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管理会計の手法にはどんなものがある?

公認会計士 大国光大
管理会計の手法にはどんなものがある?

管理会計とは、財務会計とは別の会計となりますが、財務会計よりも実務で使われていない場合も多いので、あまり種類を知らない人も多いかもしれません。
そこで、今回は管理会計の手法について解説します。

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管理会計と財務会計

まず、管理会計と財務会計の違いについて説明します。
財務会計は、企業の正式な決算書を作るために必要な会計を言います。例えば、税務署に申告書と共に提出する場合や、株主総会の為の計算書類、銀行に提出するための貸借対照表や損益計算書等は全て財務会計から作られるものです。

一方で、管理会計については、法律上定められたものではなく、あくまでも企業の内部で活用するためだけに用いられる会計手法となります。
よって、最終的な利益が財務会計と異なっていても良いですし、様式についても全て任意となっています。

このような理由から、管理会計の手法というのは企業の数だけ存在していると言えるでしょう。

管理会計の重要性

法律上求められるのが財務会計で、企業の内部でのみ使われるものが管理会計だとすると、管理会計はなぜ重要であると言えるのでしょうか。

例えば、製造業において、財務会計上は在庫を作れば作るほど企業は利益が出るようにできています。これは、売上高が一定だったとしても、在庫がどんどん増えていけば、工場の固定費がどんどん在庫に載せられていき、結果的に売上原価が小さくなるからです。
一方で、管理会計で直接原価計算等の手法を取ったりすると、在庫をどれだけ作っても利益には影響せず、あくまでも販売したらしただけ利益が増える仕組みを作ることができます。

このように、管理会計では、本当に企業が儲かっているかどうか、また、どの部分を変えれば儲かるようになるか等を議論することができるため、とても必要な会計だと言えます。

管理会計の手法

それでは、管理会計の主な手法について解説します。

管理会計の手法

限界利益

管理会計上よく用いられるのが、限界利益です。
限界利益というのは、売上高から変動費を差し引いた数値を言います。例えば1個作るのに材料(変動費)が60円かかり、1個100円で売れる商品があった場合の限界利益は、1個売ったら40円、100個売ったら4,000円と言えます。

この限界利益の考え方は、例えば1個100円で売れるものの、その品物を作るのに110円かかるといった場合、普通に考えたら作らない方が儲かるようにも思えます。
しかし、110円の内訳が、材料費(変動費40円)で、残りが機械の減価償却費70円だったとしましょう。

すると、この商品を売っても売らなくても、機械の減価償却費はかかり続けるわけなので、原価利益である(110円―40円)の70円を稼いだ方が得という結論になります。
このように、見た目はマイナスであるものの、実際にはプラスになる行動がたくさんあるため、限界利益の考え方は管理会計の基礎と言えるでしょう。

損益分岐点売上高

管理会計の代表的な考え方の一つに、損益分岐点があります。
損益分岐点の計算式は、次の通りです。

損益分岐点売上高=固定費÷粗利率

元々、損益分岐点売上高というのは、企業がその売上高をあげれば、損益がちょうどゼロになる売上高を言います。よって、毎月損益分岐点売上高を計上していれば企業は継続できると言えますし、逆に損益分岐点売上高を下回っている場合は、存続が危うくなります。

損益分岐点売上高は、企業全体としての指標としても使えますが、新規事業を立ち上げる時に、最低限どれくらいの売上が必要かを知るのに最適な指標です。

よって、部門別に損益分岐点売上高を把握しておいて、その売上高を最低目標とする使い方をするとよいでしょう。

原価管理

今までは具体的な指標でしたが、製造業で管理会計というと、この原価管理がよく出てくるでしょう。

原価管理とは、例えば一つの製品を作るのにいくらかかるかを算出して、その原価をどのようにして低くしていくかを管理していく手法となります。

例えば、一つの製品を作るのに、材料費が100、労務費が50、設備の減価償却費が30の計180かかるとします。
ここで原価を150までに抑えたい場合に、やみくもに材料費のみ減らすというわけではなく、正社員で作っていたものをアルバイトに切り替えて労務費を削減したり、最新の機械でなくても作れるのであれば、古い機械で制作して減価償却費を抑えたりするなど、様々な手法を考えることができます。

原価管理で重要なのは、製品を作るのにいくらかかるかの目標を立てて、その目標原価と実際原価がなぜ、どれくらい違うのかを検証することにあります。
やみくもに出てきた原価を削るよりも、まず製品開発段階でしっかりと予定原価を組み立てる必要があります。

まとめ

管理会計の手法を具体的に色々と列挙しましたが、これ以外にも数えきれないほどたくさんあります。
管理会計は、一つの手法にこだわることなく、自社に合った方法をカスタマイズして利用することが大事と言えるでしょう。

カテゴリ:コラム・学び

この記事を書いたライター

公認会計士 大国光大
公認会計士、税理士。監査法人東海会計社代表社員、税理士法人クレサス代表社員。大学時代に公認会計士旧二次試験に合格後大手監査法人に就職し、27歳で独立開業。国際会計と株式公開支援が専門。セミナーや大学で講師を務めたり書籍の出版も行っている。

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