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シェアードサービスが失敗する理由と問題点とは?わかりやすく解説します!

HUPRO 編集部
シェアードサービスが失敗する理由と問題点とは?わかりやすく解説します!

シェアードサービスを導入することで大幅なコスト削減に成功した企業がある一方で、思うような成果を上げられなかった企業が多くなっています。シェアードサービスの導入を検討している場合には、なぜ失敗に終わってしまったのか、何が問題だったのかが気になりますよね。
この記事では、シェアードサービスが失敗する理由と問題点について詳しく解説します。

シェアードサービスが失敗する理由

シェアードサービスを導入することで思うような成果を上げられなかった理由には、以下の3点が考えられます。

・業務の品質低下
・従業員のモチベーションの低下
・専門家の不足

これらのように、失敗した理由を具体的に解説します。

業務の品質低下

シェアードサービスを導入するほとんどの企業は、コスト削減を目的としています。コスト削減するためだけにシェアードサービスを導入した結果、期待するほどの成果が出なかったり別の問題が発生したりする結果にとなり、シェアードサービスの導入に失敗しています。

シェアードサービスの導入によっておこなうのは、本社と各グループ企業の一部の業務を集約することです。業務を集約するために子会社を設立し、各企業から担当者を出向させるだけではコストは削減できません。本社あるいはグループ企業で発生していた人件費がシェアードサービスをおこなう子会社へ移行するだけで、グループ全体の人件費は変わりません。

また、各グループ企業でおこなわれていた業務をシェアードサービスで集約しておこなうとしても、実際に業務をおこなう従業員は新しい環境、使い慣れないシステムを使って業務をおこなうのであれば、効率は悪くなります。

導入前に集約する業務の標準化をおこなう場合でも、新しい業務を身に付けるには多くの時間が必要になります。グループ企業ではそれぞれ違うシステムや考え方で業務をおこなっているので、人と業務を集約させても標準化をスムーズに進行することは難しくなります。

業務を集約化することで作業効率がよくなったとしても、おこなわれる業務の品質が維持できるとは限りません。業務の品質を高めるには、利用するシステムや業務に熟練することが必要です。シェアードサービスの導入によって、グループ企業から担当者を集め、標準化された業務を集約しておこなうだけでは業務の品質が低下することになります。

業務の品質低下

従業員のモチベーションの低下

シェアードサービスの導入によるコスト削減という目的が、出向して業務をおこなう従業員にとって好意的に受け入れられないことも問題になります。
シェアードサービスがどんな目的でおこなわれるのかを説明された従業員は、自分がリストラされるのではないかと考える可能性もあります。企業がコスト削減を目的におこなうと聞けば、出向して業務をおこなうことに対して前向きに受け止められなくても無理はありません。

シェアードサービスは、業務を標準化し集約する過程で人件費を削減する要素があります。出向させた担当者を解雇することが目的ではなく、業務の標準化によって必要になる人件費を削減することが目的ですが、従業員のモチベーションの低下は避けられないでしょう。

今まで100人でおこなっていた業務がシェアードサービスの導入によって50人でおこなえるようになれば、企業全体としては50人分のコストを削減できますが、50人の従業員がリストラされることにつながります。実際には新規採用を縮小や新規事業への配置転換などの形をとるケースが多いですが、シェアードサービスに対してよいイメージを持たない従業員がほとんどでしょう。

シェアードサービスの導入にあたっては、目標を達成するためのロードマップを提示して従業員の不安感を払しょくする努力が必要になります。シェアードサービスの導入に直接かかわらない人にとっても気になる話なので、すべての従業員に対する周知徹底や間違った認識にならないように慎重に導入することが重要になります。

専門家が不足する

シェアードサービスの導入によって担当者を出向させることで、企業から専門家が不足することになります
集約する業務の担当者が出向することになるわけですが、その担当者の経験や知識が他の部署で必要になるケースもあります。出向する担当者がおこなっていた業務について詳しい知識が必要になるなど、専門家がいないことが問題になる可能性があります。

まとめ

コスト削減だけを目的にシェアードサービスの導入をおこなうと、業務の品質低下や従業員のモチベーションの低下、専門家の不足につながる恐れがあります。時間をかけて準備をおこないシェアードサービスを導入しても思うような成果がでなかったり問題が発生するかもしれません。
具体的になにが問題になるのかを把握したうえで、問題が発生しないような対策を立てておくことが重要です。

この記事を書いたライター

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カテゴリ:コラム・学び

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