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総会議事録とは?わかりやすく解説します!

HUPRO 編集部
総会議事録とは?わかりやすく解説します!

総会議事録とは株主総会議事録のことです。普段仕事であまり関わりのない人にとっては、そもそも株主総会議事録と言われてもイメージがつかないという人も多いのではないでしょうか。今回は株主総会議事録とは何かについて詳しく、わかりやすく説明します。

総会議事録とは?

総会議事録は、商業登記の添付書類とし必要だけでなく、裁判や税務調査等においても重要な記録といえます。おもに株主総会の場面などで作成されるものです。株式会社の経営においても、定款や会社法等の様々な法令を遵守しているか否かを確認することができるもので、その根拠を示す記録としても非常に重要な資料と言えます。

株式会社設立における大きな趣旨は、営利性であるともいえますが、株式会社は法律を根拠として認められた法人ですので、私たちの社会を構成する重要な構成員としての側面も持つので、出来るだけ透明性のある会社運営が求められます。それに伴って、株式会社の最高意思決定機関である株主総会の議事録を適切に記録・保存する必要が生じるのです。
多くの構成員から成る会社や一般財団法人等の組織体の運営では、意識統一のために多くの種類の合議が必要となります。

このうちの株主総会とは、株式会社の実質的所有者である株主が集まって意見や要望を主張し、最終的な株式会社の意思決定を行う、株式会社に欠くことのできない、最高意思決定機関と位置づけられているものです。
この株式会社の最高意思決定機関である株主総会でどのような事が議題となり、どんな事項がどのような過程を経て、株主総会に付議された各議案の決議結果などが決定したかを記録するものが株式総会議事録です。

総会議事録は会社法で義務付けられている?

株式会社も会社法を根拠に生じた社会を構成する法人ですので、株式会社がいかなる経過をたどって、現在の経営方針が決定されたのか、どのような事項がどのように議論されたのか、また、取締役には誰がどれくらいの期間就任していたのかといった事柄が確認できる記録を残すことが必要となります。
そこで、会社法318条1項によって株式会社の株主総会での議事の進行や議決内容を明確に記録する株主総会議事録の作成義務を規定しています。

万が一、議事録への記載・記録事項が義務付けられている事柄を記載しなかったり、虚偽の記録を行えば、その作成者に対して多額の科料が科される可能性もありますので遵守することが必須です。
ただし、株主総会議事録は、議事の経過や議題の決議に対する結果が記録によって分かれば良いものですので、一字一句正確に記録する必要はありません。内容をおさえ、結論がわかるような書き方であれば、議論等の概要の記録で構いません。この点はあまり神経質になる必要のない部分です。

株主総会議事録の書き方についてはこちらのコラムで詳しく解説しています。

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株主総会議事録の意義とは

株主総会議事録の意義は会社法で定められている以外にも、いくつかあります。
1つ目は、株主総会議事録は、商業登記申請時の添付書類であるという点にあります。
株主総会において、取締役または監査役が選任されたり、任期満了によって退任した場合や定款変更が必要な商号変更や本店移転等の登記事項変更を要するときに、本店所在地において2週間以内、支店所在地においては3週間以内に変更の登記をしなければならないと決まっています。さらに、この時添付書類として株主総会議事録を登記変更申請書に添付することが必要です。

また、会社がある登記事項を登記する場合、株主総会や種類株主総会(特定の種類株式を所有する株主で構成する総会)等の議決書として株主総会議事録の添付が求められることもあります。
そして商業登記法46条2項では、このような場合に株主総会議事録を登記申請書に添付しなければならない規定があります。 ただ、総会を開かずに株主全員が書面で決議案に同意することで総会決議と同様の効力を持つ「書面決議」で法律上の要件が認められる場合には、株主総会議事録に代えて書面決議に関する書面やその議事録を添付すればそれで解決する場合もあります。

2つ目は、裁判上の証拠書類として重要な機能が認められ記録として存在意義を認められているという点です。株主総会が何の問題も無く進行するいわゆる「シャンシャン総会」では問題はありませんが、株主総会では時に議事を巡り紛争が生じる場合がいくつもあります。
この場合株主総会の議決や株主総会不存在の訴え等に関して訴訟を提起されることもありますので、議事の内容や進行実態、議案決議の成否等を明確に議事録として残しておく必要があります。

特に、株主総会議事録には、閲覧請求が可能な項目も含まれ、これは裁判所への提出を拒むことができないので、訴訟になった場合、有力な推定証拠となることも念頭においておきましょう。
ただ、株主総会議事録には常に真実が記録されているとは限らないので、新事実が証明されれば、議事録の記録が認められない場合が生じる可能性もありますのでご注意ください。

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