ストレスチェックの義務化により、はじめてストレスチェック担当者になった方から質問をいただきました。厚生労働省のマニュアルについて、どれから手をつければ良いかわかりづらいというものです。そこで今回は、マニュアルの特徴や読み進める順番などについて解説していきます。同じ悩みを持つ方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ストレスチェックの義務化により、対象企業が拡大されました。厚生労働省では、
働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」を開設し、こちらにストレスチェック制度についても項目を設けています。
マニュアルについては、適宜更新していますので、以下のページに最新版を掲載しています。厚生労働省「こころの耳」ストレスチェック制度について マニュアル・リーフレット等ですが、この資料はまず解説編で9種類、実施ツールが8種類、広報資料が3種類、他に動画など、丁寧ですが量が多い!という難点が……
順番に読むのも結構辛い量です。そこで、次項からは取りかかりに必要なマニュアルを紹介していきます。
ストレスチェック制度のマニュアル・リーフレットについて、初めての方におすすめする順番は以下の通りです。
(1)ストレスチェック制度導入ガイド
20ページで図解もあり全体感をつかむためにおすすめ。
(2)ストレスチェック制度 簡単!導入マニュアル
8ページで、導入の際のポイント(特にNG項目)が説明されており実際のチェックの順番がわかりやすいです。
(3)労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル
全体の詳細についてマニュアル化されているものです。
次項から一つずつ解説していきます。
「ストレスチェック制度」における、一番の大本のマニュアルは、マニュアルのページのトップに掲載されている労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル
です。
本来であればこれを読めばOKで、他のマニュアルは副読本ともいえるような位置づけです。
しかし、このマニュアルはなんと207ページもあります……!
(2019年7月改訂版(2020年12月現在最新版))
ストレスチェック制度について、制度と目的などから実施方法やその後の対応などの手順もしっかりと書いているのですが「ストレスチェック制度ってなに?」っていう方が読んでもうまく活用することは難しそうです。
そこで初心者の方におすすめしたいのが、その隣にある「ストレスチェック制度導入ガイド」 です。
こちらはカラー図解で20ページ。「まずはストレスチェックってなにか知りたい」という方に向けて大まかな流れを解説してあるため、とっつきやすいです。
併せて、政府インターネットテレビの「働く人の「こころの健康」を守る ストレスチェック制度が始まります」 も見ておきましょう。8分50秒という比較的コンパクトな時間で、ストレスチェック制度の目的などをつかむことができます。
ただし両方とも、ストレスチェック制度が始まってすぐに公開されたまま更新されていません。
大まかな流れを確認するための資料としては使えますが、実際の実施については、それぞれの項目ごとにマニュアルを確認するのがおすすめです。
導入ガイドを読んで、全体の流れをつかんだら、実際のストレスチェック実施前に経営者や対象の従業員向けに解説する資料として見ておきたいのが「ストレスチェック制度 簡単!導入マニュアル」です。
ストレスチェックの結果はセンシティブな個人情報にあたるため、取り扱いには注意が求められますが、実施に際して気を付けるべきことがコンパクトにまとめられています。
「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」 にて詳細を確認する前に、目を通しておきたいマニュアルです。
全てのマニュアルの内容を網羅し、ストレスチェック制度における更新も必ず盛り込まれるのが、前述の207ページある「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」 です。
こちらは常に最新版を印刷して手元に置いておきましょう。
担当者だけでなく、産業医や保健師、衛生管理者など、ストレスチェック制度の実務を担う方に向けてもこちらのマニュアルが必要です。
ストレスチェック制度に関係する実務が流れに沿って説明されていますが、すでにガイドと動画、導入マニュアルを見ていれば、内容をつかみやすいはずです。
ストレスチェック制度実施にあたり、最初のマニュアルで挫折しそうな方は、まずはわかりやすくまとめた資料からあたってみるのが近道です。
ストレスチェックの運用でわからない点が出てきた場合は、ストレスチェック制度関係Q&A を確認しましょう。