税理士になりたいけど高卒でもなれるのか不安に思っている人もいるのではないでしょうか?税理士の7割は大卒ですが、実際に、高卒から税理士になった人もたくさんいます。今回は、高卒で税理士になる方法や受験資格について解説します。
高卒で税理士を目指したい方は必見です!
結論から言うと高卒から税理士になることは十分可能です。
大卒者とは少し方法は異なりますが、大卒者と同様に税理士試験を受験し、合格したら税理士になることが可能です。
実際令和3年度の税理士試験において、高卒での合格者は全体合格者の約20%となっており、合格者の5人に1人は高卒の方でした。
税理士になるには、以下の3つの方法があります。
高卒で税理士を目指す場合は、主に税理士試験に合格し、2年以上の実務経験を積む方法で税理士を目指すことになります。
しかし、税理士試験には受験資格があり、誰でも受けられるわけではありません。実は高卒かつ何の資格も保有していないと税理士試験は受けられないのです。
税理士の受験資格には大きく3つあります。
学識による受験資格・資格による受験資格・職歴による受験資格です
上記のいずれかに該当することが受験資格となります。
(国税庁HP 税理士試験受験資格の概要 より)
受験資格の内、学識による受験資格は、高卒には該当しません。ただし、税理士試験の勉強をかねて大学に入学することも選択肢に入ります。税理士試験に合格するには5年以上かかることも多いです。働かずに税理士試験の勉強をするつもりであれば、大学に入学して勉強するのも良いでしょう。
資格による受験資格である日商簿記検定1級は、合格率が10%程度しかない難関の資格であるため、ハードルは高いです。
しかし、税理士の必須科目を考えると日商簿記検定1級は妥当なステップであり、実務的にも重宝されるため、チャレンジできるのであれば、挑む意義は十分にあります。
職歴による受験資格は2年以上という年数を要しますが、資格による受験資格と比べると比較的ハードルは低いです。
勤務先を変えたとしても通算で2年以上の実績があればOKなので、どこか税理士や公認会計士の事務所に入り、下積みを積むのも手です。
また、高卒で税務署職員(公務員)となり23年勤務することで、上記同様の受験資格が取得でき、税理士になるチャンスはあります。(ただし勤続年数が長いためすぐにはなれないことがネックです。)
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税理士試験の内容は会計学に関する科目と税法に関する科目となります。
科目合格制をとっており、受験者は一度に5科目を受験する必要はありません。
1科目ずつ受験してもOKなのです。
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税理士の仕事=税務の専門家。
納税者(個人・法人問わず)から依頼を受け、以下の業務を行います。
<企業対応の場合>
法人税や所得税、住民税等の処理や役員・株主の職税や相続税対策を行います。
税法は元々が非常に複雑な法律であり、国からの厳しいチェック(税務調査)もあります。これらに対応するためのスペシャリストが税理士なのです。
税理士の仕事内容についてもっと知りたい方はこちらをご覧ください
税理士資格をとった後、どういったクライアントを相手にし、どこに所属するかで市場価値や年収は大きく変わります。
個人会計事務所では中小零細企業や個人事業主等の税務顧問がメインであるため、規模の影響から顧問料も安価となり、年収も低く抑えられる傾向にあります。
一方、BIG4と呼ばれる税理士法人や大手コンサルティングファームなどであれば、
クライアント規模も大きく、かつ案件も高度で複雑であるが故に高額な顧問料・コンサルフィーをいただくこととなります。
それに比して年収も上がり、そこで培った経験を活かして将来独立する際にも大きなハクが付きます。
しかし、高卒でそのような競争率の高い法人へ所属するには大卒と比較すると容易ではありません。学歴以外の条件が同じ場合、大卒者の方が内定が出やすいのも現実です。しかしコミュニケーション能力や専門性を高めるといった努力でいくらでも挽回はできます。
尚、最近は起業が活発化し、IT技術の発展から税理士業務のクラウド化が進んでいます。そのため、これまで通りの税理士業務では仕事を獲得していくことは困難となります。
リーガルテック(法務×テクノロジー)やフィンテック(金融×テクノロジー)という言葉が流行りだしているように、士業とテクノロジーとの融合は避けられません。
税理士としての専門知識とクライアントがシンプルにスムーズに業務に集中できるようテクノロジーとクライアントのニーズを理解し、ソリューション提示ができるかどうか。これは高卒/大卒関係なく、今後の税理士に求められる資質です。
これまでの紙中心の複雑な税務手続きを踏襲するのではなく、異なる角度・目線からクライアントの課題を解決できるようなシンプルに済む税務手続きを可能とする、スペシャリスト税理士が今後、市場価値が高まる可能性は大いにあるでしょう。