モラル・サーベイは、会社・組織に対する従業員の態度や満足度、問題意識などを調査するためにおこなわれます。「士気調査」あるいは「従業員意識調査」「社員満足度調査」といったものの回答経験がある方は多いのではないでしょうか。今回はモラル・サーベイについて、その目的や手法を開設します。
モラル・サーベイとは、従業員の意識をアンケートで調査することです。
その目的は、会社で働く従業員の満足度を向上させること。
「この会社で働いていて良かった」と思ってもらい「もっと会社のために役立とう」という意識を高めてもらうためには、社員それぞれが、会社の組織や職場環境、自分の待遇や労務管理について現状どのような点で満足し、どのような点に問題意識を持っているのかを知らなければなりません。
それらを客観的・定量的に測定しようとするのがモラル・サーベイです。
モラル・サーベイは、もともと、アメリカで生まれた手法であり、戦後日本に導入されました。
日本では、1955年に社団法人日本労務研究会がNRK方式モラル・サーベイを考案したのに続き、厚生労働省方式や労働科学研究所方式などが開発され、多くの企業で採用されています。
「モラル」と聞いて「道徳」という意味を想像した方もいるかもしれません。
しかし
「道徳」のモラルは「moral」
「モラル・サーベイ」のモラルは「morale」なので
違う単語です。
「morale」は「(軍隊・国民の)士気、意気込み、気力」などをを意味します。道徳のモラルとは別の言葉であることを示すため、「モラール」と表記されることもあります。
モラル・サーベイの実施方法は、基本的にアンケート形式です。
できるだけ本音を引き出すために無記名で行うのが原則。
部門ごとの確認をしたい場合は部門名のみ記入させる場合がありますが、結果のフィードバックで回答者がわかってしまう場合もあるので、問題のある部門がある場合は注意が必要です。
最近では、紙のマークシートなどによるアンケート回答だけでなく、社内のネット環境や、外部サービス業者に調査を委託し、システム上で回答するという方法も多く見られます。
モラル・サーベイは、従業員の処遇を良くしてから行うことで、従業員が「今でも十分な待遇なのに、これ以上良くなるように心がけてくれている」と好印象をあたえることができます。
逆に、社員の処遇があまり良くない、むしろ悪いと認識されている企業がモラル・サーベイをすると、かえって従業員のモラルが低下するという調査結果が得られています。
自分の辛い状況を再確認させてしまうことになるからです。
お金と時間と手間をかけて調査をしたのに、士気を下げてしまっては逆効果ですね。
そのような場合は、モラル・サーベイより前に、人事改革そのものが必要でしょう。
優秀な企業は、従業員のモラル・サーベイを、管理職のマネジメント改善に活用して効果をあげるなど、単なる意識調査だけでなく、多面評価にも活用しています。
モラル・サーベイでは、従業員が日頃感じている不満など、ネガティブな回答結果が多く出る場合もあります。
経営層がその結果をしっかりと受け止め、従業員の処遇や職場環境の改善に活かしていくことを前提としないと「調査に回答したのに何も変わらない」と従業員の士気を下げる結果に終わってしまうでしょう。
いずれにしても、モラル・サーベイを実施する際は、経営・人事側に従業員から出た回答を真摯に受け止め、必要に応じて改革をおこなう姿勢が必要です。
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