税理士試験は、1年に1度のみ行われる難関試験であることは多くの方がご存知でしょう。
そして、税理士試験には関係がないように思えるものの、事務職の募集要項などでよく見かける簿記2級の知識が役立つケースもあります。
また、簿記2級取得後の進路として簿記1級、税理士と確実なステップアップを狙えるため、簿記2級と税理士の知識には少なからず共通点があるといえます。
この記事では、税理士試験において簿記2級を学ぶことがなぜ対策として有効なのか、どのような共通点があるのかをひも解いていきます。
税理士試験は必修科目・選択必須科目・選択科目の3つから成り立っています。
必須科目である「簿記論」と「財務諸表論」を除き、決められた選択肢の中から受験科目を選べる科目選択制のしくみを採用しています。
選択必修科目は「所得税法」と「法人税法」の2つとなり、どちらか一方で合格することが税理士試験を突破するための最低条件となります。
残る選択科目に関しては、「酒税法または消費税法」、「固定資産税」、「相続税法」、「国税徴収法」、「事業税または住民税」のうち2科目に合格しなければなりません。
上記に挙げた11科目のうち最低5科目に合格しないことには、税理士試験の突破ができないのです。
勉強時間を確保しやすい科目合格制を採用している点も、税理士試験ならではの特徴といえます。
一般的な資格試験は同じ日程の中ですべての科目を受験する場合がほとんどである一方、税理士試験は別日程で1科目ずつ受験することが可能です。
また、すでに合格判定が出た科目についても、資格失効までの有効期限は定められていません。
ですので、1年に1回のペースで1科目ずつ受験しても問題はないのです。
難易度の高い国家資格なだけに、科目合格制のしくみを駆使しながら数年をかけて税理士試験合格を目指す学生・社会人も多くみられます。
反対に、税理士試験突破の最低条件である「5科目の合格」を1年で達成できる受験生は極めて少ないのです。
税理士試験の必修科目である、「簿記論」と「財務諸表論」。
実はこの2つの学習範囲および学習内容は簿記検定と共通する部分が多々あります。
同じく税理士試験の選択科目に含まれる「法人税」「消費税」「所得税」「事業税」といった科目を受験する場合にも、日商簿記検定2級レベル以上の知識が求められます。
こうした学習の共通点を理解している受験者は、税理士試験の対策として日商簿記検定2級の参考書・問題集をこなすわけです。
必須科目である簿記論の内容の50%程度を日商簿記2級がカバーしていると言われています。
初めから税理士の試験勉強を行う場合には多くの時間がかかり、知識のある方と比べると勉強時間が多くなる場合がほとんどです。
こうした個人差はあるものの、平均的な学習時間は450時間ほどです。
つまり、日商簿記2級がカバーしている50%の範囲を理解しておくだけで、実に200時間もの学習時間が短縮できる計算になります。
効率的に税理士試験の学習を進めるコツは、日商簿記検定2級の早期取得にあることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
税理士の資格を取得することで、年齢や性別を問わず働くことが可能となり、税理士にしか行えない独占業務を行うことができます。
そのため、現在ではAIなどの活用により無くなる職業がでるといわれているものの、税理士の仕事はなくなりません。
また、日本全国で税務に関する仕事はあるため、税理士として働ける場所は多く、さまざまな場所で働くことが可能です。
税理士の資格は高く評価され、就職や転職にも有利になるので、未経験からのキャリアチェンジを考えている方にもおすすめです。
税理士試験に合格し、実務経験を2年以上積むことで、税理士として登録することが可能となります。税理士は、税理士事務所や会計事務所、一般企業の管理部門などで様々な働き方を行うことができ、収入に関しても、1千万円以上の高収入を目指せます。
また、どこかに所属するのではなく独立開業するという選択肢もあります。
税理士を目指すにあたって、勉強に時間やある程度の費用をかけなければならないため、社会人の場合はどこで働くかというのはとても大事なポイントです。そんな税理士を目指しながら働くのにオススメの職場として、今回は税理士法人OKJをご紹介させて頂きます。
税理士法人OKJは東京都千代田区にある20名規模の税理士法人で、「徹底的にお客さまの相談に乗る」ことを理念としています。「誰に頼んでもダメだったことが、OKJのアドバイスでできるようになった」と言われる仕事を目指し、税務会計業務全般はもちろん、経営相談や相続相談、国際税務や特殊法人向け業務まで行っています。
専門学校に通いやすい立地(市ヶ谷駅から徒歩1分)や、試験休暇制度、フレックスタイム制を柔軟に使えることなどから、試験勉強をしながら働きやすい税理士法人となっております。給与水準が比較的高めなのも、学費などの支払いが必要な受験生にとっては、ありがたいポイントではないでしょうか。
実際に科目合格者など税理士試験勉強中の方も在籍していますので、一緒に勉強する仲間ができる、という意味でも働きやすいといえます。
また、若い方もすぐ溶け込んでいけるような良い雰囲気の職場です。詳しい会社案内やサービスを確認されたい場合は、以下より事務所様のサイトをご覧ください。
税理士試験の受験資格を満たしている方でも、少なくとも簿記2級レベルの知識が必要となるため、試験を受けるための最低ラインと言ってもいいでしょう。
また、2023年までは職歴や学歴などの受験資格が満たせない場合は日商簿記1級を取得していなければならなかったのですが、簿記論および財務諸表論は誰でも受験可能、税法科目は法律・経済分野以外を履修した大学生や卒業生でも受験ができるようになりました。
ですので、まずは日商簿記2級の取得を目指しつつ、簿記の知識を深めていきましょう。
簿記検定を受験せずに税理士試験に挑戦するのは難しいため、簿記検定に挑戦しながら簿記の知識を深めていくのがおすすめです。簿記検定で学ぶ範囲と税理士試験では、出題分野に共通点もあるため、効率的に学習することができます。
働きながら税理士を目指すという方は、試験勉強を応援してくれる環境がある税理士法人や会計事務所で働くのがオススメです!