払って雇いたいという理由になりません。

まず、求人票やWEBサイトなどで「どういう事務所なのか」ということを確認するとともに、他の事務所と差別化できる点がないか探します。働き方や、所長の挨拶、クライアント企業などもわかるようでしたらチェックします。

公開情報が少ない

会計事務所・税理士法人は、よほど大手でもない限り人数が少ないため、公開情報が少ないという特徴があります。

例えば、一般事業会社であれば、その会社が作っている製品や提供するサービスが独自化されているため、製品やサービスのファンであるといったような切り口が使えます。

しかし、会計事務所・税理士法人は、提供しているサービスは税務相談や申告など、基本的に一律なので「この事務所ならでは」という点を見つけづらいのです。

もちろん、M&Aや事業継承など専門分野に特化した事務所はあります。ただ、そういう務所を志望する場合は、やりたいことがハッキリしている分、志望動機は書きやすいでしょう。

同じような志望動機になりがち

税理士の業界では、基本的に業務が似ているところが多いです。そのため「なぜ他の事務所ではなく、この事務所に入りたいのか?」と、志望動機を求められても、志望者としては困ってしまいます。

例えば、前段でも述べたように、専門分野に特化しているとか、これからを睨んでクラウド会計を活用して全国から集客しているとか、コロナ禍のような影響にも対応できるように、IT化を推進して在宅で仕事ができるとか、業務内容や勤務体系に特徴があれば志望動機も書きやすいのですが……

そうなると何を書くかとなった場合、「簿記の知識があります」「税理士試験の勉強をしている」「経験を積みたい」となってしまうのです。おそらく8~9割は志望動機を書かせるのは無駄?というくらい同じような志望動機になりがちなのが、会計事務所・税理士法人の志望動機の困った点です。

会計事務所の志望動機でNG事例

<例文>

貴事務所は私に向いていると考えており志望しました。私は大学生の頃から会計の勉強をしており、知識には自信があります。私はよく周りの人から真面目だね。と言われます。
そのため業務でのミスは少ないと思いますし、成果も出せると思っています。貴事務所は新人の育成に力をいれていると聞きましたので、魅力に思い志望しました。

真面目な私だからこそ、一生懸命努力し、成長できると感じているため、貴事務所にとって貴重な存在となれるよう努力してまいりますので、ぜひよろしくお願いいたします。

<解説>
自己アピールとして真面目であることと、努力を惜しまないことは書かれていますが、他の人と比べて大きな強みではなく、根拠が曖昧で具体的でないですね。
また、応募する事務所のことも全然調べていないことがわかる志望動機なので、その点もマイナスでしょう。
<例文>

貴事務所のグローバルで活躍している点に魅力を感じ、志望しました。現代は国内だけでは限界があると考えています。その中で貴事務所は様々な広い視点で活躍しており、そのような環境で働きたいと考えています。

また、クライアント一人一人を大切にするという経営理念にも共感しています。自身も貴事務所で働き、一人一人クライアントと向き合って業務を行っていきます。

<解説>
企業のどこに魅力を感じ志望しているのかを書いているのはよいことです。しかし、企業のいい点を多く並べていて、自身の状況や考えを書かない点がよくないです。企業側として志願者がどういった人なのかを知りたいため、過去の経験や今の現状などを伝えるようにしましょう。

税理士補助の志望動機を作るための必要な準備

会計事務所・税理士法人の志望動機を作成するときに陥りがちなポイントがわかったところで、未経験で税理士補助の志望動機を作る場合はどうすれば良いかを見ていきましょう。

税理士業界や仕事内容を調べる

新しい仕事へのチャレンジの場合、一番難しいのは、まだやっていないことについて、経験していないのにイメージして書かなければならないということです。

採用担当者の方は「なぜ税理士補助に興味を?」という理由を知りたいだけでなく「会計事務所・税理士法人を志望するなら業界研究くらいやっててしかるべき」と考えています。未経験者可という求人だったとしてもです。

そのため、まずは新聞や雑誌、ネットの記事などで「会計事務所・税理士法人」について調べ、実際に勤めている方に話を聞くところからはじめましょう。

例えば、会計事務所の数は全国に3万もありますが、その大部分は零細事務所。さらに税理士試験の受験者数は年々減少していることなども、調べればわかることです。

志望する人は全員志望動機があります。ですが、具体的に実感を持って志望動機を書くためには、未経験者の場合は「調べる」ことが特に重要。条件と仕事内容だけでは、仮に入所したとしても楽しく仕事することはできません。

業界や仕事内容を調べることでまず「税理士補助をやりたい」という気持ちを膨らませましょう。

未経験可の税理士補助の求人票をチェック

応募したい会計事務所・税理士法人の情報が少なかったとしても、まずチェックして深掘りできる材料、それは「求人票」です。

求人票には、会計事務所・税理士法人が求めている条件が必ず書いてあります。例えば以下のようなものです。

【例】
■仕事内容:主に中小企業のクライアント様に向けた、税務・会計の関連業務
・来客・電話・メール応対
・記帳代行
・各種書類作成・整理
・税務相談への対応
・お客様先への定期訪問(1ヶ月あたり10件程度) など
■必須条件:大卒・要普通免許・簿記3級以上・未経験可
■歓迎条件:
・科目合格者
・税理士資格保有者
・簿記2級以上
・税理士・会計事務所での勤務経験
・金融機関出身者
・経理業務の経験
・会計ソフトの使用経験
など
■こんな方がむいています
・丁寧な対応の方
・誠実で素直な方
・協調性のある方

求人票を確認し、仕事内容と条件、求める人物像を把握した上で、前項で掘り下げた「税理士補助と自分」を絡め、「自分は、税理士補助としてこの点で貢献できると考えた」と展開していくのです。

求人票の条件から志望動機を作成する

税理士・会計事務所の求人票には必ずといっていいほど「簿記」について書いてある項目があります。「簿記◯級以上(歓迎)」などですね。

考えてみれば、税理士補助の求人に応募している時点で「簿記」に興味があったり資格を取っているのはある意味当たり前です。
そのため、簿記以外のことでも志望動機を作るのがより重要といえます。
前職がまったく畑違いの業種であったとしても、下記のような志望動機でプラスに伝えることができるでしょう。

・前職が営業だったので、得意先回りなどで中小企業のクライアント様とお付き合いが多かった。中小企業の代表者の方とも良い関係でお付き合いできていた。貴事務所の顧問先と業種も似ているため、その経験を役立てたい。

・ITのサポートセンターにいた。これからクラウド会計を推進しようとしている貴事務所の顧問先への導入やサポートについて、前職の経験を生かしたいと考えた。

「このような人材を募集していますが、私は◯◯であり、私を税理士補助として採用することでこんなメリットがありますよ」と自分の特性だけでなく、採用後の周りのメリットについても言及するのです。

特に、中途採用の場合は、これまでの経験を生かして貢献するという視点が重要です。税理士補助の仕事や、採用先事務所の「求める条件」を見ると

・単なる書類仕事ではない
・顧問先とのコミュニケーションが求められる

というような傾向が見えてきます。
自分のこれまでの経歴が、どのように生かせるかは、その事務所の求人内容にもよるので照らし合わせて考えてみましょう。

参考:履歴書&職務経歴書の書き方ガイド│クリエイト転職

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この記事を書いたライター

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