会計事務所は、その専門性の高さから未経験から働くのは難しいと言われることも多いです。「簿記2級があればできる」、「30代だと転職できない」など言われることもありますが、実際はどうなのでしょうか?今回は、未経験からの会計事務所への転職で抑えるべきポイントをまとめました。
未経験者が会計事務所に転職することは可能です。ただし、経験の有無や程度が重視される業界なので、必ず誰でも転職できるというわけではありません。
会計の基礎知識や税務申告など、会計業務に必要な知識の自己学習が必要です。書籍やオンライン教材、講座などを活用し、面接で「〇〇についてどう思いますか?」と多少の会計知識をもとにした質問をされても意見を述べられるように準備しましょう。
未経験であっても、経理業務や社労士業務、原価計算などの業務経験がある場合はそれを活かすことができます。また、アルバイトや派遣で会計事務所での業務経験を積むことも可能です。
簿記や税理士の資格を取得することで、スキルアップや転職時のアピールポイントとなります。特にまだまだ会計事務所では資格に対する評価が高く、転職活動の成功や年収アップへの条件となります。
以上のポイントを踏まえ、自己学習や業務経験、資格取得をしっかりと行えば、未経験からの会計事務所への転職を成功させることができます。
未経験で会計事務所への転職を考える人は多くいるため、需要が高い経験や資格を理解して、面接や書類でアピールすることは重要です。転職でアピールすべきポイントをまとめました。
未経験からの転職でも、会計に関する事務などの経験があると有利に働きます。特に経理職や経理事務などの経験は評価されやすいです。
未経験で転職する場合の会計事務所で求められる資格としては、簿記の知識やExcelの操作などが挙げられます。特に日商簿記2級は必須資格としている求人も多いため、取得しておくのがオススメです。もちろん、税務・会計の最難関資格である税理士資格や公認会計士資格を持っている場合は、経験の有無問わず、大きなアピールをすることが可能です。
また資格や経験以外の部分ではコミュニケーション能力や顧客対応能力も重要です。これらのスキルは、社会人としての経験の中で身につく部分も多いでしょう。
求人において、明確に年齢制限をするのは禁じられているものの、年齢は採用の可否に全く関わらないとは言えない要素です。そこでここでは、会計事務所における20代~40代の各年代の転職市場を解説します。
未経験者にとって、20代はもっとも転職しやすい年代といえます。20代は上の年代に比べて経験者のライバルが少ないことに加え、潜在能力が高いことが期待されるため、ポテンシャル採用が積極的に行われているのです。
ただし経験が無い分、最低限でも簿記2級を取得しておくことで知識をアピールできるようにしておくのが望ましいです。
30代は経験者の割合も増えていくため、未経験から転職できる可能性がグッと低くなっていく年代です。具体的には、35歳がその分岐点となっています。
34歳までであれば、20代と同じ条件で採用されるケースも少なくありません。一方で35歳以上になると、簿記2級を持っていたとしても未経験の転職市場はかなり厳しいのが現実です。ただし、税理士や税理士試験の一部科目の保有、もしくは経理をはじめとした関連業務の経験がある場合は転職に成功する可能性が出てきます。
十分な経理経験かつ簿記2級以上を保有していない限り、40代での未経験からの転職は難しいでしょう。
未経験者の中でも2,30代が多くを占めるため、40代の転職はかなり不利な状況といえます。ただし、求人に応募するのではなく会計事務所職員やつながりの深い企業からの紹介によってであれば、転職成功を実現できる可能性はゼロではありません。
とはいえ、かなり高いハードルであることは認識しておく必要があります。
会計事務所は平均に比べて著しく年収が高いというわけではなく、450万円~500万円ほどとされています。ただし、税理士保有者や十分な実務経験者は500万円以上の年収であることが多く、逆に未経験者の年収はこの平均年収よりも低いことが一般的です。
