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税務コンサルティングとは?具体的な業務やキャリアパスについてわかりやすく解説します!

HUPRO 編集部
税務コンサルティングって何?わかりやすく解説します!

国際的な取引が増加するにつれて、税務コンサルティングを依頼する企業も増えてきました。税務コンサルティングでは、複雑でわかりにくい税務をサポートしてくれますが、税務コンサルティングを行っている税理士法人や監査法人は限られてきます。それは、税務コンサルティングの業務は多岐にわたっているので、それを専門として活躍する人が限られるからです。ただし、規模の大きな税理士法人や監査法人であれば、税務コンサルティングを行えるだけの高度な知識を持った人材が豊富に所属しています。今回は、そんな税務コンサルティング業務について詳しく解説していきます。

税務コンサルティングとは

税務コンサルティングとは、税に関するアドバイスや相談を受ける業務全般のことを言い、税理士の仕事としてメジャーなものの一つです。
法人・個人を問わず、課税のルールにしたがって税金を納めなければなりません。しかし、法人や個人事業主に税務に詳しい人材が在籍しているとは限りません。そのため、自社あるいは自分で行っている税務手続きが正しいかどうかは判断できなくなります。その場合、正しく課税所得の計算ができているかもわかりませんし、戦略的に税制を利用することもできなくなります。
税務コンサルタントは、そのような税務に関する相談に対応して、それぞれに合った提案をします。また、企業の税務調査に立ち会って、適切な対応をする仕事もあります。資産税や財産保全など税務に関するコンサルティングに専門家として対応することも業務の1つです。各種税務申告書の作成なども行います。

税務コンサルタントが担う業務とは

それでは、税務コンサルタントが担う主な業務とは具体的にどのようなものなのでしょうか。
税理士の独占業務である、(1)税務代理、(2)税務書類作成の代理、(3)税務相談を軸に主に以下5つが税務コンサルタントの仕事内容になります。

①節税対策
②税務デューデリジェンス
③M&Aのスキーム選択に関するコンサルティング
④国際税務コンサルティング
⑤富裕層に対する総合コンサルティング業務

税務コンサルタントが行なう業務は、税務申告に関わるものだけではありません。税務コンサルタントは、税制を戦略的に利用して節税対策などについても提案してくれます。事業再編や合併、会社分割、買収に関する税務リスクの洗い出しや連結納税制度の利用など、税務業務効率化のための提案も行ってくれます。さらに、企業の税に関する戦略を決めるタックスプランニングなどについても相談に乗ってくれ、企業毎のタックスプランニングに合った、システムの導入などについても提案してくれます。

税法は国内法だけでも大変複雑であり、近年では、商品や情報が国境を超えていくので、諸外国における税法について精通していなければなりません。実際、近年では、税務調査位において、国際業務分野で企業が指摘を受けることも少なくありません。
また、相続や事業継承などの場合には、計算方法が非常に複雑であるので、税務コンサルタントのような専門的な知識がある人でないと手続きを行なうこともできません。海外で取引を行なう場合には、海外の税制に沿って税金の計算をしなければなりませんが、こうした知識に長けた人材を自社で確保することは大変難しいと言わざるを得ません。

税務コンサルティングをできるのは税理士だけなのか

税務コンサルティングは、税務に関する業務であるので、税理士だけが行えるものだと思いがちですが、多くの場合、税務に詳しい公認会計士がチームで行っているのが一般的です。税理士は国内の税務に関する業務については詳しい場合もありますが、一般に、税務コンサルティングは海外の税法についても詳しくなければならず、一人の税理士だけで行なうには限界があります。グローバルに展開する企業の税務コストを削減するためには、異なる国々の税制に精通し、その税務リスクを最小限にしなければなりません。

税務コンサルタントに必要なスキル

それでは、税務コンサルタントには、どのようなスキルが必要となるのでしょうか。一般的にコンサルティングを行うために求められる資質には、以下のようなものが挙げられます。

経営に関連する幅広い知識
クライアントとの関係構築能力
情報処理能力(ITスキル)
プレゼンテーションスキル

これらに加え、税務に関する専門的な知識はもちろん、税理士事務所等での就労経験も必要となってくるでしょう。また、コンサルティングはお客様との対話ありきの仕事です。お客様の立場に立って話を聞く傾聴力やニーズを読み取る察知力、相手の本音を引き出すことができるコミュニケーション能力等は必須であると言えるでしょう。
また、国内に限らず国外の税制にも精通していることや、一定以上の組織スケールに所属する税務に関する高い専門性も求められます。租税条約、移転価格税制、タックスヘイブン対策税制、過小資本税制、外国税控除など、国際的な税務活動となれば、かなり複雑な税務を行わなければなりません。また、グローバル化時代ならではの企業ニーズに応える海外ネットワークも不可欠となります。こうした資源を有している法人は限られるため、多くの場合、税務コンサルティングはBig4と呼ばれる税理士法人が行なうのが一般的です。

