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経理もIT化の時代!業務効率化の必要性とその方法を紹介!

HUPRO 編集部
経理もIT化の時代!業務効率化の必要性とその方法を紹介!

経理に関する業務は定型的業務の連続であり、一度効率化を行うと長い期間に渡って恩恵を受けられます。もし効率化を行わず人の手だけに頼った業務を続けてしまうと、作業が非効率的になるだけでなく、やがては回復しがたいヒューマンエラーの原因にさえなりえます。そこで今回は経理に関する業務効率化について解説します。

経理の業務効率化を推進する必要性

まずは、なぜ経理の業務効率化を推進しなければいけないのか、その必要性・理由について説明します。企業組織内における経理業務とは、ある意味ルーティーンをこなすだけのものです。ただ、だからこそ、以下のような業務効率化を推進しなければいけない理由があるのです。

【経理の業務効率化の必要性1】経理=コストセンター

そもそも、経理を担う部署は基本的にコストセンターです。コストセンターとは、企業においてコストが集計されるものの利益が蓄積されない(されにくい)部署のことです。

企業における業績改善策を打ち出す際、コストセンターに分類される部署については、できるだけコストをカットするという目標が設定されなければいけません。コストセンターでは利益を高めることが本質的に不可能なため、コスト削減というアプローチしにしか頼ることができないからです。コストセンターは稼働量が増えれば増えるほどコストが嵩み利益を圧迫するのが通常です。

もちろん経理部門は、管理会計に関する情報を提供するという観点から、広い意味では収益をあげることに資する面もあります。ただ、これは明示的な利益ではありません。例えば、営業部門などのプロフィットセンターと比べると容易に理解できるでしょう。

つまり、経理がコストセンターに分類される以上、経理部門において収支を向上させ利益を増加させるためには、経理に関する業務を効率化し、稼働量を可能な限り抑えるという方策を打つ必要があるのです。

【経理の業務効率化の必要性2】経理=スピード重視

経理の業務には、スピードが要求されます。なぜなら、経理に関する情報は、管理会計に活かすために、迅速に経理者に伝えられる必要があるからです。

経理における作業が遅ければ、その分組織全体の機動力が落ちると言っても過言ではありません。したがって、組織全体の動きを高めるためには、経理業務を効率化して、できるだけ作業スピードを上げる必要があるのです。

【経理の業務効率化の必要性3】経理=正確性

経理の業務には、正確性が要求されます。なぜなら、経理部門は、企業組織の収支部門の対外的な信用性を左右するものだからです。経理部門にミスが多いような企業は社会的な信用が落ち、融資はもちろんのこと、通常の市場取引の中からはじき出されるおそれもあります。

ただし、ここで注意しなければいけないのが、「経理業務の正確性」と「経理業務のスピード」は相反する側面があるということです。仮に経理業務を人の手だけに頼ってしまうと、速く仕事をしようと思い焦ってしまったためにミスが繰り返され、訂正業務に余計な時間を割かなければいけなくなるという事態に陥りかねません。

したがって、スピードと正確性のバランスを取りながら経理の業務効率化をしなければいけません。例えば、必要のない経理業務は削る、人の手だけに依存せずにアプリや経理ソフトを積極的に取り入れるというように、経理業務に要する全体的な時間を節約するというアプローチが考えられるでしょう。

【経理の業務効率化の必要性4】経理の業務効率化=持続力

経理の業務効率化の効果には持続力があります。経理業務はある意味で反復作業、ルーティーン的な業務内容が少なくないため、一度業務効率化に成功してしまえば、長期間にわたってその恩恵にあずかることができます。

経理の業務効率化をすれば、長い期間にわたってコスト削減が実現します。そして、適宜システム等を臨機応変に修正するだけで、さらなる収支のブラッシュアップが可能となります。

経理の業務効率化に着手する段階ではある程度のコストが必要ですが、中長期的な視点で捉えると、むしろ会社にとってはメリットしかない非常に重要な課題であると言えます。

経理の業務効率化が進まない理由

では、上述のようにほんの少し考えるだけで経理の業務効率化の必要性は明らかな事実であるにもかかわらず、なぜ経理の業務効率化は進まないのでしょうか?それには、以下のような理由が考えられます。自社内で経理の業務効率化が進まなくてお悩みの方は、自社における経理の業務効率化の弊害で苦しんでいる方は、該当する項目がないかご確認ください。

【経理の業務効率化を妨げる理由1】経理のガラパゴス化

経理の業務効率化が進まない第一の理由は、経理業務のガラパゴス化が挙げられます。

経理という仕事は、どうしても正確性が要求されます。その結果、例えば長年会社組織内で確立されてきた経理業務の手法を変えることに対してどうしても否定的な考えが生まれがちです。仮に経理担当者が自分の判断で効率化を進めたとして、万が一そのような変化によってミスが生じたときに、責任を追及されてしまいますよね。このようなリスクを背負ってまで経理の業務効率化を実践しようという人は多くはないはずです。

