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フランチャイズ方式とは一体?経営面と会計処理について解説!

HUPRO 編集部
フランチャイズ方式って何?経営面と会計処理について解説!

フランチャイズ方式って言葉を聞いたことありますか?恐らく1度は聞いたことあると思います。しかし、これって何?という方も多いでしょう。そこで今回は、経営に詳しい方も、詳しくない方も「フランチャイズ方式」について全体像を理解して、「経営者」としての目線で説明すると同時に、フランチャイズ方式の「会計処理」についても言及していきます。これを読めば「フランチャイズ方式」について会計面から経営に対する影響を知ることができるようになるでしょう。

フランチャイズ方式の仕組みとは?

フランチャイズ方式とは一言で「独占販売する権利」です。有名企業の場合は本社がネームバリューを有しています。いわゆる会計的に言うと「のれん」です。こののれんを本社は各営業拠点に使用する権利を与えます。その代わりとして代金をもらいます。

本社は金銭的に潤い、各営業拠点は本社のネームバリューによって収益の増加を見込める方式です。まさにWIN-WINの関係を狙った方式です。代表的なものとして、コンビニ大手の「セブンイレブン」や、大手マッサージ店の「リラクル」などが該当します。まさにあなたが「あ!聞いたことあるお店だ」と思ったかもしれませんが、それこそが本社の有しているネームバリューであり、各営業拠点の集客力に繋がってるいるのです。

また、金額の動きは売り上げた時の他に、加盟店に参入した段階で必要になる加盟金があることが一般的です。つまり、スタート時と利益確定時の双方であります。
また、会計処理は各営業拠点が独自に行うことが一般的です。要は「独立した会社」と会計上は見なしているのです。オーナー権限も各営業拠点の責任者が有していることになるわけです。

フランチャイズ方式の会計処理はどうなるの?

上述したように会計処理で問題となるのは①スタート時と②利益確定時の双方です。

スタート時は「一時金」であることと「返還不要」である特徴を有します。そのため、各営業拠点のスタート時の会計処理は、繰延資産/現金となります。現金支出の相手鞍勘定科目は繰延資産です。

繰延資産とは「将来の費用になるものを事前に資産計上できる」勘定科目です。各営業拠点は本社のネームバリューにより集客できて、売上を確保できるのです。そのため、この売上に対応しる費用の一部に加盟金が該当するため、事前に資産計上しておくのです。

また、利益確定時の会計処理は、粗利益分配方式と一定額分配方式に分かれます。粗利益分配方式とは、利益が発生する都度、自動的に本社に一定の金額を収める方式です。一方で、一定額分配方式とは、利益の有無に関わらず本社に一定額を収める方式です。

それぞれの会計処理は、費用/現金となります。ちなみに資産にはなりません。本社にお金を収めるのに資産がどんどん積み上がっていくなんておかしいですよね?ですから、ポイントは「利益の発生の有無に関わらず本社に収めるか否か?」です。

会計処理はどうなるの?

フランチャイズ方式のメリット・デメリット

会計の面から

では、先述した会計処理のメリットとデメリットを見ていきましょう。

メリット
・加盟金さえ払えば営業をスタートできる。しかも、この金額は費用にならずに資産計上できる。
・粗利益分配方式であれば、利益を確保できる可能性が高い。過度に人件費など営業費用を計上しなければ利益が出しやすい。

デメリット
・売上を確保しないとそもそも利益や給料が発生しない。
・売上が約束されていない。

メリットとしては、やはり利益を確保しやすいという特徴があります。そして、また利益率はほぼ一定であることが多いので、数をこなせば目標の利益や給料を確保できます。また、加盟金も払うことにより、会社設立などの複雑な手続きを行うことなく営業をスタートできる点は時間的に大きなメリットです。

ちなみに会社設立の時は会社のスタート資金を会社の口座に入れた点で、現金/資本金となり、資産と純資産の双方が大きくなり貸借対照表を大きくすることができます。一方で、今回のケースは、繰延資産/現金となり、流動資産が繰延資産に変わっただけで、貸借対照表が大きくなることはありません。スタート時の加盟金は費用ではなく、資産に計上できる時点で優遇されています。会計の世界では「開業当初は税務の面も含めて優しい」のです。

しかし、利益が確保しやすくても、営業の結果として売上を確保しなれば安定は保障されません。粗利益とは売上総利益を意味するため、本社に収めた後の金額から人件費や減価償却費を差し引いて利益が計算されます。あなたが簿記検定受験生であれば、普段から損益計算書を作られていると思います。売上総利益が黒字でも営業利益が赤字になることはありますよね?その状態になる可能性もあるということです。

では、上記のデメリットの対策はどうすればいいのか?それは「数をこなす」や「従業員を業務委託契約などで、人件費を固定費から変動費に転換する」ことです。売上=単価×数量なので、単価を一定とした場合は数量を確保することになります。また、人件費は一般的には固定費であることが多いです。しかし「売上に応じて発生させる変動費」に転換することにより、「売上が発生していないから赤字になることを防げる」のです。

経営の面から

上述したようにフランチャイズ方式で営業を開始することは甘くはありません。なぜなら「安定を捨てる」になるからです。一方でやり方次第では会社員の給料よりもたくさん稼げます。まさに「自由」を得るわけです。安定と自由のどちらを取るかは人それぞれですが、どちらも魅力的な選択です。
以上、「フランチャイズ方式」について、会計と経営の双方の観点から説明させて頂きました。

この記事を書いたライター

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