総務の仕事は楽って本当？意外な大変さも

「総務の仕事は楽そうだな」「成績で詰められることもないし、モンスタークレーマー対応もしなくていいし」「残業も少なそうだし有休も取れそう」様々な理由で、総務職が人気の昨今。しかし、本当に総務の仕事は楽なのでしょうか？今回は総務の仕事内容と、意外なところでの大変さについて解説します。

• 総務は社内向けのサービス部門
• 成果を作りづらい総務
• 社内からの風当たりがきつい総務部
• 業務改善がしづらい総務部もある
• 総務部の仕事を楽と感じるかどうかはその人の適性

総務は社内向けのサービス部門

総務は、労働環境を常に整え、従業員が円滑に仕事を進められるようにするのがその業務です。この「労働環境を整える」ということには、例えば、オフィスの什器が壊れたらすぐに取り替えができたり、蛍光灯が切れたら新しいものに交換したりといった、身の回りのことから、どんどん厳しくなるオフィスへの法令遵守の対応まで、様々な仕事があります。

バックオフィス部門は、企業の中で、顧客に直接対応する外部との接点となるフロントオフィス部門が、円滑に営業をおこなうために存在する部門になります。
いわゆる「雑務」を、営業などの直接業務にかわって拾い上げるのが、総務部の主な役割なのです。

成果を作りづらい総務

総務部は、日常的に「あって当たり前」の環境を整えている職種なので、営業部や企画部のように、売上の達成やヒット商品の企画などといったクリエイティブな成果を出すことはありません。

たとえば、オフィスの引っ越しなどを手配するのは総務の仕事ですが、基本的に「滞りなく済んで当たり前」なので、プロモーション企画の成功のように、目立った成果にはならないのです。

むしろ、規定などの社内ルールを徹底させたり、固定資産管理のために、それぞれの部署で什器のカウント作業をお願いしたりなど、他の部署にけむたがられるような、地味で面倒な仕事が多くあります。
コツコツと決められた業務を正確にこの仕事としての面白みを見出しづらいのが総務の仕事なのです。

社内からの風当たりがきつい総務部

総務は顧客対応がないため、楽だと思われがちですが、果たして本当にそうでしょうか。総務にとっての顧客は、社内の人たちです。
しかし、社内から総務への風当たりは、決して良いものではありません。

「何やってるかわからない」
「業務分担見ても、オフィスのデスクや椅子やロッカーやコピー機の管理とか･･････」
「ていうか、なんでうちのオフィスだけこんなボロいの？総務がちゃんと仕事しないから･･････」
「その業務内容で残業とかあり得ない。ダラダラ仕事してるんじゃないの？」
「休憩も有給もしっかりとれて、自分たちだけずるい」

といった非難を浴びやすい部署なのです。

総務部門が庶務的な業務を全部請け負うわけではなく、基本的には手配や管理がメインで、作業は各部署でおこなうという事が多い状況もあります。それが法的な観点で必要なことであっても、面倒なことを押しつけているというイメージを持たれやすい傾向にあります。

営業なら外に出たりして気分転換もできますが、総務は基本的に社内にずっといる行になります。そして、総務の仕事は「ちゃんとできてて当たり前」のことが多く、感謝されるということは少ないです。

つまり、連絡してくる社内の人は、何らかの要望やクレームをしてくることが多い状況にあります。

業務改善がしづらい総務部もある

総務部の業務を大変にしているのは、部外の人だけではありません。
確かに、総務部の業務というのは単純作業も多いので効率化しやすいのです。しかし、業務効率化すると、人員配置が少なくなったり、自分の仕事が奪われるのではという懸念から、あえて業務を複雑化したり、業務を抱え込んでブラックボックス化してしまう人もいることがあります。

総務部の仕事を楽と感じるかどうかはその人の適性

不景気やデフレが長く続くと、成果を出すことも難しくなり、アクティブな部署はそのプレッシャーの方がきついと感じるようになりました。

そこで、特別なスキルが必要なく、一見誰にもできそうな「総務」の仕事に「楽でいいね」とある意味やっかみが集まっているのです。
バックオフィスに共通することかもしれませんが、例えば経理なら会社の経費処理を預かっていますし、人事なら採用や給与という見えやすい役割があります。しかし、総務は、その内容を知らない人から見ると「雑用係」のように思われやすいのです。

ちゃんと滞りなくやって当たり前という総務の仕事は、果たして楽かどうかというと、どうなのでしょうか。ある意味、閉鎖的な環境で仕事をするのが得意な方は「楽」だと感じるかもしれません。

しかし、補助的な業務というのは、適性がない方にとっては、とても辛く感じる仕事というのもまた事実なのです。適材適所であれば、総務の仕事は、きっと「楽」で「楽しく」感じることでしょう。

当コラム内では、総務の業務についての記事を他にも公開しています。併せてぜひご覧ください。

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