税務コンサルタントからのキャリアパスについて

税務コンサルタントとして仕事をしている税理士は、さまざまなキャリアパスを考えることができます。どのような道があるのか紹介しましょう。

独立開業する

多くの人は、税理士になると税理士法人に勤めて、税務コンサルタントの仕事に取り組むことになります。そこで、ある程度の経験を積むことができたならば、独立開業するという道があります。実際にフリーランスとして働いている税理士は多いです。税務コンサルタントの仕事はニーズが高いため、個人で仕事を請け負うことはできます。

-独立開業するには
独立開業することにはリスクが伴います。そのため、しっかりと準備をして、成功できる確証を持ってから実際の行動に出ることをおすすめします。
独立したあとに安定した仕事を請け負うことができるように準備しましょう。自分で営業を行う必要があるため、積極的にアピールして顧客を獲得することが大切です。その際には付加価値のあるサービスを提供することが大切であり、自分が何を得意としているのか明確にしましょう。ほかにはない自分ならではの長所をアピールすることで、顧客を集めることができます。

フリーランス

フリーランスでは、今までの経歴や人脈を活かして幾つかの企業においてアドバイザーとして仕事を受け持つことになります。働き方に多様性が増し、税理士・会計業界でもリモートが浸透してきました。.
個人として税務の実力と業界内の知名度が高くなれば、離れた企業であっても何社か受け持つことが可能です。

その他、例えば地域にある商店や中小企業などの税務コンサルタントをフリーランスとして対応している人は多いです。大手税理士法人のように大企業からの仕事を請け負うことは難しいですが、フリーランスという立場だからこそ小さい商店のニーズにきめ細かく対応することができ、顧客を満足させることができます。

税理士以外にも資格を取得する

税理士として勤務しただけでは、関わることがなかった経営や法務について、クライアントから信頼を得て仕事をする場合は業務に関連した資格を取得するという選択肢があります。

税務知識だけでなく法務の知識を身につけたい場合は社会保険労務士、行政知識を身につけ、公営企業をクライアントとする場合は行政書士、一般的な経営知識・ノウハウを身につけたい場合は中小企業診断士など、それぞれクライアントにとって必要になりそうな知識を事前に見極めておくことで税務コンサルタントとしてキャリアの幅が広がります。

国際税務コンサルタントを目指す

税務コンサルタントの仕事のなかにはグローバルなものもあります。日本企業はグローバル化が進んでいて、現地で働く人材を求めるケースも増えています。そこで、国際税務コンサルタントという仕事が求められます。現地での税務関連の書類の作成をサポートしたり、海外から日本に派遣される駐在員に対して日本での税務申告のサポートをしたりするといった仕事があります。英語力を駆使して外国人とやり取りをしながら、グローバルな舞台で活躍するのが国際税務コンサルタントです。
-国際税務コンサルタントになるには
国際税務コンサルタントに求められるのは語学力です。基本的には世界のビジネスの共通語といえる英語力を身につけておくとよいでしょう。外国人と十分にコミュニケーションを取ることができ、メールでのやり取りが可能で、英語で書類の作成も行えるようにするとよいです。

また、海外の法律について理解しておくことも大切です。特に税法について専門的に理解することが大切であり、正確な知識を持っていることが求められます。各国の税法に精通することは難しいのですが、それを実現できれば大きな武器となるでしょう。

国際税務コンサルタントになるには?

大手税理士法人への転職

中小の税理士法人に勤めているならば、そこから大手税理士法人に転職するという道があります。大手は待遇が優れているのがメリットです。また、大企業のほうが待遇は充実していて、高年収を稼げるでしょう。

- 大手税理士法人に転職するには?
日本で大手税理士法人として有名なのはBIG4です。高待遇が保証されていて、大きな仕事に関わることができるため、やりがいを持って仕事に取り組めるでしょう。
BIG4では、海外展開している会社がクライアントに多いため、英語力が必要です。将来、国際税務コンサルタントとして活躍したいならば、BIG4へ転職すると充実した経験を積むことができるというメリットがあります。

これまでにある程度の実務経験があることも重要です。ライバルはたくさんいるため、かなりの倍率となることもあります。書類選考を通ることができれば、面接を受けられます。そこでは、即戦力として働くことができる点をアピールしましょう。税務コンサルタントとして得意分野があるならば、それを長所としてアピールすると有利です。ほかの応募者との差別化を図ることが大切です。

まとめ

税務コンサルタントとして働いてきたならば、そこからさまざまなキャリアパスを考えることができます。独立開業する、国際税務コンサルタントを目指す、大手税理士法人に転職するといった道があります。それぞれのキャリアパスについてよく検討して、自分に合った道を選びましょう。

この記事を書いたライター

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