したがって、長年会社組織で通用してきた経理手法であるのなら、少しぐらい効率が悪くても維持してしまおうというニーズが蔓延し、経理の業務効率化がなかなか進まないのです。

【経理の業務効率化を妨げる理由2】経理担当者と経営者との間の認識齟齬

経理の業務における二つの相反するニーズである「正確性」と「スピード」について、いずれを重視すべきかについて経営者と経理担当者との間で齟齬がある場合には、業務効率化が進まない可能性があります。

例えば、経理担当者は正確性を最優先するために1円単位で各種試算表などを作成しようとしますが、他方で経営者はスピードを重視するために概算だけで充分だと判断しているとしましょう。このような齟齬が生じる場面では、経理担当者は無駄な作業をしていると評価されても仕方ありませんし、経営者による経営判断の遅れという決して小さくはない損益を生ぜしめます。誰も悪くないのに、誰も得をしない状況が生まれてしまうのです。

このような認識齟齬があることを理解できなければ、いつまでも経理の業務効率化は進みません。

【経理の業務効率化を妨げる理由3】経理の業務効率化をする時間がない

経理の業務はパターン化できるものが多いですが、同時に作業量が膨大という特徴もあります。その結果、日々の業務をこなすだけで手いっぱいになってしまうので、経理の業務効率化まで手が回らなくなってしまいます

経理担当者が経理業務の非効率性に気付いているにもかかわらず、時間の余裕がないためにいつまでも非効率的な作業フローで仕事を進めるというのは決して珍しい話ではありません。

今、人員を増やすなどして多少の負担をかけるだけで、長期的な経理部門のブラッシュアップが実現します。賢い経営者なら、現状維持がいかに愚かなことか考えるまでもないですよね。

経理の業務効率化をするメリット

では、経理の業務効率化をすればどのようなメリットが会社組織に生じるのでしょうか?現状維持によるメリットと天秤にかけて、各社ご判断ください。

【経理の業務効率化のメリット1】社員の時間的な余裕に繋がる

経理の業務効率化が成功すれば、今までより短い時間で経理業務を終わらせることができます。その結果、今まで無駄に使っていた時間が短縮されるので、社員に時間的な余裕が生まれます

日々時間に追われている経理担当者にとって、時間の余裕ほどありがたいものはありません。例えば、次回以降の月次締業務や決算などの準備を前もって進められたりすれば、さらに時間と気持ちに余裕も生まれるでしょう。このような形で、好循環へと繋がっていきます。

【経理の業務効率化のメリット2】コスト削減

経理の業務効率化によって時間の余裕が生まれれば、コストが削減されます。

コストセンターの典型例である経理部門では、例えば、残業時間・残業代の削減によるコストカットは飛躍的に収支を向上させるでしょう。また、以下で紹介するような業務効率化の施策を実践すれば、例えばペーパーレス化を進めることができるので、紙や備品などの資源の利用を少なくできます。

【経理の業務効率化のメリット3】ミスの減少

経理の業務効率化によって、人の手によって行われていた物理的な作業量が減ります。また、時間的な余裕が生じることによって経理担当者のストレスも軽減されます。

これによって、経理部門におけるヒューマンエラーの発生リスクが軽減されるので、経理という重要な業務におけるミスが激減するというメリットが期待できるでしょう。

【経理の業務効率化のメリット4】経営判断のスピード化

経理の業務効率化によって、経営判断のスピード化が進みます。

例えば、試算表などをシステム上で管理共有すれば、管理会計に関する情報をいち早く経営陣に届けることができるはずです。企業の機動力を向上させるためには、情報提供のスピードが鍵となります。経理の業務効率化によって、会社組織における情報共有速度がアップし、迅速な経営意思決定が実現するでしょう。

【経理の業務効率化のメリット5】見える化による不正防止

経理の業務効率化によって、経理状況が透明化します。その結果、例えば多くの企業でときに問題となる経理部門による不正や不透明なお金の流れを防ぐことができます。企業経営の健全化にとって、経理の見える化は必須と言えるでしょう。

経営判断のスピード化

経理の業務効率化を実現するコツ

ここからは、実際に経理の業務効率化を実現するためのポイントを紹介します。

【経理の業務効率化のコツ1】ITツールを活用してペーパーレス化

紙資料を大幅に用いて経理に関する業務を行うことは紙紛失のリスクもあり余り効率的であるとは言えません。ITツールを活用しオンライン上でデータが共有できるようにペーパーレス化を進めていきましょう。

