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人事に直接アピールできる「人事評価シート」の書き方・ポイントをご紹介!

社会保険労務士 田中かな
人事に直接アピールできる「人事評価シート」の書き方・ポイントをご紹介!

企業で働いていると、人事部や上司から人事評価シートの提出を求められる場合があります。特に新入社員の方や転職して初めての査定を迎える方などは書き方に戸惑うことも多いでしょうが、どのような点を意識して書けばよいのでしょうか。今回は、人事評価シートの書き方について解説していきます。

人事評価シートとは

人事評価シートとは、企業の人事評価に活用される書類です。人事考課表や人事調書、自己申告書など、企業によってさまざまな呼び名がありますが、意味や目的はおおむね共通しています。

そもそも人事評価とは、企業が社員の能力や成果、業務への姿勢を適正に評価し、給与管理や昇進昇格、人員配置、能力開発といった人事処遇に反映させる制度をいいます。この人事評価の参考に使われる書類が人事評価シートです。

人事評価シートを作成するのは社員自身です。評価期間における業務成果や行動の振り返り、今後の目標などを記載します。これに直属の上司が評価をし、最終的には人事部や経営者に提出されて評価が決まります。作成する時期は企業によって異なりますが、基本的には年に1~2回、4月や10月の査定時期前に提出を求められます。

人事評価シートを作成する目的

企業が社員に人事評価シートを作成させるのは、公平で明確な評価制度を実施することで、社員のモチベーションを保つという目的があります。上司が部下の成果や能力を正確に把握すれば、人員配置やプロジェクトの遂行、職場内での作業効率改善などに役立てることもできるでしょう。人事評価シートをもとに部下と面談を実施し、双方の意見を交換することで、信頼関係の構築にもつながります。

また、社員が自らの成果や行動を客観的に評価することで、今後の課題や改善案を見つけられ、社員の成長につながります。社員にとっては、上司や経営者に対し、自身の成果や能力をアピールするまたとない機会でもあります。成果を正当に評価してもらうには、人事評価シートの書き方が重要です。

3つの評価基準

人事評価シートをわかりやすく、的確にアピールできる内容に仕上げるには、そもそも人事評価がどのような視点で行われるのかを知っておく必要があります。人事評価の基準は企業によって異なりますが、一般的に「成果基準」「能力基準」「意欲基準」の3つの基準で行われます。

成果基準とは業務の実績や目標への達成度を評価する基準です。売上や契約件数など、定量的な視点で評価します。能力基準とは、自身の能力がどのくらい業務に発揮されたのかを評価する基準です。問題解決力や対応力、実行力、理解力といった職務を遂行するための能力が問われます。意欲基準とは、業務に取り組む姿勢やコミュニケーション能力、人柄などを評価する基準です。責任感や協調性、積極性、誠実さといった視点から評価します。

3つの評価基準

人事にアピールできる人事評価シートの書き方

人事評価シートを書く前に、まずは自分の仕事内容を把握するところから始めます。評価期間内に行った業務を紙に書き出すとよいでしょう。次に、先ほど紹介した成果、能力、意欲の3つの基準をもとに自分を評価します。このとき、以下の点に気をつけて書くようにしましょう。

客観的な視点で書く

人事評価シートを書くときは、客観的な視点を持ち、過大評価、過小評価のいずれにもならないことが大切です。

過大評価をした場合、自分の成果や行動を客観的に見ることができない人材、他者からのアドバイスを受け入れられない人材などと思われてしまいます。反対に過小評価をした場合、適正に評価されないリスクや成長機会を逃してしまうリスクがあるでしょう。

具体的に書く

漠然とした内容だと上司や人事が評価しにくいため、具体的に書くことが大切です。数値を用いるのがよいでしょう。

たとえば営業職であれば「売上目標○○円に対し、実績○○円」「契約件数前年比○%達成」など、あらかじめ定めた目標値と実績を比較し、数値や事例によって達成の度合いを示します。目標を達成できた場合は要因を分析し、「クライアントへの訪問件数を月○回から○回に増やしたため」などと記載します。

事務職のように明確な数値目標が示しにくい職種でも、「残業時間○%削減」「備品購入費の前年比○%減」など数値化できる項目があります。数値化できない場合でも「マニュアルを整備して作業効率を上げた」「ダブルチェックの実施でミスをなくした」「後輩を指導した結果、○○の業務を共有できるようになった」など具体的な事例を示すことが大切です。他部署や他社との調整が円滑に進んだ事例なども、職務遂行能力やコミュニケーション能力のアピールになります。

失敗や改善点も書く

失敗した場合や目標を達成できなかった場合も人事評価シートに記載します。人事評価は単に数字だけを見るわけではありませんので、プロセスや目標達成のために心がけた点なども漏れなく書きましょう。ここで重要なのは、失敗や目標未達の事実だけを示して終わらないという点です。失敗や目標未達の原因を自分なりに分析し、改善案まで書くことで、積極性や意欲の評価につながります。

まとめ

忙しい中で人事評価シートの提出時期を迎えると、作成が面倒に感じ、つい適当に書いてしまう場合があります。しかし人事評価シートは自分の成果や能力を伝え、適正に評価してもらうための重要なツールです。今回ご紹介した書き方を意識し、しっかりアピールしましょう。提出時期になって自分の業務や成果について振り返っても、なかなか思い出せない場合があります。日々の業務の中で成果や改善点などを見つけ、業務日誌などにつけておくとよいでしょう。

この記事を書いたライター

求人関連企業の経理部門に在籍中、社会保険労務士資格を取得。その後、会計事務所や総合病院での労務担当を経験し、現在はフリーランスのライター・校正者として活動中。ジャンルは労働問題を得意とする。
カテゴリ:コラム・学び

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