実際、会計事務所の未経験の求人の多くが300万円を初年度年収の目安としています。かなり低いと感じる方も多いかもしれませんが、経験や資格が無い状態から始めるには比較的難易度が高い仕事なので、未経験者への研修工数なども踏まえるとどうしてもこのくらいの年収になってしまうようです。
ただ、経理の経験や税理士資格(もしくは一部科目)がある場合は400万円程度まで上がるケースもあります。
ここまででお伝えしたように、会計事務所の仕事はかなり専門的ですが、いきなり高度な業務を任されるわけではありません。
具体的には、クライアントの税務申告や経理業務の代行といった会計事務所の中では初歩的な業務から任されることが一般的です。簿記2級があれば基本的な処理は問題なくできますが、クライアントの業種や規模感が多種多様なケースも珍しくないため、個別のクライアントに沿った対応が求められます。
これらの業務は税理士しか実施できない独占業務と対比して、税理士補助業務と呼ばれます。この税理士補助業務で経験値や実績をつけていくことで、より高次の業務を任されるようになっていきます。
税理士補助および会計事務所全体の仕事内容については、以下の記事で詳しく解説しておりますので、併せてご覧ください。
会計事務所でクライアントの顧問税理士として活躍するためには、以下のような特徴やスキルが求められる傾向があります。
税務や会計には数字が深く関わってきます。数字に強い人は、問題を素早く解決したり、適切なアドバイスを提供するのに役立ちます。とはいえ難しい計算をするわけではなく、むしろ数字に抵抗感が無ければ問題ないでしょう。
会計事務所の業務はクライアントからの依頼が無いと成り立ちません。その依頼に対応するには、知識だけでなく顧客とのコミュニケーション力も欠かせないのです。業務の特性上、顧客は企業の経営陣であることも多いため、ただ話し上手なだけでなく、いわゆるビジネスコミュニケーションが取れるかも重要視されます。
企業税務や会計は、クライアントの資産や財務状況に関わる非常に重要な業務です。企業の売上や利益に関わる数字を扱うことになりますので、間違いは基本的に許されません。そのような業務をこなせるような真面目で責任感がある人は、顧客から信頼を得ることができます。
税務や会計の法律や規制は常に変化しています。業界の最新情報を把握し、適切なアドバイスを提供することが求められます。
大手の税理士法人と小規模な会計事務所で求められる人の特徴やスキルは異なる場合があります。
大手の税理士法人では、大規模な案件に対応することが多く、多数の顧客に対して高品質なサービスを提供する必要があります。そのため、高度な専門知識やコミュニケーション能力、プロジェクトマネジメント能力が求められることがあります。また、大手の税理士法人はグローバルに展開している場合もあるため、英語力や国際税務の知識が求められる場合もあります。
一方、小規模な会計事務所では、地域密着型のサービスを提供することが多く、顧客との信頼関係が重視されます。そのため、クライアントファーストのマインドセットや地域に対する深い理解、コミュニケーション能力が求められることがあります。また、小規模な会計事務所は少人数で業務を行うため、チームワークや協力性が重要なスキルとなります。
会計業界の仕事を志す人におすすめの方法は、業界専門の転職エージェントを利用することです。会計業界専門の転職エージェントには、業界に精通したコンサルタントが在籍しており、求人情報や転職に必要な情報を提供してくれます。また、コンサルタントが個人的にコネクションを持っていることもあるため、非公開求人を紹介してもらえることもあります。
転職時期については、会計業界は1年を通して求人がありますが、業務のピークである決算期には求人数が多くなります。決算期は、3月末や9月末など、企業の決算時期にあたります。また、新卒採用も行っており、3月や4月には新卒採用の募集が始まることが多いです。
しかし、会計業界においては、資格試験に合格してからの転職が望ましいとされているため、合格後に転職を考える場合もあります。また、自己研鑽を積んでスキルアップし、転職に有利な条件を整えた上で転職することもおすすめです。
未経験者の会計事務所への転職について、ある程度ご紹介していきましたが、業務が基本的に変わらない分、どのような事務所に応募すればいいか分からないという方も多いでしょう。