【経理の業務効率化のコツ2】個人レベルでも業務効率化を徹底

経理の業務効率化を進めるには、経理担当者個人レベルでの業務スリム化も必須です。

例えば、経理の業務ではパソコン入力作業が多くなりますが、その際にショートカットキーを活用します。すべてを律儀に手入力するのではなく、ショートカットキー活用を基本操作に組み込むだけで、総合的な業務の所要時間は短縮されるでしょう。

また、経理担当者の作業環境を整えることも重要です。例えば、一つのパソコンしか与えないのではなく、デュアルディスプレイを設置すれば、逐一ウィンドウ操作をする手間が省けます。これなら、明細を見ながら入力する作業もスムーズに進むので、経理業務の効率化が実現するでしょう。

【経理の業務効率化のコツ3】ミスを割り切る気持ちを植え付ける

経理の業務効率化を考えたとき、正確性を重視するがあまりスピードが遅くなるという事態は避けなければいけません。ある程度ミスが生じても割り切るというぐらいの気持ちの余裕を社員に与える必要があります。

そもそも、人間が作業する以上、ある程度ミスが発生するのは仕方のないことです。したがって、ミスなく完璧に経理業務を完遂させることよりも、ミスが発生してもすぐにミスに気付くことができ、その修正を迅速にできるような環境を整える方が適切です。

例えば、無駄なダブルチェックなどは厳禁です。ミスを防ぐために余計な人員を割くのではなく、システム面でリカバーするような方向で経理の業務効率化を進めましょう。

【経理の業務効率化のコツ4】アウトソーシングの活用

アウトソーシングを行えば、高いスキルとノウハウを持つ経理に関する業務の専門家に任せられるため、業務効率化を見込めます。

また、アウトソーシング化にメリットを感じないのであれば、社内に税理士などの高度な資格保有者を取り入れるのも一つの方法です。優秀な人材が入ってくれば、業務スピードが向上するだけではなく、他の社員のスキル向上にも繋がります。人材育成の観点も考慮して、アウトソーシングや高スキルの人材を取り入れるのも企業成長という意味で重要です。

【経理の業務効率化のコツ5】キャッシュレス化

経理の業務効率化において、キャッシュレス化はポイントです。小口現金をなくしてしまえば、両替や現金の補充、出納帳のチェックや金庫管理などを日々行わなければいけません。

経費の精算などは口座振り込みなどで対応してしまえば、無駄な経理業務をいっきに省略できます。

経理の業務効率化のためのツール

最後に、経理の業務効率化を手助けしてくれるツールを紹介します。個人レベルではなく、経理部門全体、あるいは、会社組織全体としての業務効率化を実現するものなので、ぜひ導入をご検討ください。

【経理の業務効率化ツール1】チャットツール

クラウドを利用したチャット形式のプロジェクト管理ツールを使えば、メールを用いるより手軽に情報共有を行うことができます。

経理部門だけでけに限らず、社員同士で業務上のコミュニケーションを図るのに都度相手の席まで話しに行ったり、メモを記すのは非常に手間です。チャットツールを導入し上手に業務内に取り込むことができれば、コミュニケーションの時間を抜本的に効率化できます。

【経理の業務効率化ツール2】クラウド会計ソフト

現在会計システムを利用せず経理に関する業務を行っている場合は、クラウド会計ソフトを利用しましょう。クラウド会計ソフトを活用すれば、銀行明細データ等が自動システムで会計ソフト上にアップされます。毎日経理担当者が手入力をする必要はありませんし、システムによる自動更新を待つだけで良いのです。

ミスを減らせるだけでなく、入力の時間などを完全に省略できるので、経理の業務効率化が大きく進むでしょう。

まとめ

以上が、経理の業務効率化についてです。

上記のように、経理を担う部署は基本的にコストセンターに分類されるものです。正確性が要求される部署である以上、ある程度の保守化は仕方のないことではありますが、企業に所属する部署である以上、企業の収支に貢献するものでなければいけません

したがって、経理の業務効率化を進めることによってコストを圧縮し、同時に収益を生む礎となる管理会計に資する環境を整えなければいけません。経理の業務効率化だけで、コスト削減・企業の機動力向上という多角的なメリットが生じるのです。

個人レベル、設備レベル、あらゆるシーンで経理の業務効率化は進めることができます。これを良い機会だと考えて、経理の業務効率化に資する環境資源を整え、経営状況を抜本的に改善してください。経理の業務効率化を起点とする経営刷新は、やがて会社組織全体を巻き込む好循環の波を生み出してくれるでしょう!

以下のコラムは、総務の業務効率化について説明したものです。経理の業務効率化とあわせてご参照ください。
総務の仕事を効率化する方法とは?

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