ここではそんな課題を解決すべく、会計事務所の選び方を解説します。
未経験者にとって一番大切なのが、教育環境が整っているかどうかというポイントです。業務を行いながら独り立ちを目指せるOJTや先輩が教育係としてついてくれるメンター制度がある事務所だと、未経験からでも安心して働ける環境といえます。
どうしても年収や年間休日などが気になってしまうかもしれませんが、仕事を身に付けられる環境でないと元も子もありません(そもそもそれらの要素は事務所ごとに大きな差は無いです)。
そのため、まずは教育環境のリサーチから始めるのがオススメなのです。
多くのケースにおいて、事務所の規模感とクライアントの規模感および案件数は比例します。大手企業との取引を経験したいのであれば大きい規模の会計事務所、特定の分野に強くなったり地域に根差した事務所で働きたいのであれば小規模の事務所を選ぶのがオススメです。
また未経験者向けの求人を掲載している事務所のほぼすべてが、経験者向けの求人も同時に募集しているでしょう。それらの求人は未経験だから関係ないかというと、そうではありません。
経験者向けの求人は、未経験者がその事務所で働いた際の「未来」を把握する材料になるからです。募集要項にあるスキルや経験を積めばどのくらいの年収になるのか、またどんな業務を担えるのかなどを確認し、自身のキャリアプランと合致しているかを測っておくことで、入社後もギャップなく働けるでしょう。
事務所ごとに仕事内容は大きく変わらないとお伝えしましたが、得意領域についてはそれぞれの事務所に特徴があります。
相続や国際税務、M&Aなど特定の分野に強かったり特化している事務所があれば、IT業界や製造業などといった特定の業種のクライアントに強いという事務所も見られます。
会計事務所での就業にあたってどのように成長していきたいかによって、何に強みがある事務所を目指すべきかは変わりますが、企業情報はしっかりと調べておく必要があるでしょう。
もちろん、当社ヒュープロは士業・管理部門特化の転職エージェントとして未経験からの会計事務所への転職を積極的にサポートしておりますので、具体的な求人のご紹介や、興味のある事務所の実態などについては、ぜひご相談いただけますと幸いです!
上述の通り、未経験採用をしている事務所がいくらあるからといって、必ずしも受け入れ態勢が整っているとは限りません。
そこで、未経験から会計業界に転職を検討している方にオススメの職場として、税理士法人NKCをご紹介します。
税理士法人NKCは東京都足立区にある税理士法人で、「人の成長、家の浄化向上 企業の永続発展を願い 人材能力、家のエネルギー 企業の経営力の開発に寄与し もって社会に貢献し 存在価値のある開発型企業となる」ことを経営理念としています。経営に関するアドバイスや税務サポートの他にもリスクマネジメントなどの危機管理のアドバイス、資産活用のサポートまで行っています。
税理士法人NKCの未経験者へのおすすめポイントの一つとして、教育体制の充実さがあり、入社後はアシスタントとして先輩社員から多くを学ぶことができます。
また、未経験で税理士試験科目を勉強しながら働きたいという方にもおすすめです。なぜなら、年間休日は120日以上で予備校への通学時にはフレックスタイム制の利用が可能、さらに通常の有給休暇とは別で10日の試験休暇が取得可能で、科目合格したら予備校代を全額支給するという福利厚生まであるからです。
実際に4名の方が入社後に税理士に合格していることからも、資格取得をサポートしていることがお分かりいただけるのではないでしょうか?
税理士法人NKCについて、詳細な会社案内を確認されたい方は以下より事務所様のサイトをご覧ください。
税理士法人NKC│HP
未経験の方でも会計事務所への転職は可能です。簿記などの資格以外にも、PCスキルやコミュニケーション能力など異なる分野で身につけたスキルでも活かせるものは多々あります。まずは自分自身のキャリアの棚卸しを行い、面接でアピールするポイントを整理してみましょう。
ヒュープロでは、未経験の求人を多く取り扱っています。まずはお気軽にキャリアアドバイザーとの面接で、ご希望や転職活動の進め方についてご相談ください。